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千島アイヌ 翻弄の痕跡

2022-03-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/07 16:00

ロシア風のワンピース。千島アイヌの女性が繕いながら、愛用したとみられる(公益財団法人アイヌ民族文化財団提供)
根室市歴史と自然の資料館 所蔵品に宿る信仰、息づかい
 【根室】根室市歴史と自然の資料館所蔵の千島アイヌの資料が注目されている。昨年は北海道博物館(札幌市)、今年は1月から今月6日まで群馬県立歴史博物館(高崎市)に貴重な衣服などが貸し出され、展示された。資料からは日ロ両国の進出や国境問題に翻弄(ほんろう)され、継承が途絶えた千島アイヌの文化をうかがい知ることができる。(黒田理)
 アイヌ民族は《1》北千島などに住み、ラッコ漁などを生業にした千島アイヌ《2》樺太に居住した樺太アイヌ《3》北海道と南千島に居住し、和人と関わってきた北海道アイヌ―の三つのグループに分けられる。
 1875年(明治8年)、日ロ間で樺太・千島交換条約が結ばれたのを受け、千島列島全域が日本領になった。日本国籍を選んだ97人の千島アイヌは84年(同17年)、シュムシュ島(占守島)から色丹島に強制移住させられた。本土からの生活支援をしやすくし、管理下に置くのが狙いだった。
 ラッコなど海獣狩猟の生活から、農牧畜業への転換により、生活環境は激変し、多くの人が亡くなった。根室の花咲学校に編入させた子どもら8人も、2人が病死し、残りは色丹島に戻った。
 生き残った千島アイヌは北千島への帰還を望んだが、かなわず、許可を得て北千島周辺まで海獣狩猟に出かけた。日露戦争をへてそれも中止され、1945年(昭和20年)の終戦直後の旧ソ連軍侵攻により、和人とともに北海道などへの再移住を強いられた。
ロシアの影響強く
 根室市歴史と自然の資料館にある千島アイヌ関係の資料は土器の破片を含めると約200点に上り、文化の一端を今に伝える。
 これらは民族学研究者、林欽吾氏(1893~1965年)がシュムシュ島や色丹島で収集、発掘したものだ。根室のオホーツク文化研究者、北構保男氏(1918~2020年)が林氏から譲り受け、同市に寄贈した。
 中でも貴重なのがロシア風のワンピースと木彫りのシャチを縛り付けたイナウ(木幣)だ。ワンピースは1930年(昭和5年)ごろまで着用していたとみられ、破れた部分を繕った跡もある。
 御神体であるイナウは、千島アイヌがシュムシュ島から風呂敷に包み、色丹島に隠し持ってきたと伝えられている。シャチはアイヌ民族にとって海の神様。実は木彫りのクマとオオカミをそれぞれ縛ったイナウもあったが、これらは東京に持ち帰った研究者が東京大空襲で被災し、焼失した。クマは山の神様である。
 昨年10~12月に「アイヌのくらし」と題して民具などを展示した北海道博物館の大坂拓学芸主査はこれら二つの資料について「千島アイヌの文化の対照的な面が、説明なしにわかる点でとても重要だ」と語る。ワンピースからはロシア正教の信徒だった千島アイヌがいかに強くロシアの影響を受けていたか、一方でイナウからは伝統的なアイヌ民族の信仰をどれほど大切にしていたかが推測できるというのだ。
土器の復元に成功
 北構さんの寄贈品の中には、シュムシュ島で発掘した15~16世紀後半の土器の破片や骨角器などもある。土器は10点の復元に成功した。根室市歴史と自然の資料館は国のアイヌ政策推進交付金を活用し、アイヌ文化に関する展示を拡充した。今後、ワンピースやイナウの展示も検討していく。
 同資料館の猪熊樹人(しげと)学芸主査は「千島アイヌの考古資料は国内でも多く保管している。調査、研究、保存、そして活用につなげる計画をつくっていきたい」と話している。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/653814

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伝統舞踊に人形劇…アイヌ文化を学ぼう

2022-03-08 | アイヌ民族関連
STV3/7(月) 7:32

伝統舞踊や人形劇を通じて、アイヌの文化や歴史を知ってもらおうというイベントが札幌で開かれました。
「アイヌの言葉で美しいはなんと言うんだい?」
「それはねピリカよ」
3月6日、札幌で開かれたのは、人形劇などを通じてアイヌの文化や歴史を紹介するイベントです。
トークセッションではアイヌの血を引く大学生の関根摩耶さんがアイヌ文化を紹介しました。
(関根摩耶さん)「それぞれのアイヌの部分を認め合えるような社会になるきっかけが今回の企画だと思う」
イベントの最後には、アイヌ舞踊も披露され、訪れた人はアイヌ文化への理解を深めていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61d0adee6dfa334c8aef17f3ee86b87a5c13085e

