北海道新聞03/17 22:05

左側の衣服には「白老コタン」に伝わる直線的な模様があしらわれている
【白老】アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の国立アイヌ民族博物館で、アイヌ民族の木綿の衣服「ルウンペ」の変遷に焦点をあてたテーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」が開かれている。展示は「白老コタン」「白老民俗資料館時代」「アイヌ民族博物館から現在まで」の時代別に構成され、同館所蔵のルウンペなど、計約70点を展示する。白老のアイヌ民族の衣服文化をひもとく展示の内容を紹介する。
■白老コタン
白老コタンに古くから伝わる「ルウンペ」は直線的な模様が多用され、背中と裾に赤い布を用いていることなどが特徴とされる。明治時代以降、道内各地からアイヌの人々が移り住み、各地域の衣服文化が白老に伝わった。日高地方からは、複雑な文様の形に切り抜いた白い布を縫い付けた衣服「カパラミプ(木綿衣)」の技法が持ち込まれ、白老コタンの衣服に採用されたと考えられている。
■民俗資料館
1967年に開館した白老民俗資料館では、職員が来館者に舞踊を披露するための衣服を多量に作ることが必要となり、製作工程の簡素化で模様が定型化した。同館開館の際は白老コタンで使用されてきた衣服が展示目的で収集されたほか、実物がなく作り方だけが伝承されたものは新たに同館で製作し展示した。この頃から、各家庭で伝承されてきた衣服文化が“組織”に集約されていった。
■民族博物館
1984年、白老民俗資料館の名称がアイヌ民族博物館に変わると、職員が舞踊を披露する際の一体感を演出するため、衣服をユニホームとして採用した。2020年にはウポポイが開業。ここでは、道内各地の衣服文化の伝承者が地域性を重視して製作するなど、多様性に富んだ衣服を職員が着用するようになり、アイヌ民族のアイデンティティーを表す重要なものとなっている。(小林彩乃) ※「カパラミプ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/658198


左側の衣服には「白老コタン」に伝わる直線的な模様があしらわれている
【白老】アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の国立アイヌ民族博物館で、アイヌ民族の木綿の衣服「ルウンペ」の変遷に焦点をあてたテーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」が開かれている。展示は「白老コタン」「白老民俗資料館時代」「アイヌ民族博物館から現在まで」の時代別に構成され、同館所蔵のルウンペなど、計約70点を展示する。白老のアイヌ民族の衣服文化をひもとく展示の内容を紹介する。
■白老コタン
白老コタンに古くから伝わる「ルウンペ」は直線的な模様が多用され、背中と裾に赤い布を用いていることなどが特徴とされる。明治時代以降、道内各地からアイヌの人々が移り住み、各地域の衣服文化が白老に伝わった。日高地方からは、複雑な文様の形に切り抜いた白い布を縫い付けた衣服「カパラミプ(木綿衣)」の技法が持ち込まれ、白老コタンの衣服に採用されたと考えられている。
■民俗資料館
1967年に開館した白老民俗資料館では、職員が来館者に舞踊を披露するための衣服を多量に作ることが必要となり、製作工程の簡素化で模様が定型化した。同館開館の際は白老コタンで使用されてきた衣服が展示目的で収集されたほか、実物がなく作り方だけが伝承されたものは新たに同館で製作し展示した。この頃から、各家庭で伝承されてきた衣服文化が“組織”に集約されていった。
■民族博物館
1984年、白老民俗資料館の名称がアイヌ民族博物館に変わると、職員が舞踊を披露する際の一体感を演出するため、衣服をユニホームとして採用した。2020年にはウポポイが開業。ここでは、道内各地の衣服文化の伝承者が地域性を重視して製作するなど、多様性に富んだ衣服を職員が着用するようになり、アイヌ民族のアイデンティティーを表す重要なものとなっている。(小林彩乃) ※「カパラミプ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/658198