先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

北海道の激ムズ地名「重蘭窮」どうやって読む? アイヌ語の地名は基本的に地形を説明している

2022-03-19 | アイヌ民族関連
東洋経済2021/02/12 18:00
中川 裕 : 千葉大学文学部教授
北海道にはさまざまな難読地名が存在します。その由来となったのはアイヌ語ですが、それではアイヌ語の地名はどのような意味を持っているかご存じでしょうか? 野田サトル氏による累計発行部数1500万部超の大ヒット冒険活劇漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修で、千葉大学文学部教授の中川裕氏が上梓した『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』を一部抜粋・再構成し、北海道のアイヌ語地名が持つ意味について解説します。
文字を持たない人々の言葉であっても、その話し手がいなくなった後に痕跡を残すことがあります。その1つが地名です。
かつて東北地方の少なくとも北半分にアイヌ語を話す人々が住んでいたと断言できるのは、そこに北海道と同じ、アイヌ語だと思われる地名が数多く残されているからです。
「北海道と同じ」とわざわざ言うのは、アイヌ語のように音の構造の比較的簡単な言語は、この制限を外すと語呂合わせのような感じで、いくらでも「アイヌ語地名」が認定できてしまうからです。
たとえば100年以上前から富士山のフジはアイヌ語だとか、阿蘇山(あそさん)のアソはアイヌ語だということが言われてきました。それに対するいちばん簡単な反論は、北海道にも火山はあちこちにあるが、1つもフジだとかアソだとかという山はないということです。
アイヌ語の地名は地形の説明
アイヌ語の地名というのは基本的に地形の説明です。襟裳岬(えりもみさき)の襟裳はエンルㇺというアイヌ語がもとで、「みさき」という意味です。知床岬(しれとこみさき)の知床も、シㇼ「大地」エトコ「~の先端」というのが語源で、要するに山の稜線が張り出しているところ。海の沖のほうまで張り出して半島になっているのが知床半島ですが、実は北海道の内陸地域にもシレトコと呼ばれる場所は何箇所かあります。

