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学校給食、地域とつながる コンクール受賞4施設紹介

2022-03-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/21 12:13 更新

しらおい食育防災センター提供
 2021年度の北海道学校給食コンクール(道教委と道学校給食会主催)が開かれ、最優秀賞にしらおい食育防災センター(胆振管内白老町)、優秀賞に函館市立亀田中学校、優良賞に利尻郡学校給食共同調理場(宗谷管内利尻富士町)と江差町・上ノ国町学校給食センター(檜山管内江差町)がそれぞれ選ばれた。「受け継ごう! 地域自慢の郷土料理・伝統料理」をテーマに、道内13の小中学校や給食センターが参加。2月15日の審査会では献立の栄養バランス以外に、地域の食文化を継承する食育の視点、家庭や地域とのつながりなどが評価の対象となった。四つの受賞作を寸評とともに紹介する。
<最優秀賞>
■アイヌ料理で文化学ぶ しらおい食育防災センター
 センターは学校給食の提供のほか、食育や防災に関する学習、災害発生時の非常食の配給・備蓄の拠点となっている。
 受賞作の献立は、アイヌ民族の伝統料理である「いなきびご飯」「チェプオハウ(サケの汁物)」「ボツボツ(カボチャの混ぜ煮)」のほか、「ユク(鹿肉)の竜田揚げ」。アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開設1周年を記念して昨年7月、町内の学校給食として提供したメニューを応募した。
 調理業務を請け負う日総(札幌)の調理責任者の樋渡喜代子さん(56)と栄養教諭の谷村真美さん(51)は、献立の考案に当たってアイヌ料理の講習会に参加。白老アイヌ協会の会員らのアドバイスを受け、レシピを完成させた。伝統的な野菜の切り方を踏襲し、ダシに使った白老産コンブは具材にも使用し、食材を無駄にしないアイヌ民族の文化を取り入れた。
 センターでは「ふるさと給食」として2年前から、アイヌ民族の伝統料理を年に3回提供。白老牛の牛丼やタラコのスパゲティなど特産品を使った地産地消にも取り組んでいる。谷村さんは「日ごろの取り組みが評価されてうれしい。子どもたちには、ふるさとの歴史や文化を食べることで学んでほしい」と話している。
 <寸評>試食会を開くなどして、食育指導と地域との連携ができている。地場産品やアイヌ料理を通じ、子どもたちが地元の歴史や食文化を学んでいる。ふるさと給食のメニューをクラスに掲示し、白老町のホームページでも掲載するなど多面的に活用している。
<優秀賞>
■食育授業、捕鯨の歴史紹介 函館市立亀田中学校
 函館近海では1999年から約20年間、商業捕鯨が行われた。正月料理の定番でもあったクジラ汁を献立に取り入れた。函館産のマコンブでだしを取り、クジラは独特の臭みを消すため、皮の湯通しを3回行った。
 函館出身の栄養教諭の石井咲也子さん(23)は「イカの漁獲量が低迷しており、地域になじみのあるクジラ汁を採用した」と話す。このほかホッケフライや白菜の油炒めも献立に加えた。
 クジラ汁を提供する1週間前、中学2年生への食育の授業で商業捕鯨の歴史などを紹介し、地域の食文化を考えてもらった。生徒からは「今まで伝統料理と知らずに食べていた」「正月に作ってみたい」などの意見が寄せられたという。
 <寸評>授業を通じて生徒の興味や関心を引き出している。郷土料理に楽しみながら触れ、次世代につなげる活動を続けてほしい。
<優良賞>
■三平汁の調理工程、動画で 利尻郡学校給食共同調理場
 利尻島内の小中7学校に、できたての給食を届けている。毎月19日の「食育の日」に合わせ、ホッケのちゃんちゃん焼きやタコザンギなど地元食材を使った郷土料理を提供している。コンクールには「タラ三平汁」や「和風肉団子」「キャベツ塩コンブあえ」で応募した。
 栄養教諭の小笠原有沙さん(30)は、小学5、6年生を対象に郷土料理を学ぶ授業を行っている。家庭でも作れるよう、三平汁の調理工程を2分間の動画にまとめた。「(動画投稿サイトなどの)SNSを参考に調理する人が増えている。文章でレシピを紹介するよりイメージがつきやすいと思った」と話し、近くSNSで公開する予定という。
 <寸評>動画がとても分かりやすく、「作ってみたい」と思わせるような内容。SNSを通じて、ぜひ活用してほしい。
■ニシン漁の伝説、紙芝居に 江差町・上ノ国町学校給食センター
 江戸から明治期にかけ、江差町と上ノ国町の近海で大漁にわいたニシンの甘露煮が主菜。ニンジンやゴボウ、サツマイモをふんだんに入れ、正月に作り置きするなどして味わう「つぼっこ汁」や「フキの油炒め」も献立にした。
 栄養教諭の江畑美穂さん(25)は、江差町内の農業者らでつくる「えさし水土里(みどり)の会」などから地元の伝統料理の調理法を学んだ。
 江差町は2017年、ニシン漁をテーマに道内初となる日本遺産の認定を受けた。同漁にまつわる伝説を紙芝居にし、給食中の読み聞かせを予定しており、江畑さんは「物語なら子どもにも伝わりやすい。給食から地域の歴史や文化に興味を持ってもらえるのでは」と期待を込めている。
 <寸評>地域の歴史や文化をしっかり学んでいる。紙芝居の読み聞かせについても積極的に行ってほしい。

