北海道新聞03/08 19:49
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/e5/06d8896d9c426d2c9f99c0f41207db83.jpg)
イオマンテリムセを踊る八雲と白老のメンバーら=昨年10月
【八雲】儀式でアイヌ民族舞踊を踊りたい―。八雲アイヌ協会(椎久(しいく)健夫会長、131人)の女性会員を中心に、有志が踊りの習得を目指している。新型コロナウイルス下で練習ができない時期を乗り越え、講師が評価するほどに上達。遠方からの参加者に配慮して冬期は稽古を休止しているが6月に再開を予定しており、メンバーは「新たな演目に挑戦したい」と楽しみにしている。
踊りに取り組むのは、同協会やアイヌ民族に関心のある30~70代の8人。同協会は2017年からイチャルパ(先祖供養)やカムイノミ(神へ祈る儀式)を行っているが、地元に踊り手がおらず、他の協会に協力してもらってきた。自分たちも踊りたいと、有志で「八雲アイヌ協会ユーラップハンチカプの会」を結成。アイヌ語で遊楽部(ユーラップ)川の水鳥の意味で、胆振管内白老町から講師を招き、昨年6月から練習を始めた。
挑戦したのはイオマンテリムセ(クマの霊送りの踊り)。一部のメンバーが数年前に教わったため選んだが、「(一曲の中で)踊りのパターンが細かく変化し、難しい」と、講師で白老民族芸能保存会事務局の山田弘美さん(61)は話す。
3分足らずの演目だが始終膝を動かし体力を使う。歌と踊りを同時に覚えたため、ハンチカプの会代表の椎久幸子さん(74)は「声は出ないし、次の練習時には振りもケロッと忘れていた」と苦戦。他のメンバーも「輪唱なのに、後の人に追い越された」と笑う。
若く声の通るメンバーについて歌うなど稽古を重ね、少しずつ習得。昨年10月には白老から11人を招いて合同で踊った。数年前に八雲で指導した白老の山崎シマ子さん(81)は「上手になって本当にうれしい」と成長に目を細め、講師で白老民族芸能保存会理事の小﨑明日香さん(38)も「本当にすごい。是非続けて」と今後に期待する。
一曲を習得して手応えを感じる一方、「若い人が興味を持ってくれないと伝統が途絶えてしまう」と椎久幸子さん。「和気あいあいとした会。興味のある人はぜひ参加して」と呼びかける。稽古は6月に再開予定。夏のイチャルパ、カムイノミでの披露を目指すほか、踊れる曲をさらに増やすのが目標だ。
問い合わせは同協会事務局の町住民生活課(電)0137・62・2112へ。(水島久美)
※「イチャルパ」の「ル」、「イオマンテリムセ」の「ム」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/654431

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イオマンテリムセを踊る八雲と白老のメンバーら=昨年10月
【八雲】儀式でアイヌ民族舞踊を踊りたい―。八雲アイヌ協会(椎久(しいく)健夫会長、131人)の女性会員を中心に、有志が踊りの習得を目指している。新型コロナウイルス下で練習ができない時期を乗り越え、講師が評価するほどに上達。遠方からの参加者に配慮して冬期は稽古を休止しているが6月に再開を予定しており、メンバーは「新たな演目に挑戦したい」と楽しみにしている。
踊りに取り組むのは、同協会やアイヌ民族に関心のある30~70代の8人。同協会は2017年からイチャルパ(先祖供養)やカムイノミ(神へ祈る儀式)を行っているが、地元に踊り手がおらず、他の協会に協力してもらってきた。自分たちも踊りたいと、有志で「八雲アイヌ協会ユーラップハンチカプの会」を結成。アイヌ語で遊楽部(ユーラップ)川の水鳥の意味で、胆振管内白老町から講師を招き、昨年6月から練習を始めた。
挑戦したのはイオマンテリムセ(クマの霊送りの踊り)。一部のメンバーが数年前に教わったため選んだが、「(一曲の中で)踊りのパターンが細かく変化し、難しい」と、講師で白老民族芸能保存会事務局の山田弘美さん(61)は話す。
3分足らずの演目だが始終膝を動かし体力を使う。歌と踊りを同時に覚えたため、ハンチカプの会代表の椎久幸子さん(74)は「声は出ないし、次の練習時には振りもケロッと忘れていた」と苦戦。他のメンバーも「輪唱なのに、後の人に追い越された」と笑う。
若く声の通るメンバーについて歌うなど稽古を重ね、少しずつ習得。昨年10月には白老から11人を招いて合同で踊った。数年前に八雲で指導した白老の山崎シマ子さん(81)は「上手になって本当にうれしい」と成長に目を細め、講師で白老民族芸能保存会理事の小﨑明日香さん(38)も「本当にすごい。是非続けて」と今後に期待する。
一曲を習得して手応えを感じる一方、「若い人が興味を持ってくれないと伝統が途絶えてしまう」と椎久幸子さん。「和気あいあいとした会。興味のある人はぜひ参加して」と呼びかける。稽古は6月に再開予定。夏のイチャルパ、カムイノミでの披露を目指すほか、踊れる曲をさらに増やすのが目標だ。
問い合わせは同協会事務局の町住民生活課(電)0137・62・2112へ。(水島久美)
※「イチャルパ」の「ル」、「イオマンテリムセ」の「ム」は小さい字
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