ゴールデンカムイにも登場するアイヌ語の地名(画像:『ゴールデンカムイ』10巻より、©野田サトル)
また幌内(ほろない)という地名は、石狩にも北見にも釧路(くしろ)にもありますが、ポロ「大きな」ナイ「川」ということで、「(周辺の川と比較して)大きな川」ということ。樺太の多来加湾(たらいかわん)(※テルペニヤ湾)に面した敷香(しすか)と呼ばれていた町は、現在ポロナイスクという名前になっていますが、このポロナイも同じ由来の名前。
1990年に私が行った時には、もうすでにアイヌは誰も住んでいないという話でしたが、ポロナイの名のとおり、大きな川が水をたたえて流れていました。 
このように、同じ地形にはだいたい同じような名前がつけられるので、そうした地形と名前の組み合わせが見られれば、アイヌ語地名である可能性が高くなってくるわけです。
アイヌ語の地名はまた、そこの植生や土地の人たちがその場所をどのように利用していたかを表す場合もありました。9巻86話あたりでアシㇼパ一行が訪れる樺戸は、「ゴールデンカムイ」の中では新撰組副長の土方歳三が収監されていたことになっている監獄のあったところですが、カパト「コウホネ」という植物の名前から来ています。
コウホネにはレンコンのような根があり、これを掘り出して食べたところだと言われています。また、石狩地方に鬼斗牛、釧路に来止臥、十勝に喜登牛というところがありますが、全部読み方は同じでキトウシ。キトというのは、2巻14話にでてきたプクサと同じもので、ギョウジャニンニクという山菜のこと。それが生えているところというのが、ウシの意味です。
人名と地名はつけ方が異なる
ということは、人名と地名はつけ方が全然違うということですね。人名は他人と同じ名前をつけてはいけないというのが原則ですが、地名のほうは同じ地形や同じような環境のところには同じ名前をつけるのが原則です。
早い話が「裏の山」とか「湧き水の出ているところ」というような感じで、土地の人間ならばどこのことを言っているかすぐわかるような言い方で呼んでいるだけなので、もともとは固有名詞とすら言い難いものだったのです。
こんなふうに、もとのアイヌ語がわかれば、そこがどんなところだったのかがすぐわかるのですが、それを探るのを面倒にしているのが、そこに当てられた漢字です。
来止臥(きとうし)もそうですが、昔の「知識人」が自分の教養をひけらかすために、わざと難しい読みの漢字を当てたのではないかという地名がたくさんあります。
石狩に留辺蘂、胆振(いぶり)に累標という場所があって、どちらも私たちには読めやしませんが、ルベシベと読みます。ル「道」ペㇱ「沿って下る」ぺ「もの=川」の意味で、峠を越える道に沿って流れる川を指します。
漢字を見ると恐ろしげですが、アイヌ語自体で言えばなんということはない普通の名前です。難読漢字の代表としてときどきテレビのクイズ番組にも出るのが、釧路の重蘭窮。知らないかぎり絶対に読めない地名ナンバーワンで、これでチプランケウシと読みます。
チㇷ゚「舟」のㇷ゚は日本語話者には聞こえないような音なので、それをチウのように聞いて重の字を当て、ランには蘭を当てたのだと思いますが、残りのケウシになぜ窮という字を当てたのかは不明です。一方、アイヌ語の解釈は明瞭で、ランケは「下ろす」、ウシは「いつもするところ」で、チㇷ゚・ランケ・ウシは「いつも舟を下ろすところ」。山で作った丸木舟を海に下ろすところという意味でしょう。
東北地方にアイヌ語が話されていた証拠としての地名という話も、このような北海道のはっきりとアイヌ語とわかっている地名のルールと照らし合わせたうえで考えられているものです。
ただアイヌ語で解釈できるからという理由だけでアイヌ語地名だと言えるわけではありません。この点についていちばん勉強になるのは、山田秀三さんという人の著作です。
実は東北北部のアイヌ語地名の多い地域というのも、山田さんが膨大な現地調査のうえで導き出した結論です。たとえば、「内」という漢字を当てられることの多い、ナイ「川」のついた地名は、アイヌ語地名の代表のようなもので、北海道にも東北にもたくさんありますが、山田さんはナイがついているからただちにアイヌ語地名だ、という判断の仕方はしません。
彼の「サンナイ地名の謎」(註1)という論考を読むと、それがよくわかります。サンナイというのは青森県の三内丸山遺跡の三内がその1つですが、山田さんは最初それがアイヌ語地名だとは思っていなかったそうです。
三内丸山遺跡の三内はアイヌ語なのか
しかしアイヌ語として考えてみたらどうかと思ったとき、たちはだかったのは、サン「下る」ナイ「川」という、ただアイヌ語の単語を日本語に置き換えただけの一般的な語釈でした。
何が下るのか? 水が下るのは、川ですから当たり前ですね。何か特徴的なものが下るのでないかぎり、そんな名前がつくわけはありません。それを解決しないとサンナイがアイヌ語だとは言い切れません。
考えあぐねた山田さんは、釧路の奥にサンケナイ「下ろす・川」という地名を見つけ、土地の古老にその意味を尋ねてみました。そうすると「大雨でも降ると、急にどっと水が出る川だからそういうのだ」という説明でした。そこで、彼は北海道天塩(てしお)地方の三毛別(さんけべつ)(ベツはペッのことでやはり「川」の意味)、後志(しりべし)地方の珊内(さんない)、秋田県の三内と山内、そして青森県の三内に実際に行ってみて、そこで土地の人たちへの聞き取りを行い、すべての地点が洪水や鉄砲水の名所であるということをつきとめました。
そこでやっと、サンナイというのは「(増水が)流れ出る・川」だという結論に達しました。つまり三内丸山の三内はアイヌ語地名だということをつきとめたのです。
東北地方の北部を強調しましたが、アイヌ語地名はそこにしかないということではありません。ただ、それより南に行くと、それらしい地名の数ががくっと減るので、本当にアイヌ語地名かどうか確かめるのが難しくなるということなのです。山田さん自身は新潟県に特徴的な「五十嵐(いがらし)」という地名について、アイヌ語かもしれないと言っています(註2)。
山田さんは新潟県内の3カ所の「五十嵐」「五十辺(いがらべ)」を実地検分して、インカルシにふさわしいところを見つけてきました。北海道のインカルシという地名は、インカㇻ「見る」ウシ「いつもするところ」という意味。
地名をなくすことは歴史を消すこと

『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
小高い丘の上にあって眺望がきくところにつけられていて、そこで敵の軍勢とか魚の到来を見張ったところだと言われ、北海道北見の遠軽(えんがる)の語源もこれだとされています。
そうです。何か遠くのほうからやってくるかもしれないものを「見る」ところということで、インカㇻマッのインカㇻと同じ言葉です。そんな言葉が新潟県の丘の上に、さりげなくつけられていたのかもしれないのです。
近年、アイヌ語地名の復権が強く叫ばれるようになってきましたが、地名はそこに住んでいた人たちの存在の証であり、地名をなくすことはその人たちの歴史を消すことです。ひいては人々の心の中からアイヌという存在を消し去ることにつながります。そういった意味で、アイヌ語地名についての関心がもっと高まるように努力したいと思います。
(参考文献)
注1:山田秀三『東北・アイヌ語地名の研究』草風館(1993年)
注2:山田秀三「インカラ(眺める)地名物語」『東北・アイヌ語地名の研究』草風館(1993年)
https://toyokeizai.net/articles/-/409422

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボルソナロは先住民の政策に敬意を表して羽毛飾りを身に着けている

