北海道新聞03/21 05:00
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/ea/b53aa147b742a5ad045a46faffd768e9.jpg)
刺しゅう体験は60分で行っています。ひと針ひと針丁寧に作業を進めていくことができます
国立民族共生公園の「イカラウシ」(工房)では、「オホカラ」という輪が連なって見える「チェーンステッチ」で、アイヌ文様を刺しゅうする体験を行っています。
体験いただいたお客さまからは「輪の大きさをそろえるにはコツがありますか」とよく尋ねられます。その質問に対しては「練習の継続あるのみです」としかお答えができません。
私も工房に配属されるまで、学校の家庭科の授業でしか針と布を持ったことがないほどの超初心者レベルで、初めは輪の大きさがそろわないどころか長い時間続けて縫うことすらかなりの気合を必要としました。
自分の着物を約半年かけて製作する過程で、ひたすら「オホカラ」を刺しゅうしたので初期のころと比べると納得のいく出来にはなりましたが、それでも日々の体調や時間帯で様相は変化します。
また、体験者の方の完成品を見ていると、同じステッチを行っていても人によって全く雰囲気の違うステッチが完成します。そこが、機械ではない人の手仕事の面白いところだと感じています。刺しゅうが生きている、その言葉がぴったりです。
ですから、上手にできないから不器用だ、向いていない、と思うのではなく、日々のステッチの変化を楽しむくらいの気持ちで針をもっていただけるとうれしいです。一目の狂いもなく整然と並んだステッチももちろんすてきですが、私はそれ以上に力の入り加減や針の刺し方で微妙に変化するステッチの流れに温かみと魅力を感じます。
刺しゅう体験が針を持つきっかけ、アイヌ文様に興味を持つきっかけ、になれば幸いと思い、日々業務に励んでいます。ぜひ気軽な気持ちで布と針を手にしてみましょう。(佐藤かなゑ=文化振興部体験教育課主事)
◆「イカラウシ」の「ラ」、「オホカラ」の「ラ」は小さい字。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/659221

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刺しゅう体験は60分で行っています。ひと針ひと針丁寧に作業を進めていくことができます
国立民族共生公園の「イカラウシ」(工房)では、「オホカラ」という輪が連なって見える「チェーンステッチ」で、アイヌ文様を刺しゅうする体験を行っています。
体験いただいたお客さまからは「輪の大きさをそろえるにはコツがありますか」とよく尋ねられます。その質問に対しては「練習の継続あるのみです」としかお答えができません。
私も工房に配属されるまで、学校の家庭科の授業でしか針と布を持ったことがないほどの超初心者レベルで、初めは輪の大きさがそろわないどころか長い時間続けて縫うことすらかなりの気合を必要としました。
自分の着物を約半年かけて製作する過程で、ひたすら「オホカラ」を刺しゅうしたので初期のころと比べると納得のいく出来にはなりましたが、それでも日々の体調や時間帯で様相は変化します。
また、体験者の方の完成品を見ていると、同じステッチを行っていても人によって全く雰囲気の違うステッチが完成します。そこが、機械ではない人の手仕事の面白いところだと感じています。刺しゅうが生きている、その言葉がぴったりです。
ですから、上手にできないから不器用だ、向いていない、と思うのではなく、日々のステッチの変化を楽しむくらいの気持ちで針をもっていただけるとうれしいです。一目の狂いもなく整然と並んだステッチももちろんすてきですが、私はそれ以上に力の入り加減や針の刺し方で微妙に変化するステッチの流れに温かみと魅力を感じます。
刺しゅう体験が針を持つきっかけ、アイヌ文様に興味を持つきっかけ、になれば幸いと思い、日々業務に励んでいます。ぜひ気軽な気持ちで布と針を手にしてみましょう。(佐藤かなゑ=文化振興部体験教育課主事)
◆「イカラウシ」の「ラ」、「オホカラ」の「ラ」は小さい字。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/659221