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<まる見えリポート>松浦武四郎記念館 単独館にリニューアル 三重

2022-03-08 | アイヌ民族関連
伊勢新聞3/7(月) 8:00

【松浦武四郎記念館のリニューアル図(松阪市提供)】
 三重県松阪市小野江町の松浦武四郎記念館が4月24日、約1年間かけたリニューアル工事を終えて再開する。併設の小野江公民館が分離し、単独施設として内部を改装した。幕末、ロシアの南下に危機感を抱いて単身、蝦夷(えぞ)地の探査に赴き、明治政府の開拓判官として北海道と命名した松浦武四郎(1818―88年)に関する国内唯一の博物館として充実させた。
 同館は平成6年、小野江公民館を併設して、武四郎の生家近くに開館した。
 武四郎が残した膨大な記録や収集品は関東大震災や東京大空襲をくぐり抜け、重要文化財1505点に指定され、同館で保管している。そのため公民館では火気使用が制限され使い勝手が悪く、公民館の移転が検討されてきた。
 武四郎生誕200年の平成30年には参宮街道沿いの生家を修理し、「松浦武四郎誕生地」として公開。北海道命名150年とも重なり、松阪市や北海道が記念事業を繰り広げ、同年度の記念館への入館者数は過去最多の1万1783人に上った。目安としていた1万人を達成したため、公民館の移設を決め、隣接地に昨年4月に新築した。
 記念館は約2億円かけ改修し、展示面積と内容を拡充した。財源には国のアイヌ政策推進交付金1600万円も入っている。
 収蔵庫の扉を取り換え、防火に加え3メートルの浸水にも耐えられるようにした。公民館の和室だった場所に書庫と研究室を設け、博物館機能を高めた。
 展示室は①生涯を紹介する「武四郎回廊」②探検や著述、収集など多彩な功績を伝えるテーマ展示③2カ月ごとに入れ替える収蔵品の展示―で構成。
 同館目玉の、武四郎が約9800のアイヌ語地名を入れて作った縦2・4メートル、横3・6メートルの蝦夷地図の再現と、晩年に建てた一畳敷書斎の模型もリニューアルした。
   ■   ■
 武四郎はロシアが南下する危機的な北方情勢を長崎で聞き及び、蝦夷地探査に乗り出す。事情通として幕府箱館奉行所に雇われ、内陸の調査を開始。石狩川や天塩川を案内のアイヌと一緒に舟でさかのぼり山中を歩いた。
 探検中にメモした「野帳」を基に、調査報告を全116巻にまとめ幕府へ提出した他、「石狩日誌」など気楽に読める地域別の紀行本を刊行した。
 明治維新後は政府から開拓判官に任命され、蝦夷地の北海道への改称や国郡名の選定に当たり、名称は現在も使われている。
 アイヌ民族に強い関心を抱き、生活と文化、地名を詳細に記録した。北海道東端を巡った「納紗布日誌」では、「ヌサウシというのは、土地のアイヌたちが、山海の神々にささげるイナヲという(木の)けづりかけの御幣を数多く立てる場所である。ヌサの語は和語の『幣(ぬさ)』ウシはアイヌ語で『多い』の意味であり、そうした古い和語がそのままに、この土地の言葉に残っているのは不思議なことである」(丸山道子訳)と共通する言葉に注目している。
   ■   ■
 リニューアル記念式典は4月24日午前10時から開き、同11時にオープン。入場料は一般360円、6―18歳230円。
 同日午後4時から同市川井町の農業屋コミュニティ文化センターで記念ピアノリサイタルを開く。松浦武四郎から5代目の玄孫(やしゃご)に当たるピアニスト関孝弘氏(68)=横浜市=が弾く。
 関氏は国内外で活躍し、イタリアのピアノ作品を意欲的に紹介。同国政府から文化功労勲章コメンダトーレ章を受けている。著書「これで納得! よくわかる音楽用語のはなし」はベストセラー。
 記念館は工事で昨年5月から休館している上、コロナ禍で毎年開いている「武四郎まつり」が2年連続の中止に見舞われた。
 再開へ向け、竹上真人市長は「武四郎の魅力をこれまで以上に感じていただくとともに、松阪が誇る歴史・文化についても広く発信できる」とアピール。「式典には北海道の方にもお声掛けしている」と加えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cb2e4e05d7c873ad0bddb5aa4d4739690c11652