2022-03-19 | 先住民族関連
Infobae2022/3/18
ブラジリア、18 3月ブラジルの大統領Jair Bolsonaroは、羽毛の頭飾りを身に着け、さまざまな部族のメンバーとともに、金曜日に先住民の政策について自国の政府から承認を受け、ほとんどの先住民によって拒否されました。 「私たちはまったく同じです。私たち全員が神の恵みによって地上に来ました」とボルソナロは、1972年に当時国を統治していた独裁政権によって創設された先住民功労勲章を受け取ったとき、先住民族の少女を腕に抱えて言いました。 この賞を極右の指導者に授与した法務省によると、それは「先住民コミュニティの福祉、保護、防衛に関連する、利他的な性質の彼の重要なサービスの認識」です。 「あなたは私たちが到着するずっと前にここに到着しましたが、時間が経つにつれて私たちは統合しました」とボルソナロは頭に派手な羽の頭飾りを付け、式典に出席した何十人もの先住民に話しかけました。 「私たちが望んでいるのは、私たちが私たちの土地で行うことをあなたの土地で行うことだけです」、「私たちは兄弟であり、私たちは友人であり、私たちも同じです」と彼はプロジェクトへの明確な言及の中で、彼の政府が先住民保護区での鉱物資源と森林資源の開発を解放することを推進していると述べた。 この賞は、政府がこのプロジェクトの議論を加速するよう議会に圧力をかけているときに彼に課されました。先住民族の大多数は、現在法律で禁止されている生産活動の解放による生態学的影響を恐れています。 ボルソナロはここ数週間、とりわけ、先住民の土地には肥料の生産に必要なカリウムやその他のミネラルが豊富であり、ウクライナ侵攻後にロシアに課された経済制裁のために不足していると主張している。 ボルソナロは2019年1月に政権を握り、それ以来、キャンペーンで約束したように、「ミリメートル」の新しい先住民の土地を認識せず、主に違法な性質を持ち、暴力的な紛争や埋蔵量の侵入の原因となる職人による採掘を奨励していません。 また、環境や保護地域に関連する予算と同様に、先住民の保護のための予算も徐々に削減されています。 これらの政策に直面して、ブラジルの民族グループを代表する最大のグループの1つであるブラジル先住民の明確化(Apib)は、昨年、国際刑事裁判所に国家元首に対する大量虐殺の告発を提出しました。チーフ ネット/マット/コピー (動画)
https://www.infobae.com/jp/2022/03/18/bolsonaro-wears-a-feather-headdress-in-tribute-to-his-indigenous-policies/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

言語で探るウイルタ 27日まで 網走で企画展 /北海道

2022-03-19 | 先住民族関連
毎日新聞 2022/3/19 地方版 有料記事 418文字
 北方先住民族のウイルタをテーマにした企画展「ウイルタのモノとコトバ」が27日まで、網走市の道立北方民族博物館で開催されている。網走と縁の深いウイルタの資料と独自の言語から、その生活ぶりを紹介している。
 ウイルタは第二次世界大戦後に樺太(現ロシア・サハリン)から一部の人たちが北海道に移住し、網走には10人程度が暮らしたとされる。
 同館では少なくとも850点以上のウイルタの資料を収蔵しており、今回の企画展では約70点を展示。全ての資料にウイルタ語が併記され、移動に欠かせないトナカイは、飼育された個体と野生の個体、年齢によって呼び方が違うことや、手袋や帽子の名称も1種類ではないことなど、「モノ」と「言葉」からウイルタの文化や世界観を紹介している。
この記事は有料記事です。 残り93文字(全文418文字)
https://mainichi.jp/articles/20220319/ddl/k01/040/023000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<ゴールデンカムイ>サンリオとコラボ 杉元×シナモロール 白石×おさるのもんきち 谷垣×ポムポムプリンも

2022-03-19 | アイヌ民族関連
MANTANWEB3/18(金) 12:00配信

「ゴールデンカムイ」とサンリオキャラクターズのコラボビジュアル(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会(C)SN/S,GKP(C)2022 SANRIO CO.,LTD. APPROVAL NO. S622482
 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の野田サトルさんのマンガが原作のアニメ「ゴールデンカムイ」とサンリオキャラクターズがコラボすることが分かった。杉元佐一×シナモロール、アシ(リ)パ×マイメロディ、白石由竹×おさるのもんきち、鶴見中尉×バッドばつ丸、土方歳三×クロミ、尾形百之助×ハローキティ、谷垣源次郎×ポムポムプリン、キロランケ×KIRIMIちゃん、月島軍曹×ハンギョドン、鯉登少尉×タキシードサムが描かれたコラボビジュアルが公開された。コラボビジュアルを使用したグッズ企画を予定している。
 「ゴールデンカムイ」は、2014年から「週刊ヤングジャンプ」で連載中のマンガ。かつ日露戦争で活躍した“不死身の杉元”が、北海道で死刑囚が隠した埋蔵金の手掛かりをつかみ、アイヌの少女らと共に冒険を繰り広げる姿を描いている。
 テレビアニメ第1期が2018年4~6月、第2期が同年10~12月、第3期が2020年10~12月に放送された。第4期が制作されることも話題になっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/421f81f260f7d7bf90489dbf21d80634950daa4a

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゴールデンカムイ」杉元×シナモロール、尾形×ハローキティ…サンリオとのコラボビジュアル公開!