 受賞した献立と作り方は、道教委のホームページ(https://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ktk/96352.html)で公開している。道教委は23、24日の2日間限定で、しらおい食育防災センターと函館市立亀田中の献立を道議会食堂(札幌市中央区北2西6)で提供する。いずれも一食650円。(今関茉莉)
◆チェプオハウの「プ」とユクの「ク」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/659331

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<デジタル発>解体なら6億円、維持なら約30億円 北海道百年記念塔、壊しちゃうの?

2022-03-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞03/21 09:00
 道などが1970年に札幌市厚別区に建てた北海道百年記念塔の解体工事が、今秋にも始まる見通しです。老朽化による安全面の問題や、存続した場合の多額の維持費から、道は2018年末に撤去する方針を決めていました。道民の中には解体に理解を示す声もありますが、地元住民らからは今も存続を望む声が出されています。記念塔を巡っては、和人の入植で土地を奪われたアイヌ民族への配慮が足りないという批判が建設当時からあり、議論の火種はなおくすぶっています。(報道センター 小宮実秋)

立ち入り禁止が続く北海道百年記念塔。2022年度中に解体が始まる見通しとなった=3月6日
 3月上旬、雪深い野幌原始林が背後に広がる百年記念塔前では、数組の見物客が写真を撮っていました。厚別区で約40年間暮らし、毎週末に塔周辺を散歩するという主婦の中島紀久代さん(66)は「地元のシンボル。解体見直しに望みを持っていたので、取り壊しが始まると知ってショック」と寂しそうに塔を見つめながら話しました。
■開拓使設置100年目に着工
 記念塔は1869年の開拓使設置から100年目の1968年、道の百年記念事業で道立野幌森林公園の整備とともに建設が始まりました。総工費5億円の半分を道民の寄付で賄い70年に完成。高さは100メートルあり、展望台からは石狩平野を一望できます。周辺の小中学校では校歌で「雲は流れる記念塔 昔をしのぶ原始林」などと歌われ、遠足先としても親しまれてきました。
 一方、記念塔は建設当初から、アイヌ民族にとっては開拓の裏側で強いられた同化政策や差別の象徴との批判があり、歴史認識を巡る論争の的にもなってきました。実際に道発行の冊子「北海道百年記念事業の記録」(69年)には、当時の開道百年記念事業協議会(会長・故町村金五知事=当時=)の協議経過として記念塔について「(道民から)特定人物の顕彰や、先住民族や開拓事業の犠牲となった農民らを慰霊する塔や碑の提案が多かったが、開拓のすべての先人に感謝と慰霊の誠をささげる記念塔を建設することにしたい」と記載されており、建設理念が「開拓」を礼賛するものだったとの指摘もあります。
■老朽化で解体準備着々
 記念塔の解体が決まったのは、高橋はるみ道政4期目の最終年度の2018年末。外壁に使っている鋼材が腐食で剥がれ落ちるなどしたためで、道は14年から記念塔を立ち入り禁止にし、16年には存廃の検討を始めていました。公園施設利用者と一般の大学生・社会人を対象に18年に行ったアンケートでは、利用者は存続派、一般は解体派がそれぞれ多数と意見が割れました。高橋氏は18年9月の道議会で「安全性や将来負担の観点から解体もやむを得ないと判断した」と説明。同12月に解体を決めました。その後、鈴木直道知事も前知事の方針を踏襲し、初の本格予算となる20年度当初予算に解体の事前調査費を計上するなど解体準備を粛々と進めました。