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『アンという名の少女3』<最終話>アンとギルバートの恋の決着、打ち切りになったアンは何と戦ってきたのか

2022-03-08 | 先住民族関連
QJWeb3/7(月) 8:01

画面に向かってツッコまざるを得ない。カクウェットちゃんは!?/Netflixシリーズ『アンという名の少女』シーズン1~3独占配信中
L.M.モンゴメリ不朽の名作『赤毛のアン』に、大胆な現代的アレンジを加えたNetflixドラマ『アンという名の少女』シーズン3第10話「心の導き」、ついに最終回である。ギルバートとアンの恋はどうなるのか? カクウェットの運命は? シーズン4の可能性は? 各ゲーム作家(『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『変顔マッチ』など)でライターの米光一成による全話レビューも完結です。
ギルバートの手紙を引きちぎるアン
ウィニフレッドが怒っている。婚約直前にギルバートが結婚する意志がないことを伝えたのだ。
「今さら破談になったなんてみっともないわ。あなたに愛されてるって信じ込んでしまった。どうしてそんな態度を取ったのよ」
「ぼくは自分の気持ちがわかってなかった。今までずっとだ。心の奥底の思いに気づいて、すぐに君に伝えに来たんだ」
しかも、アンには片思いだと言う。アンと結婚する予定もないのに「ウィニフレッドを捨てる」のだ。身辺の整理をつけて街を離れるあいだ、破談のことは言わないでほしいと、ウィニフレッドは泣きながら訴える。
ふらふらし過ぎなギルバートが、ギリギリのところで決断した。遅いよ!
モンゴメリの原作『赤毛のアン』シリーズでは、プロポーズのタイミングまで自分の本心に気づかないのは、ギルバートではなくアンだ。ロイ(大学時代のボーイフレンド)にプロポースされて、アンは動揺する。
〈「あなたとは結婚できないということです」アンは必死になってくり返した。「できると思っていたんです……でも、できないんです」〉(『アンの愛情』L.M.モンゴメリ 著/松本侑子 訳/文藝春秋)
ギルバートはアンの家に行くが、アンはいない。ギルバートは、愛していることを伝える手紙を書き残す。
帰宅したアンはイラだっている。進学したら一緒に暮らせなくなるというのにマシューの態度がそっけないことに傷ついているのだ。
それで、アンは、ギルバートの置き手紙を見て、さらに怒る。
婚約したことを告げる手紙だと勘違いしてしまったのだ。「顔見て言えないの?」と、手紙を引きちぎり窓から投げ捨てる。だが、やはり気になって断片を集めて組み合わせる。でたらめに組み合わせて「愛してない」と勝手に読み取ってしまう。
前回は、アンの置き手紙が、風で飛ばされ、靴の裏に貼りついたりして、結局、ギルバートのもとには届かなかった。
すれ違いを繰り返すアンとギルバート。
ギルバートとアンの恋の決着
アンはグリーン・ゲイブルズを去り、シャーロットタウンの下宿に引っ越す。マシューは、ようやくアンに本心を打ち明ける。
「おまえが旅立つ前は、わたしの気持ちをおまえに知られないようにしていた。邪魔したくなくてな。だが、そうすることでおまえを傷つけた。すまなかった。おまえがいないと寂しい。毎日、お前を愛しているよ」
そっけない態度は、アンの重荷になることを恐れていたからだったのだ。
アンは、ウィニフレッドと偶然会う。ウィニフレッドは、ギルバートとアンがうまくいってると思い、アンは、ウィニフレッドとギルバートが婚約したと思っているため、話が噛み合わない。ちぐはぐな会話の果てに、破談になったことをアンは知り、走り出す。
進学のため汽車でトロントに向かうギルバートは、ダイアナと偶然、乗り合わせる。
ダイアナは、ギルバートのはっきりしない態度に怒る。アンの手紙を無視したことを叱責すると、ギルバートは「手紙ってなんのこと!?」と驚く。こちらもたまらず汽車を降りて走る。
シャーロットタウンで出会うアンとギルバート。
お互いの気持ちにようやく気づいたふたりに言葉はいらない。キスするふたり。
こうして、ギルバートとアンの恋は、ハッピーエンドを迎える。
モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズでは、ギルバートは、アンにこうプロポーズしている。
〈「ぼくには一つの夢があるんだ」ゆっくりと言った。「かなうはずがないと、いくども思いながら、それでも胸に抱き続けてきた。ぼくは、ある家庭を夢見ているんだ。暖炉に火がゆらめき、猫と犬がいて、友の訪れる足音が響き……そして、きみがいるんだ!」〉(『アンの愛情』L.M.モンゴメリ 著/松本侑子 訳/文藝春秋)