2022-03-19 | アイヌ民族関連
アニメアニメ3/18(金) 12:45

「尾形×ハローキティ」(C)SN/S,GKP(C)2022 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. S622482
『ゴールデンカムイ』とサンリオキャラクターズのコラボが決定。「杉元×シナモロール」「アシリパ×マイメロディ」などのコラボビジュアルが公開された。
『ゴールデンカムイ』の原作は、野田サトルが「週刊ヤングジャンプ」に連載中の同名マンガ。シリーズの累計発行部数は、1,800万部を突破している。
明治時代後期の北海道を舞台に、網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金を巡る冒険活劇を描いている。2018年よりTVアニメが放送され、現在第4期の製作も決定している。
この度、そんな『ゴールデンカムイ』とサンリオキャラクターズのコラボが決定。20キャラクターによるコラボビジュアルが公開された。
「杉元×シナモロール」では、シナモンのパタパタ揺れる大きな耳が杉元のマフラーのようだ。かわいいもの好きの杉元は、シナモンのキュートさにメロメロになるはず。
「アシリパ×マイメロディ」では、アシリパもマイメロディもおばあちゃん(フチ)のことが大好き。自然の中で育ったふたりは、森の中が遊び場だ。
「白石×おさるのもんきち」は、頭のシルエットがそっくり過ぎる白石ともんきちだ。おきらくで楽天家、お調子者な性格もそっくり。
「鶴見×バッドばつ丸」では、“社長になること”が夢のばつ丸は、鶴見とお揃いの前頭部プロテクターで、仲間たちにげきを飛ばしていそう。
「土方×クロミ」では、かっこいい男のコが大好きなクロミは、土方のことも大好きだ。三輪車を馬に乗り換えて、土方といっしょに「ブンブンドライブ」中。
「尾形×ハローキティ」は、明るくて優しい女の子・キティの隣で、チタタプを作っている孤高の山猫スナイパー・尾形のデザインだ。
「谷垣×ポムポムプリン」では、谷垣が元気なゴールデンレトリバーのプリンと、アイヌ犬のリュウの真ん中でポーズ。寒いときは、プリンとリュウを湯たんぽにして寝るのかも。
「キロランケ×KIRIMIちゃん.」は、魚釣りをしていたキロランケの網に入ったのは、鮭ではなくKIRIMIちゃん.だった。KIRIMIちゃん.とかまぼこちゃんは、キロランケにも「美味しく食べてもらいたい」。
「月島×ハンギョドン」では、長風呂の月島と、温泉好きの半魚人・ハンギョドンが仲良く入浴中だ。さびしがり屋なハンギョドンに懐かれても「面倒くさい」なんて言わないで。
「鯉登×タキシードサム」では、ともに由緒ある家柄の鯉登とタキシードサムが、サーカスの軽業に挑戦している。タキシードサムの傘の上には、鯉登の「鶴見×バッドばつ丸」ブロマイドコレクションが。
なお、コラボビジュアルを使用したグッズ企画も現在進行中だ。「AnimeJapan 2022」で、3月27日に開催される『ゴールデンカムイ』のステージにて新情報がお知らせされるので、是非こちらもチェックしよう。
(C)SN/S,GKP
(C)2022 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. S622482
(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
https://news.yahoo.co.jp/articles/613671cc1e8358d740915cf093c998e3726fdf11

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ20周年を迎える「うたわれるもの」3部作がSteamで最大75%オフのセールを開始

2022-03-19 | アイヌ民族関連
IGN3/18(金) 19:03
シリーズ20周年を迎える「うたわれるもの」3部作がSteamで最大75%オフのセールを開始

