北海道新聞03/11 09:29
東京都国立市が昨年11月から今年1月にかけて開催した人権を考えるイベントで市民実行委員を務め、首都圏在住のアイヌ民族の思いを伝える映画の上映や写真展を企画した。「東京では触れる機会が少なかったアイヌ民族の人権問題について理解を深め、考えるきっかけをつくることができた」と振り返る。
1972年に都職員となり、退職までの44年間、ごみ収集の業務に携わった。社会に必要な仕事だとやりがいを感じていたが、「ごみ屋のくせに」「勉強しないとああなるぞ」などと、心ない言葉を浴びせられることもあった。「誇りを持って働きたい」と職業差別の解消を目指し、組合活動を通じて声を上げてきた。だからこそ「あらゆる差別に無関心ではいけない」と訴える。
アイヌ民族に関心を持ったのは、退職して地元の国立市で市民運動に参加するようになった6年前。差別を恐れてアイヌ民族であることを隠しているという女性の話を聞き、「アイヌ民族が直面する問題も根底は同じだ」と実感した。昨年3月、国立市内でアイヌ民族を侮辱する落書きが見つかったことを受け、仲間たちや市と差別の歴史などを学ぶ人権学習会を開催。さらに理解を広げようと、市の人権イベントの一環として映画上映などに取り組んだ。
2019年から市の「人権・平和のまちづくり審議会」の委員も務める。今年1月の審議会ではアイヌ民族への人権侵害を議論した。「差別と闘う人たちと連帯し、アイヌ民族について東京で何ができるか考えていきたい」。71歳。(大沢祥子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/655615
東京都国立市が昨年11月から今年1月にかけて開催した人権を考えるイベントで市民実行委員を務め、首都圏在住のアイヌ民族の思いを伝える映画の上映や写真展を企画した。「東京では触れる機会が少なかったアイヌ民族の人権問題について理解を深め、考えるきっかけをつくることができた」と振り返る。
1972年に都職員となり、退職までの44年間、ごみ収集の業務に携わった。社会に必要な仕事だとやりがいを感じていたが、「ごみ屋のくせに」「勉強しないとああなるぞ」などと、心ない言葉を浴びせられることもあった。「誇りを持って働きたい」と職業差別の解消を目指し、組合活動を通じて声を上げてきた。だからこそ「あらゆる差別に無関心ではいけない」と訴える。
アイヌ民族に関心を持ったのは、退職して地元の国立市で市民運動に参加するようになった6年前。差別を恐れてアイヌ民族であることを隠しているという女性の話を聞き、「アイヌ民族が直面する問題も根底は同じだ」と実感した。昨年3月、国立市内でアイヌ民族を侮辱する落書きが見つかったことを受け、仲間たちや市と差別の歴史などを学ぶ人権学習会を開催。さらに理解を広げようと、市の人権イベントの一環として映画上映などに取り組んだ。
2019年から市の「人権・平和のまちづくり審議会」の委員も務める。今年1月の審議会ではアイヌ民族への人権侵害を議論した。「差別と闘う人たちと連帯し、アイヌ民族について東京で何ができるか考えていきたい」。71歳。(大沢祥子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/655615