ドラマのアンとギルバートは、まだ一緒に暮らすには至っていない。
アンはクイーン学院へ、ギルバートはトロント大学に行く。遠距離恋愛だ。
ドラマは、アンが手紙を書く場面で終わる。
「親愛なるギルバート。私はお母さんに似ているとわかりました」
カクウェットちゃんは!? シーズン4は?
だが、われわれは画面に向かってツッコまざるを得ない。
カクウェットちゃんは!?
シーズン3は、ギルバートとアンの恋だけでなく、ミクマク族の「文化的虐殺」が描かれた。ミクマク族の子供たちが、カナダ政府によって、強制的に寄宿学校に入れられた。先住民族の文化を「野蛮」だと決めつけ、矯正しようとしたのだ。
アンと仲よくなったミクマク族の少女カクウェットは、虐待がまかり通る寄宿学校から抜け出してくるが、再びカナダ政府の役人によって連れ去られる。
アンとマシュー、カクウェットの両親は、取り返しに行くが、寄宿学校側は、返してくれないどころか、会わせてもくれない。カクウェットは、暗く小さい部屋に監禁され、泣いている。
これは、歴史上の事実に基づく。
カナダの初代首相ジョン・A・マクドナルド卿は、この計画を国会議員にこう説明している。
〈学校が居留地にあれば、子どもは野蛮な両親とともに暮らし続ける。子どもは野蛮人に囲まれており、読み書きはできるようになるかもしれないが、習慣や躾、考え方はインディアンのままだ。読み書きができるただの野蛮人であり続ける。インディアン省のトップとして私が強く主張したいのは、インディアンの子どもたちを親の影響から可能な限り遠ざけるべきであり、そのための唯一の方法は、白人の習慣や考え方を身につけさせるために、訓練中心の工業学校に入れることである。〉(『命を落とした七つの羽根』タニヤ・タラガ 著/村上佳代 訳/青土社)
これはまさに『アンという名の少女』のアンがずっと戦いつづてきた「差別的な考え方」だ。
シーズン4が制作されていたら、どうなっていただろうか。
原作『赤毛のアン』シリーズ『アンの愛情』のラストで、ギルバートはアンにプロポーズする。
つづく『風柳荘のアン』はふたりの婚約時代の1冊で、アンがギルバートに送る手紙で構成されている。これは、まさにドラマのシーズン3のつづきにぴったりなシチュエーションだ。
アンが送る手紙の出来事がドラマとして展開する内容になったのではないだろうか。そこで、カクウェットの問題にも立ち向かうアンが描かれたのではないかと想像する。
『アンという名の少女』が最後まで制作されず、打ち切りになったことはとても残念だ。
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ
原作:L・M・モンゴメリ
製作総指揮:モイラ・ウォリー=ベケット
キャスト
アン・シャーリー(エイミーベス・マクナルティ)(上田真紗子)
マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン)(浦山迅)
ダイアナ・バリー(ダリラ・ベラ)(米倉希代子)
ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)(金本涼輔)
レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)(堀越真己)
ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)(霧生晃司)
Netflixシーズン1から3まで配信中
米光一成
(よねみつかずなり)ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学教授/日本翻訳大賞運営/東京マッハメンバー。代表作は『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』『BAROQUE』『はっけよいとネコ』『記憶交換ノ儀式』等、デジタルゲーム、アナログゲームなど幅広くデザインする。池袋コミュニティ・カレッジ「表現道場」の道場主。宣伝会議「編集ライター養成講座 即戦力コース」専任講師。著作『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法』(日本経済新聞出版社)、『思考ツールとしてのタロット』(こどものもうそうブックス)等。
https://news.yahoo.co.jp/articles/539d0d5f2c3bdf4c8ec9daee7090dcdbb22583de

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