シリーズ20周年を迎える「うたわれるもの」3部作がSteamで最大75%オフのセールを開始
シリーズ20周年を迎えるシミュレーションRPG「うたわれるもの」シリーズ3部作のセールをSteamで実施中だ。対象となるのは『うたわれるもの 偽りの仮面』、『うたわれるもの 二人の白皇』、『うたわれれるもの 散りゆくものへの子守歌』の3作品。
『うたわれるもの 偽りの仮面』
75%オフで995円(税込)
『うたわれるもの 二人の白皇』(レビュー)
75%オフで995円(税込)
『うたわれれるもの 散りゆくものへの子守歌』
60%オフで2640円(税込)
『うたわれるもの SERIES BUNDLE』(3本パック)
71%オフで4166円(税込)
『うたわれるもの COMPLETE BUNDLE』(3本+DLC)
73%オフで6448円(税込)
「うたわれれるもの」シリーズは、アイヌ文化をモチーフとした世界観にて、幾度となく繰り広げられる切なくも激しい若人たちの戦いを描いた戦記物。シリーズ1作目は2002年にPCでLeaf(アクアプラスのゲームブランド)から発売され、のちに『うたわれるもの 散りゆくものへの子守歌』としてリメイクされた。そのため今回のセールでは、『うたわれれるもの 散りゆくものへの子守歌』からプレイすることをお勧めしたい。
1作目では、記憶をなくした倒れていた主人公のハクオロが、恩人である村人のために圧政と戦いながら人々を導いていく。その戦いの中で自分に秘められた秘密を知り、そして世界の秘密ることで、自らの過酷な運命に立ち向かった。2作目「偽りの仮面」と最終章「二人の白皇」では、主人公がハクにバトンタッチ。彼もまた別の形で世界の鍵となる人物で、仲間と共に過酷な運命に立ち向かう。とても重たく壮大なテーマを描いたが、仲間との賑やかで笑える日常パートが、物語をより深いものにしてくれた。
戦闘パートは、ステージを俯瞰してキャラクターを動かすタクティクス系のシミュレーションゲーム。基本はオーソドックスだが、リズムゲームのようにタイミングを合わせて連続攻撃を放つ「連撃」や「必殺技」といった特徴的なシステムを搭載。爽快感が高く難易度設定や簡易入力もあるので、普段シミュレーションゲームをプレイしない人でも遊びやすい作品に仕上がっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/14d3a04e3bf2411b03fee5721bd0dcea82f69c1f

