北海道新聞03/03 18:36 更新

「全国水平社」の創立から100年を迎え、記念集会で黙とうする人たち=3日午後、京都市左京区
身分差別のない平等な社会を求めて被差別部落の人々が立ち上がった「全国水平社」の創立から3日で100年。後継団体の「部落解放同盟」が同日、創立大会のあった京都市で記念集会を開き、マイノリティーの人権確立に向け法整備を実現させるとする決意を表明した。約千人が集った。
在日外国人に対するヘイトスピーチや性的少数者らへの偏見、新型コロナウイルス禍での差別など、あらゆる人権問題が課題となる今日、人間の尊厳を大切にする水平社の精神を再確認する契機となりそうだ。
解放同盟の組坂繁之執行委員長は、ロシアのウクライナ侵攻に言及。「戦争は最大の差別、人権侵害である」との先人活動家の言葉を引用し、「人類の危機だ。全国で戦争反対の運動を起こさなければならない」と訴えた。決意表明には、インターネット社会での差別と闘うことや、国内外の被差別マイノリティーとの連携促進も盛り込まれた。
集会では、創立100年を記念して60年ぶりに映画化された作家島崎藤村の小説「破戒」が、7月の全国公開に先立ち上映。監督の前田和男さんは「同和問題を知る人も知らない人もざっくばらんに語り合える空気を醸成できたら」と話した。
全国水平社は1922年3月3日、京都市左京区の岡崎公会堂(当時)に全国から約3千人が集まり、創立大会を開催。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で有名な宣言を採択した。部落解放の活動は沖縄の人々やアイヌ民族、障害者、ハンセン病元患者ら、他のマイノリティーの運動にも影響を与えた。
国は69年に「同和対策事業特別措置法」を制定。2002年まで法に基づく関連事業を進め、同和地区での生活環境の改善が図られた。16年には国や自治体に相談体制の充実や実態調査を求める「部落差別解消推進法」が施行された。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/652293


「全国水平社」の創立から100年を迎え、記念集会で黙とうする人たち=3日午後、京都市左京区
身分差別のない平等な社会を求めて被差別部落の人々が立ち上がった「全国水平社」の創立から3日で100年。後継団体の「部落解放同盟」が同日、創立大会のあった京都市で記念集会を開き、マイノリティーの人権確立に向け法整備を実現させるとする決意を表明した。約千人が集った。
在日外国人に対するヘイトスピーチや性的少数者らへの偏見、新型コロナウイルス禍での差別など、あらゆる人権問題が課題となる今日、人間の尊厳を大切にする水平社の精神を再確認する契機となりそうだ。
解放同盟の組坂繁之執行委員長は、ロシアのウクライナ侵攻に言及。「戦争は最大の差別、人権侵害である」との先人活動家の言葉を引用し、「人類の危機だ。全国で戦争反対の運動を起こさなければならない」と訴えた。決意表明には、インターネット社会での差別と闘うことや、国内外の被差別マイノリティーとの連携促進も盛り込まれた。
集会では、創立100年を記念して60年ぶりに映画化された作家島崎藤村の小説「破戒」が、7月の全国公開に先立ち上映。監督の前田和男さんは「同和問題を知る人も知らない人もざっくばらんに語り合える空気を醸成できたら」と話した。
全国水平社は1922年3月3日、京都市左京区の岡崎公会堂(当時)に全国から約3千人が集まり、創立大会を開催。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で有名な宣言を採択した。部落解放の活動は沖縄の人々やアイヌ民族、障害者、ハンセン病元患者ら、他のマイノリティーの運動にも影響を与えた。
国は69年に「同和対策事業特別措置法」を制定。2002年まで法に基づく関連事業を進め、同和地区での生活環境の改善が図られた。16年には国や自治体に相談体制の充実や実態調査を求める「部落差別解消推進法」が施行された。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/652293