 解体反対派はこの間も存続を求め続けていましたが、昨年11月、道への反発をさらに強めました。道が老朽化の進行や労務単価の上昇のため記念塔の解体費は7億2千万円に膨らむとの事前調査結果を公表したためです。これは、存続派に波紋を広げました。道が公表した金額は17年に試算した金額の1・7倍に相当しました。道はその後、工事内容を精査して修正しましたが、それでも6億4500万円に上りました。併せて道は、今後50年間で維持費が17年の試算より2億円前後多い28億~30億円との見通しも示し、財政的に存続は困難との論拠としました。
■「解体ありき」
 この道の試算に対し、地元選出の自民党和田義明衆院議員(道5区)は「解体ありきだ。過大に算出している」と猛反発しました。和田氏は町村元知事の義理の孫。会員制交流サイト(SNS)に「歴史遺産の解体は理解に苦しむ」と投稿し、知事側近が今年2月に国会内の和田氏の事務所を訪れて解体費について説明しました。しかし、和田氏は「こんな説明では理解できない」「徹底抗戦する」と言って側近を追い返したそうです。
 地元住民らも存続を求める声を強めています。道が2月上・中旬に3回開いたオンライン説明会には計109人が参加し、解体反対の意見が相次ぎました。地元有志らでつくる「道百年記念塔存続プロジェクト」の野地秀一代表(53)は「塔には開拓の歴史をつくった先人の思いがつまっている。道は文化財的な価値を全く勘案しておらず、透明性のある議論をすべきだ」と強調しました。設計者の建築士井口健さん(83)=札幌市=は「塔表面のさびは鋼材独特のもので安全性に重大な問題はない。記念塔は北海道の背骨のような存在」と存続を訴えました。道議会自民党会派の道見泰憲氏(札幌市北区)は2月の道議会環境生活委員会の質疑で道に解体見直しを求め、近く有志と塔の状態を調査する意向を示しています。
■広がり欠く反対世論
 ただ、全道的には反対世論は広がっていません。道議会の中では危険性回避と税金を原資とする財政負担の最小化のため、解体はやむを得ないという声は少なくありません。札幌アイヌ協会の阿部ユポ会長(75)は解体着手について「当然の判断。塔建設の背景に何があるのかよく考えてほしい」と話しています。
 知事は2月18日の記者会見で「構造上、老朽化の進行を完全に防ぐことは難しい」と述べ、22年度予算案で解体費6億4500万円のうち電気設備工事などに要する4300万円を計上しました。予算案は今月24日に道議会で賛成多数で可決される見通しです。約半世紀、論争の舞台となり続けた巨塔は、多くの課題を道民に提起し、秋にも解体作業に入ろうとしています。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/658584

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アシリパが闇落ち…?『ゴールデンカムイ』309話の衝撃展開にどよめくファン

2022-03-22 | アイヌ民族関連
まいじつエンタ2022年3月21日

『ゴールデンカムイ』28巻(野田サトル/集英社)
3月17日発売の『週刊ヤングジャンプ』16号に、大人気サバイバルバトル漫画『ゴールデンカムイ』の第309話『血濡れ事』が掲載された。作中ではアイヌの娘・アシリパがとある“一線”を踏み越えていく描写があり、ファンたちを動揺させてしまったようだ。
※『ゴールデンカムイ』最新話の内容に触れています
杉元佐一は列車の屋根に向かい、裏切り者・尾形百之助と対峙。再会を喜ぶかのごとく、すぐさま激しい戦いへと移った。しかしそこでクマが屋根に上ってきたことで、杉元は足を取られてしまう。
尾形はこれを好機と、トドメを刺そうとするのだが、そこでアシリパが助太刀に現れた。しかし尾形はアシリパには人を殺められないと踏み、ゆうゆうと杉元に銃を向ける。するとアシリパはあらためて「地獄に落ちる覚悟」を宣言すると、尾形に向かって毒の矢を放つ──。
しかし、ことはそれほど単純ではないだろう。アシリパは作中で人を殺める描写がなく、むしろ自分の生き方として「人を殺さない」という不殺を貫いている。その代わりに、相棒の杉元が戦闘を一挙に引き受けてきた。
そんなアシリパが自身の誓いすらも破り、杉元と“地獄に落ちる”覚悟で人を傷つけたのは、大きな転機だろう。変わってしまった彼女の姿に、《もう見ていられない》《今回マジでエグいな…》《もう元のアシリパに戻れないのかな…》《アシリパに前向きな印象がないからつらい》と動揺する人も多いようだ。
また、アシリパはいつも目を輝かせていたが、今回のエピソードではハイライトのない “曇った目”になっていた。しかも戦うアシリパの姿は、なぜかぐにゃぐにゃとした線で描かれ、まさに血や毒といった液体に変化しているような印象も…。
その一方、戦うアシリパを見る杉元の目には、同作の“不吉の象徴”と言えるハイライトが。果たして彼はアシリパの姿に何を思い、どのような未来を想像しているのだろうか。
文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ
■『ゴールデンカムイ』28巻(野田サトル/集英社)
https://myjitsu.jp/enta/archives/101972

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「露の圧力に屈するな」 消されるクリミア少数民族

2022-03-22 | 先住民族関連
産経新聞2022/3/22 01:00
佐藤 貴生

2月中旬、ウクライナの首都キエフで、取材に応じたクリミア・タタール人のアイデル・ムジュダバイエブさん(佐藤貴生撮影)
ロシアのウクライナ侵攻を悲痛な思いで見つめている人々がいる。同国南部クリミア半島の先住少数民族クリミア・タタール人だ。18世紀に帝政ロシアが併合し、人々はソ連時代の強制移住で民族離散を余儀なくされた上、クリミアは再び露に併合された。ウクライナの首都キエフ在住のクリミア・タタール人の男性は「ロシアは侵略者。ウクライナが圧力に打ち勝つよう祈っている」と訴えている。
「存在しない」民族
「この250年間、私たちにとっていい時代はほとんどなかった」。2月中旬、キエフで会ったクリミア・タタール人のアイデル・ムジュダバイエブさん(49)が話した。オスマン帝国の保護国だったクリミア・ハン国が1783年に帝政ロシアに併合されて以降、民族的悲劇が続いていると主張する。
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https://www.sankei.com/article/20220322-BD7JG4VC2VJGDHUKBPNRDZIWPA/

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