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

建築物の破壊はジェノサイドだ―ロバート・ベヴァン『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』

2022-03-19 | 先住民族関連
ALL REVIEWS 3/18(金) 7:00

『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』(原書房)
世界各地でなくならない戦争や内乱は、人命だけでなくその土地の建築物や文化財も破壊していく。それは歴史的価値や美的価値を損なうだけでなく、民族や共同体自体を消し去る行為だった。ナチスのホロコースト、チベット問題、世界貿易センタービル、バーミヤンの仏像など、現在も未解決の問題の根底にあるものとは。建築物の記憶を辿った書籍『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』より序章を公開します。
◆数千年におよぶ偶像破壊の歴史
本書構想のきっかけとなったのはボスニア紛争(1992~95年)だった。当時は2001年3月にバーミヤンの辺境にある6世紀の仏像2体がダイナマイトで破壊されるとは、さらに同じ年の9月にニューヨークのツインタワーが崩壊するとは誰ひとり夢想だにしていなかった。
2006年にはイラクでのアメリカ空軍の爆撃によりアブー・ムサブ・アッ=ザルカウィが死亡した。「イラクのアル=カーイダ」の創設者だったザルカウィは、死にいたるまでの数年間、シーア派とスンニ派の対立を激化させることを常套手段としており、たとえばサーマッラーのアスカリ廟――イスラーム教シーア派の四大聖廟のひとつ――などイラク各地のモスクを計画的に爆破して、宗派間の怒りをうまく煽っていた。ザルカウィの死後、その組織は「イラクとレバントのイスラーム国」(ISILまたはダーイシュ)に姿を変える(レバントとは地中海東部沿岸地方をさす。この組織はISISとも呼ばれる)。
組織としてのダーイシュは、遺産に対するタリバンやザルカウィの残忍な路線を継承しており、建築物の利用と悪用にじつにたけている。文化遺跡の破壊は、テロ、プロパガンダ、征服、集団殺害と、さまざまな目的に応用できるからだ。
本書に取りあげた地域のなかには、その後平穏になったところもある。たとえばボスニアでは、内戦終結後の20年間には建築物の破壊行為はあまり起きていない。とはいえ1995年にむすばれたデイトン和平協定に遺産保護条項が盛りこまれたにもかかわらず、古都モスタルのシンボルだった橋くらいしか、再建による共同体の和解は進んでいないのが現状だ。そのほかの地域でも、紛争によって建築遺産が標的になったときの惨事は激化する一方である。とくにイスラーム世界では、ザルカウィが好んだ戦術はシリアとイラクで制御不能におちいっており、さらに遠く離れた地域ではほとんど抑制されていない。
こうした破壊は、表面上は初期イスラームを理想とするサウジアラビアの厳格なワッハーブ派が掲げる偶像崇拝禁止の教義にもとづくものとされるが、その本質は政治的なものだ。つまり、植民地から解放されたあとの秩序――不合理な、西欧列強が勝手に決めた国境線や、欧米やロシアに支援されてきた、腐敗した抑圧的な政権――に異議を唱えるイデオロギーなのである。それらの政権は西洋の資本主義モデルを国民に押しつけてきたが自由はなく、残虐で腐敗し、社会に絶望的な貧困をもたらした。
偶像を破壊する行為には数千年の歴史があるが、ここ最近のイスラーム主義的解釈では、西洋の覇権を拒絶してイスラームの新しいアイデンティティを構築する手段とされている。このような姿勢を象徴するのが、ナイジェリアの過激派組織ボコ・ハラムの名称だ。ボコ・ハラムは「西洋の教育は禁止事項」「西洋化は冒涜行為」という意味である。2011年初頭から中東や北アフリカで民主化運動「アラブの春」が起きたとき、ある種の真空状態が生まれ、こうした思想がなだれこむ余地となった。サウジアラビアのオイルマネーは、強烈な反発をまねく可能性があるにもかかわらず、原理主義の拡大をめざす勢力を支援してきた。
マグレブ――アフリカ北西部のモロッコ、アルジェリア、チュニジアの総称(リビアを含むこともある)――からパキスタン、そして世界各地で、キリスト教の教会、シーア派の聖廟、スーフィーの墓、墓地、世俗的な考古学、美術館、世界遺産を徹底的に敵視するアイデンティティが主張されている。学者はスナイパーに射殺され、遺跡の管理者は過激派組織に斬首された。ダーイシュはイラク北部にある古代アッシリアの都市ニムルドや、2000年前に栄えた古代都市ハトラの遺跡をブルドーザーで破壊したり、シリアのパルミラ遺跡を爆破したりする映像を誇らしげに公開し、世界はそれを信じられない思いで見つめた。
しかし反西洋のイデオロギー信奉者にとって、普遍的な遺産という概念自体、外部から押しつけられたものにすぎない。2001年にタリバンの指導者オマル師は、欧米はバーミヤンの仏像を崇拝し、貧困にあえぐアフガニスタン人の窮状より仏像の運命を気にかけていると揶揄した。また西アフリカのマリ共和国では、2012年7月に、世界遺産のトンブクトゥの聖廟がイスラーム主義組織アンサール・アッ=ディーンによってまたも破壊されたが、それはサンクトペテルブルクで開催されたユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会が、同年5月に別組織がおこなった破壊を受けて、トンブクトゥを危機遺産に登録したことへの報復と考えられている。西洋の啓蒙主義的プロジェクトが勝手に自分たちの地域を遺産登録しただけなのに、なぜそんな普遍性を信じなければならないのか? というわけだ。
◇遺産と人権の関係性
ボスニア紛争以降、文化財の破壊が起こるたびに慨嘆の声が世界に満ちる。国際連合では官僚的な決議がおこなわれ、ほかにも自己満足的な学術会議が開かれたり、史跡を守るために武力介入せよという扇動的な主張や、貴重な芸術品を空輸してニューヨークやロンドン、パリの大美術館の倉庫に保管すればいいといった妄想に類した提案がなされたりした。その一方で、地中海に浮かぶ舟に乗った難民が苦しもうと溺れようと、手はさしのべられない。つまりある意味では、オマル師の批判は正しかったといえる。民族とその文化は切り離せない関係にある、と欧米が真に理解したことを示さないかぎり、いまも続く両者への攻撃は解決できないだろう。
ただ、古代アッシリアの人面有翼雄牛像(ラマッス像)を打ち砕き、無残な姿に変え、ハンマーで粉々にする映像で世界をねらいどおり震撼させたものの、長い目で見れば、ダーイシュは皮肉にも遺産の保護や人権を擁護する人々の利益になる行動をとったといえる。というのも、まだ新しい概念だった(より正確にいえば、国際社会から見過ごされていた)遺産と人権の関連性が、あきらかになったからである。
こうした攻撃の激化を受けて、ユネスコはついに、文化遺産への攻撃は固有の歴史的価値や美的価値をそこなうだけにとどまらず、民族浄化やジェノサイドの一部であることが多いという理由からも非難した。国連安全保障理事会と国連の人権部門は現在、文化遺産への攻撃は、ヤジディ教徒、シーア派、キリスト教徒、その他の少数民族に対する殺戮と文化の抹殺のかなめであるという理解のもと、イラクでの出来事を注視している。ヒューマン・ライツ・ウォッチなどの非政府組織(NGO)も全面的にではないにしろ、文化遺産と人権のかかわりを指摘している。
理論上は、こうした破壊を訴追することは一定の抑止力になるはずである。しかし残念ながら、現行の国際法は目的にあっていない。いまの法律は、国家ではない勢力に対処するには不十分というだけでなく、文化に対する罪を人道に対する罪と切り離して考えているからだ。このことは、旧ユーゴスラヴィアでおこなわれた犯罪を裁くためにハーグに設置された法廷(旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所:ICTY)で何度も証明されている。ここでは、遺産の破壊はジェノサイドの証拠になりうるものとして(一応)認められているが、たとえそれが民族全体の歴史とアイデンティティを消し去るための試みであることが歴然としていても、ジェノサイドを達成する本質的な要素――つまりジェノサイドのかなめ――とは認められていない。ハーグでは文化犯罪の加害者に対する訴追はほとんどおこなわれておらず、破壊の罪はたいてい、死亡や人権侵害にかかわる主要犯罪に付加される形になっている。
国連の国際司法裁判所(これも本部はハーグ)の姿勢も同様だが、同裁判所の判事のひとりはそれに異議を唱えた。アントニオ・アウグスト・カンサード・トリンダージ判事は、2015年2月、クロアチアとセルビアが旧ユーゴスラヴィア紛争中にジェノサイドをおこなったと互いを告発していた訴訟の判決で、「認めたいと思うかどうかにかかわらず、肉体と精神は一体化しており、一方を他方と切り離そうとする試みは……まったくもって無意味である」と激越な反対意見を述べた。トリンダージ判事は、国際司法裁判所はジェノサイドをおこなう意図――犯罪のなかの犯罪をあえておかそうとする意図の立証に対して、あまりにきびしい基準の証拠を要求しており、正義に背を向けていると主張した。判事の意見書には、見落とされている証拠として、セルビア勢力が占領したクロアチア地域で認められる共通パターン――つまり東部ヴコヴァルなどの町でクロアチアの文化財が組織的に標的にされたのと、クロアチア市民の殺害や追放が同時に進行していたことをあげている。これはある民族とその自己表現方法の一部を根絶したいという願望の証拠だ、と判事はいう。この意見からは、なおざりにされていた「戦時下における文化の運命」の問題に光をあて、人権問題の中心にすえようとする決意が見てとれる。ある集団の文化的アイデンティティが根絶されれば、その集団を物理的に抹殺するのと同じような結果が生じるからだ。
トリンダージ判事は、ナチスの迫害を逃れて1948年のジェノサイド条約の草案を作成したポーランド系ユダヤ人ラファエル・レムキンの言葉を引用した。本書の最後でも述べるとおり、レムキンはジェノサイドが「残虐」(民族への攻撃)と「破壊」(民族の特質をあらわす文化への攻撃)の両方からなると考えていた。しかし最終的に国連で採択された条約では、レムキンがジェノサイドの要素とした「文化破壊」の概念は削除された。冷戦時代の外交上の敵対関係にくわえ、自国の先住民族(および元奴隷)がこの国際法を根拠に政府を訴える可能性があるのではないか、というアメリカ大陸諸国の危惧が優先されたのである。のちにレムキンは自伝のなかで、「わたしはふたつの草案をうまく弁護した」と述べた。「[破壊とは]ある集団の文化パターンの破壊を意味した。言語、伝統、記念建造物、文書館、図書館、教会など、簡潔にいえば、それは国家の魂が宿る社やしろである」。とはいえ、現実の政治の世界では文化破壊の条項は却下されるにちがいないと悟り、レムキンは「重い気持ちで」この問題を取りあげるのをやめた。そして、あとから追加議定書の形で条約に明記されることに望みを託した。しかしそうはならず、今日のような結果になってしまったのである。トリンダージ判事は自分の意見が国際法の判決例や、「説得力のある機関」の力になるようにと願っている。
国連は、文化の運命が文化的ジェノサイドと表裏一体であるとするかわりに、武力紛争時における文化財の保護を目的とした「1954年ハーグ条約(武力紛争の際の文化財の保護に関する条約)」を採択した。1999年、この条約を補足するために作成された第二議定書では、条約締約国は自国の領土内の非国家主体――たとえばテロ組織――に刑事罰を科せることになっているが、イラクでそれが実現するとは考えられない(いずれにしろイラクは肝心の第二議定書の締約国ではない。1954年ハーグ条約は締約している)。旧ユーゴスラヴィアから生まれた、政治がそれなりに機能する国々では、宗教施設や博物館を組織的に完全破壊しても有罪判決を得るのは非常にむずかしい。
◇どうしたら文化破壊を止められるのか
ダーイシュの文化破壊は戦争犯罪と呼ばれている。たしかに、それはまったく正しい。しかし、その行為を正式に戦争犯罪とするための拘束力のある法律が存在するのかどうか、という疑問が残る。文化破壊は、公式にはジェノサイドではない。また国際刑事裁判所の設置を決めた2002年のローマ規程では、文化破壊は戦争犯罪とされているものの、イラクはこの規程にも加盟していない。実際のところ、イラクはローマ規程を批准していないアメリカと同じく、国際刑事裁判所という枠組みや、自国の将軍や政治家がその刑事法廷で責任を問われるという考えに真っ向から反対している。欧米の「文明的」価値観はここでも変幻自在なのである。
ボスニアやダルフール、ルワンダでの事例を受けて、ジェノサイドの早期警戒や防止のあり方が国際的な議題になっているにもかかわらず、ジェノサイドの一側面である文化破壊の防止は加害者の起訴と同様、遅々として進んでいない。2004年、当時のアナン国連事務総長はジェノサイド防止に関するストックホルム国際フォーラムの基調講演で、「致命的な紛争の防止と解決ほど国連にとって基本的な任務はない」と述べた。このフォーラムでは、「人命や社会に対するジェノサイドの脅威を可能なかぎり早期に発見し、監視かつ報告するための実用的なツールやメカニズムを使用ならびに開発する」ことを表明した。ストックホルム以降、統計学にもとづいて、さまざまなジェノサイド早期警告システムが開発されている。しかし、ジェノサイドの状況が発生しているかどうかを判断する指標に物質文化を含めているものは、ひとつもない。
2009年、こういった新システムに対する批判を展開したアルメニア政府は文化を考慮に入れるよう求め、次のように述べた。「文化財や宗教施設の破壊、文化的アイデンティティの抑圧は、文化レベルでの警告サインに位置づけられるべきである。ただし、ジェノサイドの危険を知らせる警告サインとするには、どの違反も組織的な性質を有していること、頻繁に発生していることが条件となる」。しかし2016年にイスタンブルで開催されたユネスコの世界遺産委員会では、これをテーマにした研究論文の提出は予定されず、トルコや中国の代表団を怒らせるような文章を削除しないかぎり書面審査にもまわせなかった(両国とも過去に文化的ジェノサイドの罪をおかしており、少なくとも中国は現在もそうである)。
もちろん、確信犯的勢力や残忍な反社会的人物を止める手立てはどこにもない。ただ、レムキンが提唱した破壊条項をジェノサイド条約の追加議定書に明記するか、もしくは文化遺産と人権を明確にむすびつけた新条約を制定しないかぎり、この問題に対する理解が深まったとしても、効果的な救済策は得られないだろう。
「本を燃やすことと死体を燃やすことは同じではない」と、レムキンは1948年に述べた。「しかし教会や本の大量破壊に介入すると、死体焼却の防止になんとかまにあう」
[書き手]ロバート・ベヴァン(ジャーナリスト、作家、遺産主導の復元コンサルタント)
[書籍情報]『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』
著者:ロバート・ベヴァン / 翻訳:駒木 令 / 出版社:原書房 / 発売日:2022年02月15日 / ISBN:456207146X
原書房
https://news.yahoo.co.jp/articles/36c0c3e6fb22b92bc44da1fce040e6eb04320055

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西都市の神楽文化を追ったドキュメンタリー映画「銀鏡SHIROMI」公開

2022-03-19 | 先住民族関連
みんなの経済新聞3/18(金) 14:28
 西都市銀鏡(しろみ)・上揚(かみあげ)地区の神楽文化を追ったドキュメンタリー映画「銀鏡SHIROMI」が3月18日から、「宮崎キネマ館」(宮崎市高千穂通1、TEL 0985-28-1162)で公開される。19日の上映後には監督として舞台あいさつも行う。(ひなた宮崎経済新聞)
 北米海岸の先住民族と過ごした時間をまとめた作品や、「星野道夫トーテムポールプロジェクト」で知られる写真家の赤阪友昭さんが手掛ける同作。同作は、アラスカの狩猟採集民族の世界を撮ってきた赤阪さんが、雑誌「SWITCH」の企画で俳優の山口智子さんやケルト研究の鶴岡真由美教授と2012(平成24)年冬の銀鏡の夜神楽を取材したことがきっかけとなり制作された。同地区の夜神楽では、山中で夜を通して舞が続き、イノシシの生首をささげるという風習があり、赤阪さんはその独特な空気感に魅せられ、その後毎年通い始めたという。その後、神楽文化を映像に残そうと、2016(平成28)年6月から銀鏡神楽の後見人らの取材を始めた。
 同作の内容は、銀鏡集落の人々の1年を追ったものとなっている。赤阪さんは「日常の暮らしの所々に神楽の習いが織り込まれており、生活の軸として銀鏡神楽の精神文化が存在している。村人の一人一人が欠かせない存在として役割を担いコミュニティーを紡いでいる。そういう営みが、これからの日本の人々の生き方として重要になるのではないかという直感がある。ただ伝統を記録に残したいという作品ではない」と話す。
 アラスカやモンゴルといった海外の先住民族や狩猟採集民族と共に過ごし、日本各地の山に残された原初の信仰や祭祀(さいし)儀礼を撮影する活動を行ってきた赤阪さんによると、銀鏡神楽は「山の中にありながら星を祈りの対象とする稀有な文化」だという。「銀鏡神楽の重要な演目の中に『宿神』という星の神が出てくる。これは天皇家の祭祀儀礼にある北極星とも通じており500年以上前、もしかすると1000年以上の歴史の可能性さえあると思われる。いわゆる五穀豊穣(ほうじょう)や山の恵みを祝うといった、一般的な伝統芸能とは異なるルーツを感じている」とも。
 各地の伝統文化とそこでの人々の暮らしを見てきた赤阪さんだからこそ見えてきたことを伝えたいというのも、この作品にかける思いには込められている。赤阪さんは「国内の集落の中には、どこか寂しい、人々の心がばらばらになってしまっている場所もある。銀鏡地区の人々は自集落を『自分たちの場所』と感じ取れているのだと思う。山に暮らしていても、心はいつも街を向いていたら土地にはつながれない。自分たちの文化や暮らしに誇りとつながりを持てる精神文化が、銀鏡の人々の生活の軸にある。この先の日本人の生き方の道しるべとして銀鏡の人々の世界に接してほしい」と話す。
 上映時間は12時~14時。チケット料金は1,800円。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ce2c9c17ee9cce192e5bdd811868ca98de7c114

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする