先住民族関連ニュース

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温室ガス削減目標 パリ協定「1・5度」に準拠 G7環境省会合共同声明案

2023-04-07 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年4月6日 17:55(4月6日 22:15更新)
 札幌市で15、16日に開かれる先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合の共同声明案に、2035年の温室効果ガスの削減目標をパリ協定の「気温上昇1・5度目標」に合わせて各国が設定するとの内容が記されることが6日分かった。国連の政府間パネル(IPCC)が3月に公表した報告書では、1・5度に抑えるには35年の排出量を19年比で60%減らす必要があるとしており、削減の加速を促す形だ。
 政府関係者が明らかにした。温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」は、産業革命前からの気温上昇を1・5度以内に抑える目標を掲げている。これに向け、各国は25年までに国連に35年時点の温室効果ガスの削減目標を提出することになっており、共同声明案はパリ協定と整合性がある目標を各国に求めた。
 日本は30年度の排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げるが、20年度実績は18・4%減にとどまり、まだ目標とは開きがある。IPCCは1・5度に抑えるためには、19年比で30年に43%減、35年に60%減などと、短期間での大幅削減が必要だとしている。
 ・・・・・・
(大能伸悟)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/828113/

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アイヌ力 8日、講演会 平取のハンター門別さん  白老

2023-04-07 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2023/4/6配信
 アイヌ民族の生活文化継承などに取り組む白老町の一般社団法人アイヌ力(ぢから)は、講演会「狩猟民族として生きたい~アイヌマタギとして」を8日午後1時から、町東町3の「シマフクロウの家」で開く。  講師は平取町在住のハンター門別徳司さん…
この続き:159文字
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.tomamin.co.jp/article/news/area2/104140/

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奄美民謡とアイヌ音楽のクロスオーバー!Amamiaynuが2年ぶりにCottonClubに出演|世界的なDUBエンジニア・内田直之がミキサー参加

2023-04-07 | アイヌ民族関連
qetic 2023.04.06 Thu
奄美民謡とアイヌ音楽のコラボレーション・プロジェクト、Amamiaynu(アマミアイヌ)が2年ぶりにCottonClubに登場。ミキサーに世界的なDUBエンジニアである内田直之が参加し、待望のレコードリリースに合わせたスペシャルライヴを繰り広げる。
“ジャズクラブで繰り広げる”奄美民謡とアイヌ音楽のクロスオーバー
Amamiaynuは、奄美民謡の第一人者、朝崎郁恵とカラフト・アイヌの伝統弦楽器トンコリ奏者でプロデューサーのOKI、アイヌの伝統歌ウポポの再生と伝承をテーマに活動するMAREWREWのメンバーRekpo(レクポ)、ウポポを歌うアイヌの姉妹ユニットKapiw & Apappo(カピウ&アパッポ)をメンバーに、2018年から本格的に活動をスタート。
また、4月11日(火)にはhako gallery、4月14日(金)にはiki Roastery & EateryにてOKI出演をはじめとするアイヌ音楽のイベントも開催されるので、合わせてチェックしてほしい。
「Amamiaynu〜奄美とアイヌの歌合戦」@CottonClub ダイジェスト
https://www.youtube.com/watch?v=GDwcjghss8c
EVENT INFORMATION
Amamiaynu「奄美とアイヌの歌合戦 vol.2 “レコード発売記念”」

2023年4月12日(水)東京都 COTTON CLUB
出演者:AmamiAynu(朝崎郁恵 / OKI / Rekpo / Kapiw / Apappo)Mix:内田直之
https://qetic.jp/music/amamiaynu-230406/449135/

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シマエナガとアイヌ刺しゅうを施したポーチ

2023-04-07 | アイヌ民族関連
梅田経済新聞2023.04.06
北海道グルメを集めた「春の北海道物産大会」が4月5日、阪急うめだ本店(大阪市北区角田町)9階で始まった。

北海道グルメを集めた「春の北海道物産大会」が4月5日、阪急うめだ本店9階で始まった。シマエナガとアイヌ刺しゅうを施したポーチ
https://umeda.keizai.biz/photoflash/10408/

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連載完結記念 ゴールデンカムイ展

2023-04-07 | アイヌ民族関連
ようこそサッポロ2023.04.06

明治末期の北海道・樺太を舞台に、漫画家・野田サトル氏が描く大人気漫画『ゴールデンカムイ』(週刊ヤングジャンプ 2022年4月28日発売号で連載終了)。この度、冒険・歴史・文化・グルメ・狩猟といった本作品の魅力を凝縮した大規模展覧会を開催します。  本展は、120点を超えるイラストのほかに、作中に登場した民具などの関連資料を多数展示。金塊争奪戦を発端とした元兵士の杉元佐一やアイヌの少女アシㇼパらの躍動を体感、二人がたどった旅路を追体験できる空間をお届けします。  国内の各賞を受賞し、国際的な評価も高い“和風闇鍋ウエスタン”、『ゴールデンカムイ』の世界を余すことなく味わえる展覧会に是非ご来場ください。
連載完結記念 ゴールデンカムイ展
開催期間
2023年04月28日~2023年05月21日
最終入場は18:30まで
開催場所
丸井今井 札幌本店
札幌市中央区南1条西2丁目
主催者
株式会社 札幌丸井三越、STV札幌テレビ放送、読売新聞北海道支社
料金
チケット料金
一般・大学生   1800円
中学生・高校生  1400円
小学生      900円
グッズ付き    4000円
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本展覧会はGW期間中(4月28日(金)~5月7日(日))を予約優先制とします。GW期間中(4月28日(金)~5月7日(日))は各日「日時指定券」にてチケット販売を行い、日時指定のチケットをお持ちの方から優先的にご入場いただきます。5月8日(月)以降は日時予約不要です。
※当日券は、定員に空きがある回のうち、早い時間帯のものから順次販売いたします。
お問合せ 丸井今井札幌本店 大代表
電話011-205-1151
公式サイト
https://www.maruiimai.mistore.jp/sapporo/event_calendar/goldenkamuyex-sp.html

https://www.sapporo.travel/event/event-list/event-list_101836/

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観光地・登別からジェラートで胆振の魅力発信!

2023-04-07 | アイヌ民族関連
NHK2023年4月6日(木)午後4時56分 更新
こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」胆振・日高担当リポーターの内部明日香です。
新年度になりましたね!ななまるMAPも2年目を迎えました。いつも放送やブログを見て応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます!2年目のななまるMAP胆振日高編もたくさんの町にお邪魔します。よろしくお願いします(^ ^) 
さて、新年度1回目は、登別市です。胆振各地のおいしい食材で作ったジェラートのお店ができたと聞いて行ってきました。
お店は、先月、JR登別駅のすぐ近くにできた新しい施設、登別市観光交流センター「ヌプㇽ」にあります。
施設が目指すものをセンター長の池田誠(いけだ・まこと)さんに伺いました。
「ヌプㇽっていうのは「色の濃い」ですとか「交わる」っていう意味のアイヌ語からとっていて、観光客と地域住民がこの場所で交流して交わるということを目標にしているんです。ここはいつでもだれでも気軽に楽しめる施設。地域の方にまず楽しんでいただき、その結果として観光客や訪れる人が楽しめる空間になると思っているので、まずは地域の方々が楽しく気軽に来られるような雰囲気づくりにつとめてまいります。そして、観光客のみなさんが温泉に行く前にまず登別がどういう町なのかっていうのをより理解していただくために、地域の住民を交えてPRしていけるような空間を作っていきたいと考えています。」
これから地域の人や観光客に愛され、どんな施設に育っていくのか楽しみです。
そんなヌプㇽには、飲食店も入っています。その一つが、ジェラート店です。
7種類のジェラートすべてに、胆振の食材が使われているんです!
登別のおいしい牛乳の味をいかしたミルク味や、白老町のきなこを使った味、厚真町のハスカップ味に壮瞥町のジャガイモを使った味まで!「胆振の食材の魅力を発信したい!」という代表の思いが詰まったジェラートたちです。

胆振でこだわって作られた食材を、自分のジェラートでもっと輝かせたい!そんな素敵な思いを教えてくださった代表の坂本陽香さん。実は帯広市で牧場を営む家の生まれなんです。どうして登別でジェラート店を開こうと思ったのか伺いました。
「なな色のヒカリ」坂本陽香代表
「食材に魅力を感じたからです。登別にはすごくおいしい低温殺菌牛乳があり、そして胆振は各地においしい野菜や果物がすごくたくさんある地域なので、それをいかしておいしいジェラートが作れるなと思ったんです。
登別には16年前、乳製品の製造を勉強するために来ました。乳製品を作っている知人がいたので。
母が乳製品を作っていろんな方においしいおいしいって笑顔で食べてもらっているのを見ていて、私も乳製品を作ってたくさんの人を笑顔にしたいなということを幼いころから思っていたんです」
乳製品のお店を持つのは、幼いころからの夢だったんですね。その夢をかなえる場所として選んだのが、冒頭でご紹介したヌプㇽ。観光客も地元の人も、いろんな人が交じり合うこの場所であれば、よりたくさんの人を笑顔にできるのではと考えたからだそうです。
ちなみに、ヌプㇽセンター長の池田さんもほぼ毎日ジェラートを買ってくれ、応援してくれているそうです。坂本さんは、「お客さんがよりたくさん来てくれるように考えてくれたり、心地いい環境を作ってくださったり、本当に尽力していただいて感謝しています」とおっしゃっていました。
幼いころからの夢をかなえるため、ひたむきに進んできた坂本さん。ジェラート店をやると決めてからオープンまでは一度もくじけることなく、むしろどんなジェラートを作ってお客さんを笑顔にしようと考えるのが楽しかったそうです。明るい表情や言葉にパワーをもらえる方でした!最後に、坂本さんに伺いました。今後の夢は?
「なな色のヒカリ」坂本陽香代表
「私のジェラート店に来て食材の味を感じていただいて、例えばこのリンゴが壮瞥のものなんだ!って知ってリンゴ狩りに行くとか、安平の菜の花畑の蜂蜜を使っていることを知って安平にそんな素敵な菜の花があるんだっていうことでちょっと足を運んでいただけるような、そんな情報発信ができるジェラート店になれればいいなと。胆振のPR大使になれるようなジェラート店になれたらいいなと思います!」
ヌプㇽはJR登別駅のすぐ近く!アクセスのいい場所にあります。私もロケで電車移動が多いので、また寄りたいなと思っています!それでは(^ ^)
私が前回取材を担当した、「壮瞥のリンゴを様々なかたちで!」の記事もぜひご覧ください♪
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n3c65d49314fd

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【間違えると恥ずかしい!?】これ、読めますか? 難読地名クイズ「梨野舞納」

2023-04-07 | アイヌ民族関連
【間違えると恥ずかしい!?】これ、読めますか? 難読地名クイズ「梨野舞納」
ベストカー2023年4月6日
これ、読めますか?
梨野舞納
 漢字は見慣れているものの、読み方がパッと浮かばない難読地名。大事な場面で読み間違えて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?
 読み間違えやすい難読地名を、特産品や名所旧跡などの観光情報とともに紹介する本企画。この記事を読めば、今すぐドライブに行きたくなること間違いなし!
正解はこちら!
●正解:りやむない(北海道・共和町)
 梨野舞納と書いて、「りやむない」と読むのが正解。アイヌ語で「」を意味するリヤム・ナイに由来するとされています。初見だと無理やり音読みで読むしかありませんが、正しい読み方を当てるのは難しいでしょう。
 北海道の西部、札幌から直線距離で60kmほど離れた距離にある共和町。リゾート地として有名な倶知安町や蘭越町に隣接し、街の周囲は山で囲まれています。
 神秘的な湖沼が人気の共和町。ニセコ地域の沼のなかでも特に美しいといわれる神仙沼、レストハウスから森の中へ進み、10分から20分ほど歩いた先に湿原が開け、幻想的な雰囲気を体感することができます。
https://bestcarweb.jp/feature/column/619184

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台湾・台東の高校 「郷土言語」の授業で先住民集落訪問 伝統文化学ぶ

2023-04-07 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾2023年4月6日 12時59分

(台北中央社)台湾では2022年度から全国の小中高校で「郷土言語」と呼ばれる台湾語や客家語、原住民(先住民)諸語などの授業が正式に教育部(教育省)の定める必修科目とされた。原住民族の比率が多い東部・台東県の台東高校では生徒らがパイワン族やルカイ族が多く住む同県金峰郷嘉蘭集落を訪問し、伝統文化を学んでいる。
同部が5日発表した報道資料によると、生徒らは訪問先で伝統的な暮らしや服飾、飲食、狩猟などの文化を体験。また歌などを学び、幼い時から都市で育った多くの生徒たちにアイデンティティーを育んでもらっているという。
同部では19年の国家言語発展法の施行を受け、22年度から継続して各言語の教材を編さんしていると説明。正規カリキュラム以外にも、各学校が独自に夏休み期間中の特別カリキュラムを設定し、郷土言語学習への興味喚起に取り組んでいるとしている。
同部国民・学前教育署は、体験を通じて生徒や児童に伝統文化や芸術を味わってもらい、エスニックグループ間の文化の違いに対する理解と尊重を促進し、学習への興味を持ってもらいたいとの展望を示している。
(陳至中/編集:齊藤啓介)
https://news.livedoor.com/article/detail/24008314/

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EV用バッテリーの需要増で環境破壊に懸念。目指すべきは「クルマになるべく乗らない」未来なのか?

2023-04-07 | 先住民族関連
WIRED2023.04.06
電気自動車(EV)のバッテリーに欠かせない材料のリチウムは増産が求められているが、採掘を増やせば環境破壊も問題になる。そこである研究者が提唱したのが、クルマの総台数を減らすと同時にEVのバッテリーを小型化するというシナリオだ。

チリのアタカマ砂漠にあるリチウム鉱山。塩湖の底からくみ上げた炭酸リチウムを含むかん水を貯める人工湖と、リチウム生産の副産物である塩の山が並ぶ。PHOTOGRAPH: JOHN MOORE/GETTY IMAGES
人類は気候変動との闘いに必ずしも勝ててはいないようだが、クルマの電動化には成功しつつある。世界で2022年に販売された乗用車の新車の10%は、ガソリンの代わりにバッテリーで駆動する電気自動車(EV)だった。ガソリンの採掘は有害な炭素を排出するだけでなく、その影響をもろに受けるコミュニティーの環境をも破壊するので、世界中に被害を及ぼしている。
しかし、“EV革命“にも、それなりに負の側面がある。新型トラックからSUVまで、すべてのクルマをガソリン車と同等の航続距離を有するレベルで一刻も早く電動化するとしたら、リチウム、ニッケル、コバルトなどバッテリーに使用される鉱物の需要が急増することになるからだ。
そうなると、地面にさらに多くの穴を開けることになってしまう。リチウムイオンバッテリーの原材料のシンクタンクであるBenchmark Mineral Intelligenceの推定によると、35年までに400ほどの鉱山が新設され、環境汚染や生態系破壊がより一層進むことになる。
こうしたなか、カリフォルニア大学デービス校(UCデービス)と連携する研究者がある論文を1月下旬に発表した。それは脱炭素化を、より環境への害が少なく早く達成できる方法論の提唱で、まずクルマの台数を減らすことから始まる。
「EVの台数を減らす」という提案
この研究では、ほぼすべてのEV用バッテリーに含まれる素材であるリチウムに着目している。リチウムという金属は地球上に豊富にあるが、採掘場所はオーストラリア、チリ、中国など限られた地域に集中している。その上、ほかの鉱物と同じくリチウムを採掘するのは厄介な事業である。
研究プロジェクトに参加したプロビデンス・カレッジの政治学者のテア・リオフランコスは、何百もの新たな鉱山が地上に存在することが、地球環境にとって何を意味するのかを認識している。リチウム鉱山付近の地下水面の水位低下がアタカマ砂漠の干ばつに与える影響や、先住民族が採掘による恩恵を受けられず、逆に被害を受けている状況を、彼女は目にしてきたのである。
リオフランコスの研究チームは、ガソリン車を廃止し、その代替となるEVの台数も減らそうと考えている。そしてこれらのEVには小型バッテリーを搭載することを検討している。つまり、長距離走行が可能な大型の電気SUVが何百万台も存在する未来は“当たり前”ではないというのだ。
とはいえ「『もう新たな採掘は絶対にしない』ということではありません」と、UCデービス校の土木・環境工学教授で論文の共著者でもあるアリッサ・ケンドールは言う。結論として、新たな採掘をしないのではなく、人々が移動手段としてクルマへの依存度をもう少し下げられれば「この問題にもっとうまく対処できます」と、ケンドールは語る。
さらなる消費では問題を解決できない
研究チームは、米国の将来像として5つのシナリオを示し、それぞれの場合でリチウムがどれだけ必要になるかに焦点を当てて検証した。
ひとつ目は、世界が現在の計画通りに進むシナリオだ。クルマは電動化され、米国人は引き続き大型トラックやSUVに夢中になり、ひとり当たりの自動車保有台数もいままでと変わらない。公共交通機関の利用者がほとんどいないのは、端的に言えば交通システムの大半が依然として機能していないからだ。
その他のシナリオでは、公共交通機関、歩行や自転車向けのインフラが段階的に整備される世界をモデル化している。そのうち環境を最も保護するシナリオでは、住宅や土地利用の政策が改正され、家から店舗、職場、学校までの距離が近くなり、通勤など日常の移動が減る。そして電車がバスに取って代わり、クルマを所有する人の割合も大幅に減る。
そうなれば、50年に販売されるEVの新車台数は21年よりも減り、新しいEVには小型化されたEVバッテリーが搭載される。バッテリーのほとんどがリサイクル材料でできているので、新車のバッテリー用にさらなる採掘が必要になることはない。
クルマの走行距離と総台数を減らすことは、このようなメリットをもたらす。しかし、鉱物資源の需要予測者たちの多くは、このことを想定さえしてこなかったかもしれない。
ただ、実現できるかどうかは微妙だ。人々は慣れ親しんだ習慣を変えなければならず、通常は人は変化を好まないからだ。人々が移動手段を変え、運転するクルマの好みを変え、どうやったら移動回数を減らせるかを考えなければ、クルマへの依存度は減らない。
このプロジェクト(クルマへの依存度を下げる戦略)の中核となるのは、多くの自動車メーカーによる刷り込みとは逆に、ある種類のクルマを別の種類に置き換えるだけでは気候変動問題から世界を救うことはできないという考え方だ。人間による消費がいまの気候変動問題を引き起こした。したがって、さらなる消費では問題は解決できないのである。
クルマ文化の支配から脱却するには
リオフランコスらの分析によると、EVのバッテリーのリサイクル化を実現するだけでは、リチウム不足を防げないという。リサイクルは自動車メーカーと電池メーカーが共に取り組むことで、ドライバーへの負担なしに実現できるという構想だ。しかし、今後10年から15年で多くのEVが新しくなると、すべてのEVをまかなうだけの中古バッテリーが不足してしまう。
このため、新車生産台数を減らしたり、EVに搭載するバッテリーのサイズを縮小したりするなどの対応が一層重要になると、リオフランコスは言う。「(こうした分析を)誰もしていなかったことが物語っているように、クルマ文化はわたしが想像していた以上にかなり根強いのです」
それでは、クルマ文化の支配から脱却するにはどうすればいいのだろうか? 最善策は、「クルマでの移動を減らせば、得るものはあっても失うものはない」と人々に実感させることだと、リオフランコスは語る。
つまり、クルマがいまほど重要ではない未来を強く望むことだ。そして重要なのは、すでに多くの人々が予感しているように、そうした世界は必ず実現できると信じることがポイントとなる。
こうした考え方は、おとぎ話のように聞こえるかもしれない。実際に周りを見渡せば、車道や駐車場が文字通りどこにでもある状況なので、クルマを減らすことは素晴らしいことだが、無理な目標だと思うかもしれない。
だが、米国のようにクルマに依存する地域(国)でも、徐々に変化をもたらせば達成可能な目標であると、UCデービス校教授のケンドールは主張している。「現時点でわたしたちの周りにあるのは、とてもお粗末な公共交通機関です。ただし、今後は交通機関の収益は上がるものと期待しています。車道から収益は上がるとは思っていません」
ひとつの優れた選択肢は、人々に電動自転車や電動バスを使ってもらうことだ。乗員ひとり当たりで計算すると、電動自転車や電動バスに必要なリチウムは、自家用のEV(特に大型の電気SUVやトラック)に必要な量の数分の1にすぎない。
EVのバッテリー材料の採掘がもたらす影響に気づけば、自ら進んで電動自転車や電動バスに乗る人も出てくるかもしれない。それでも各国政府は慎重に何かしらの「策」を講じる必要があるかもしれないと、リオフランコスは語る。
ノルウェー、ニューヨーク州、ワシントンD.C.は、車両重量が重い自家用車に高い税金を課している。こうした動きは、超大型の電気SUVや電気トラックの購買意欲を削ぐ効果はあるかもしれない。
リオフランコスは、将来的には大型バッテリーの搭載による余分な重量負荷がかかっているEVを、クルマに関する安全規則で処罰してもいいかもしれないと言う。また、バッテリー材料の効率的な利用を促すために、燃費規制のような法令を設けることも一案ではないかと語る。
クルマ以外の手段で移動促進へ公的支援も
特に米国では、クルマへの依存度を下げてバッテリー材料の需要を減らすには、都市のインフラを変える必要が生じるだろう。すでにクルマから自転車、あるいは徒歩へのシフトに成功している地域も見受けられる。
連邦政府が05年に実施した支援事業では、ミズーリ州コロンビア、カリフォルニア州マリン郡、ミネソタ州ミネアポリス、ウィスコンシン州シボイガン郡というかなり状況が異なる4つのコミュニティにそれぞれ2,500万ドル(約32億円)が投入され、遊歩道やサイクリング道路が整備された。追跡調査によると、自転車での移動回数は36%上昇し、徒歩による移動回数は14%増加した。クルマで移動する割合は3%減少している。
こうした取り組みによってクルマの利用が大幅に減ったわけではないが、支援事業によって人々の行動が変わることは実証されたと、米国で鉄道路線の自然歩道への転用を推進する非営利団体「Rails-to-Trails Conservancy」の政策担当責任者で今回の研究に携わったケビン・ミルズはいう。
この調査結果を踏まえ、22年12月に連邦議会が可決した資金調達法案では、全米で自転車や徒歩などクルマ以外での移動を推進する“アクティブ・トランスポーテーション”関連のプロジェクトに4,500万ドル(約58億円)が拠出された。クルマ中心ではない世界を目指す団体は、この資金確保を大勝利と評価しながらも、実際に車道に代わる手段を構築するにはこの金額ではスズメの涙であることも認識している。
「何十億ドルもの資金が必要なことはわかっています」と、ミルズは語る。目論見としては、各コミュニティーがこの資金を「種まき」のために使うことで、住民が「クルマ以外の手段で移動したい」と思えるようになった事例を示すことだと、ミルズは言う。
とはいえ、これは手始めにすぎないようだ。リオフランコスと論文の共著者らが想定したシナリオのうち、最も抜本的な変化が期待できて省資源だったものからは、ほど遠いという。それは都市がもっと過密になり、郊外まで交通機関をのばす計画である。
しかし、こうした材料需要の予測にも前向きな進展は期待できる。気候政策を議論する上では、クルマの少ない社会を想定するようになったこと自体がパラダイムシフトであると、リオフランコスは指摘する。
つい最近まで、交通手段の未来に関する予測といえば、バッテリーで動くEVと化石燃料で動くクルマとを比較するばかりで、自動車総台数のうち何割かが電動化された場合の状況を予測するものが多かった。それがいまでは、近い将来にガソリン車は減っていき、ほとんどなくなるかもしれないと当然のように思われている。
そうなると、興味深い疑問が頭をもたげてくる。そもそも、わたしたちは従来のクルマを置き換えようとするべきなのだろうか?
電気自動車は本当に「寒さに弱い」のか? 氷点下の冬をEVで過ごして見えた現実:連載・フューチャーモビリティの現在地(7)
電気自動車(EV)は冬の寒さに弱いとされるが、実際のところ積雪するような寒さでEVを普段使いすると、どんな不便なことが起こりうるのか。次世代のモビリティについて考察する連載「フューチャーモビリティの現在地」の第7回は、テスラ「モデル3」で氷点下の冬を過ごして気付いたことについて。
太陽光パネルの新たな設置場所として「都市の駐車場」が注目されている
電力消費が多い都市部で太陽光発電が増えれば、いまのように地方で発電した電力をコストをかけて都市圏に送電する必要はなくなる。そこで注目されるのが、屋外駐車場に屋根をつくってソーラーパネルを設置する施策を義務化する検討を進めているフランスの動向だ。
https://wired.jp/article/the-earth-is-begging-you-to-accept-smaller-ev-batteries/

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野党重鎮が改憲案に賛成 前先住民相は抗議の離党―豪

2023-04-07 | 先住民族関連
時事通信2023年04月06日19時49分
 【シドニー時事】オーストラリア最大野党・自由党のターンブル元首相(元党首)は6日、ツイッターに投稿し、アルバニージー政権が目指す先住民の地位確立のための憲法改正案に「何百万人もの国民とともに賛成票を投じるつもりだ」と表明した。同党は5日に改憲案への反対方針を決めたばかりで、重鎮の反旗は党員の判断に影響を与えそうだ。
 6日には、自身も先住民である同党のワイアット前先住民担当相が、党方針に抗議して離党。豪メディアに対し、「先住民の声に耳を傾けることを自由党は拒んだ。党の価値を信じるが、現在の党の姿を信じることはできない」と語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023040601004&g=int

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「中南米はダイバーシティ先進国」「人種差別が少ないエリア」は本当なのか?

2023-04-07 | 先住民族関連
ダイヤモンドオンライン2023.4.7 2:36
「人種・民族に関する問題は根深い…」。コロナ禍で起こった人種差別反対デモを見てそう感じた人が多かっただろう。差別や戦争、政治、経済など、実は世界で起こっている問題の“根っこ”には民族問題があることが多い。芸術や文化にも“民族”を扱ったものは非常に多く、もはやビジネスパーソンの必須教養と言ってもいいだろう。本連載では、世界96ヵ国で学んだ元外交官・山中俊之氏による著書、『ビジネスエリートの必須教養「世界の民族」超入門』(ダイヤモンド社)の内容から、多様性・SDGs時代の世界の常識をお伝えしていく。

Photo: Adobe Stock
民族融和でも、経済格差が分断を生む?
「先住民やマイノリティが国家権力の中枢にいない国」はたくさんありますが、日系人のフジモリ大統領を生んだペルーを見てもわかる通り、中南米は例外的なエリアといえます。
 当然ながら、政治家として成功したのは、フジモリ元大統領の卓越した才能や政治力という属人的な要素が大きいと思いますが、中南米においては、日系人や先住民を含めたアジア系、黒人に対する偏見が少ないと思われます。
 白人が多数派かつ主導的というアルゼンチンやウルグアイのような例外はありますが、それ以外の国であれば、言語や習慣に不自由がない移民2世3世に可能性はひらけてくる素地があります。
「中南米はダイバーシティ先進国で人種差別が少ない。融和的な国だ」
 私のこの仮説はあながち間違いではないと思っていましたが、あるメキシコ人弁護士と議論したところ、手厳しく反論されました。
「人種差別は少ないけれど、その仮説は楽観的すぎますよ。メキシコはあまりにも経済的な格差が大きくて、貧しい人たちは肌が何色だろうと差別されています。
 極論すれば『あいつらは違う民族・人種だ』というくらい社会的に虐げられている。貧しくて教育も受けられず、ギャングになるしかないティーンエイジャーを見てください。
 あんなに排除されても、アメリカの国境を越えようとするメキシコ人が後を絶たないのを見ればわかるでしょう?
 メキシコでは麻薬組織が取り締まりを管理しているところもある。メキシコだけじゃなく、コロンビアのマフィアはどうです? 人種差別がないからって、みんなにチャンスがあるわけじゃない」
 確かに多くの中南米は犯罪率の高さで知られ、政治不安も抱えています。
 財政は苦しく、政局も揺れ続けています。貧富の差を背景に、ポピュリスト的な政治家が権力を握っていることも一因でしょう。
 差別が少ない民族の融和が、政治・経済をプラスに転じさせるかは、今後の中南米の試金石となると思います。
なぜいま、「民族」を学ぶべきなのか?
「ダイバーシティが重要」「世界の多様な価値観を理解すべき」……。このような声を聞くことが最近増えましたが、ダイバーシティやその前提となる多様な文化・価値観を理解するためには、民族について知っていることが重要です。
 しかしながら、世界96カ国を巡り、様々な国や民族の人たちと仕事をしてきた私からすると、日本人の民族への理解――いわば「民族偏差値」は、世界最低レベルだと思います。
 日本人は単一民族ではないものの、限りなく単一民族的です。みんな似ているし、争いはあまりないし、言葉もそう違わず、結婚・就職の差別も世界的に見ればとても少ない。
 ただし、多様性がないから無知になり、発想が貧しくなります。多様であることが新たな文化を育み、イノベーションのもとになるのです。
 ダイバーシティ・SDGsが重視されるこれからの時代に向けて、もはや「民族」は必須教養です。拙著『ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門』では、「民族」を知るために必要な材料を揃えました。
 言語、宗教、歴史、芸術文化を含む壮大なテーマではありますが、ビジネスエリートなど忙しい人たちのために、ポイントを絞ってお伝えしています。
 本書を読めば、皆さんの民族への知識はおおいに深まるでしょう。「これまでとは“世界の見え方”がガラッと変わる」。そんな書籍に仕上がっています。皆さんの助けとなる1冊となれば、著者としてこれほど光栄なことはありません。
https://diamond.jp/articles/-/319952

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EV普及で「オーストラリア」が超重要国になった訳 日本にとっても大事なリチウム供給国になった

2023-04-07 | 先住民族関連
東洋経済2023年4月6日宮路 秀作 によるストーリー

西オーストラリア州ポートヘッドランドで行われているリチウムプロジェクト(写真: Carla Gottgens/Bloomberg)
© 東洋経済オンライン
突如として欧米を中心に「脱炭素社会」が叫ばれるようになった昨今。そんな中、電気自動車の開発を急ごうとする動きが広がっていますが、電気自動車の普及によって、オーストラリアに世界中の注目が集まっています。本稿では代々木ゼミナールのカリスマ地理講師、宮路秀作氏著『ニュースがわかる!世界が見える!おもしろすぎる地理』より、電気自動車の登場で変化する世界情勢について解説します。
加速する産業構造の転換
最近「脱炭素社会」という理念が世間を騒がせています。SDGsの17目標の1つ、「気候変動に具体的な対策を」にもあるように、とりわけ「炭素」が目の敵にされています。
地球温暖化が叫ばれるきっかけとなったのは、1992年の地球サミット(国連環境開発会議)だったように思います。その後、京都議定書が発効され、「先進国だけでなく、途上国にも温室効果ガスの排出削減の努力を求めよう!」とパリ協定が結ばれました。
自動車業界では、ガソリン車をなくし、電気自動車(EV)の開発を急ごうとする動きが進んでいます。電気自動車はガソリン車と比べて部品数が少ないことで知られています。そのため、電気自動車への産業構造の転換は、日本国内から雇用が失われることとなるだけでなく、「資源小国」である日本ではエネルギー資源の海外依存がこれまで以上に進むと考えられます。
はたして、「世界の潮流はこうだから!」とそれに倣うことが、本当に日本の国益になるのかと、私は単純に疑問を抱いています。日本自動車工業会会長であり、トヨタ自動車の豊田章男会長は、「車がすべて電気自動車になればいいという、そんな単純なものではない」とコメントされています。
まず電気自動車を作るには、電池が必要です。そして、それはリチウムなしでは製造できません。単純な話として、電気自動車の普及が進めば進むほど、「リチウムの安定供給」が課題となります。実際に2023年には需要が供給を上回ると考えられていますので、供給量の増大は急務といえます。
世界最大のリチウム産出量をほこるのはオーストラリアです。日本はオーストラリアから、自動車の原材料となる鉄鉱石や石炭はもちろんのこと、液化天然ガスや肉類なども輸入しており、日本の経済発展、日本人の生活にとって必要不可欠な国です。
さらに日本とオーストラリアはほぼ同経度に位置しているため、日本からオーストラリアに向かう船舶は必ず東南アジアを通過します。つまり、日本の経済発展にとって東南アジア諸国との良好な外交関係も必要不可欠であるといえます。積極的な東南アジア諸国への投資が、オーストラリアがこれからも日本にとっての重要な資源供給地となっていくということです。
「地政学的リスク」という言葉の危うさ
こういった状況は「地政学的に重要」と表現されがちです。これは「鉱産資源の埋蔵や世界における地理的位置を考慮すれば、政治的に重要な場所となりうる」ということであり、地理学的にいえば「政治地理学」なのであって、個人的には「地政学」という言葉にはどうも違和感を覚えます。
日本人は、あまりにも「地政学的リスク」という言葉に落とし込んで、事象を詳細に説明できない人が多い印象があります。「わかったような、わからないような……」の好例が「地政学的リスク」という言葉ではないでしょうか。
さて、オーストラリアのリチウム産出量が世界最大という話をしましたが、「世界最大というより、ほとんどオーストラリアでしか産出していない」というのが現状です。一強状態というわけです。
実は、南アフリカ共和国で行われていたアパルトヘイトの廃止には、レアメタルが関わっていたことをご存じでしょうか?
レアメタルとは、「埋蔵量が少ない」「産出しても有用な量が少ない」などの金属のことで、世界では旧ソビエト地域、中国、アフリカ大陸南部などに埋蔵が偏在しています。同じく埋蔵が偏在している原油とともに、安定供給が難しい資源の1つです。
世界で埋蔵が確認されている原油のおよそ6割がペルシア湾岸に集中していることを考えると、中東情勢が原油の産出量、ひいては石油価格に影響を与えることは必然です。多くの人々が、これを「地政学的リスク」と呼んでいるわけです。
かつて冷戦の時代は、東西間交流があまり行われていませんでした。つまり西側諸国はソビエト連邦からのレアメタルの輸入が困難だった時代です。そこで、レアメタルの供給地として南アフリカ共和国を重要視していました。
南アフリカ共和国はレアメタルを輸出する代わりに、「アパルトヘイトの黙認」を要求していました。西側諸国はアパルトヘイトを黙認し、南アフリカ共和国からレアメタルを輸入していたわけです。
しかし、東西冷戦が終結すると、西側陣営は旧ソビエト諸国からのレアメタル輸入が可能となり、南アフリカ共和国のレアメタル供給地としての重要性が低くなります。
そうなると、西側諸国は手のひらを返したように「アパルトヘイトはけしからん!」とばかりに経済制裁を強めていきました。これによって、ついに南アフリカ共和国はギブアップ。アパルトヘイト廃止にいたったというわけです。
現在のオーストラリアは「多文化主義(multiculturalism)」を採用しており、白豪主義はすでに撤廃しています。最近はアボリジニー(aborigine)とは呼ばず、「オーストラリア先住民(Indigenous Australians)」などの呼称が広まっています。南アフリカ共和国のようなことはないでしょう。
オーストラリアの競合相手になりそうな3国
リチウムは海水にも含まれていますが、密度が低いため商業ベースに乗せられるだけの抽出量は期待できません。埋蔵量から考えて、オーストラリアの競合相手国になりそうな国は、ボリビア、チリ、アルゼンチンが考えられます。これら3カ国を結ぶ「リチウムトライアングル」には塩湖が見られ、ここからリチウムが採掘されています。
ボリビアの塩原(学術的には「塩原」が正しい)といえば、ウユニ塩原が有名です。私は2018年3月にウユニ塩原に行きましたが、それはそれは言葉を失うほどの絶景でした。
南アメリカ大陸西部を縦断するアンデス山脈は、西側のナスカプレートと南アメリカ大陸を乗せた南アメリカプレートが狭まることで形成されました。2つのプレートがぶつかることで、かつては海だった場所が、海水をたたえながら隆起し、現在のアンデス山脈を形成しました。そのためこの地域には塩原が数多くみられ、リチウムの埋蔵がみられるようです。
ボリビア政府は、世界のリチウム埋蔵量のおよそ70%がウユニ塩原下にあると主張しています。ウユニ塩原はまだ世界遺産に登録されていません。よって今後は開発が進むことは容易に想像できます。開発が進む前に、ウユニ塩原を是非観に行って欲しいところですが、ボリビアの地域住民からはリチウム採掘による環境破壊を心配する声が上がっています。
ペルーにもリチウムが埋蔵されている?
ボリビアのウユニ塩原がアンデス山脈の隆起によって海水が持ち上げられてできたものであるならば、「隣国ペルーでもリチウムの埋蔵がみられるのではないだろうか?」と仮説を立てて調べてみると、ペルーには近隣諸国を上回るリチウム埋蔵量が存在しているとのことです。これを主張しているのはカナダの鉱山会社Macusani Yellowcake社です。
資源用語に「マインライフ」というものがあり、「資源が枯渇するまでの操業期間」を意味します。つまり「鉱山寿命」という意味です。ペルーでのリチウム採掘のマインライフは、54年になるとの見通しがあるようで、これが「54年分も!?」なのか、「たった54年分……」となるかは、まだ未知数といえます。
SDGsに関連して、ESG課題というものがあります。これは2006年に当時の国連事務総長が金融業界に対して「投資家は、自らの投資によって環境や社会への責任を考えるべきである」と提言しました。
つまり、投資の際には「環境(Environment)」「社会(Social)」「管理体制(Governance)」を意識しようということで、これは「ESG課題」と呼ばれています。個人だけでなく企業の取り組みにも反映されるようになりました。
ESG課題への取り組みを怠ることは、その企業への悪い評価へとつながりかねないと考えられているわけです。世界的に「脱炭素社会」の構築を目指しているときに、ガソリン車にこだわることは企業活動にとってマイナスになりかねないということです。
こうしたことを背景にBMWは「オーストラリア産リチウム」を使用することを明言しており、自社の「サスティナビリティ」、つまり持続可能な開発への貢献度をアピールしています。
特定の国や地域での産出がみられる場合、鉱山開発のための投資が行われるのが常ですが、なかなかそれは難しいようです。南アメリカ大陸のリチウムトライアングルを考えれば、まだまだ近い将来の話ではなさそうです。
転換を迫られるオーストラリアの石炭産業
電気自動車の開発・普及が進むとともにリチウム需要が急増し、資源供給地としてのオーストラリアの重要性が増します。
そこでオーストラリアでは、それまで石炭を採掘していた鉱山従事者がリチウムを採掘するようになっています。「エコ」「気候変動」「環境保護」など、実に耳に心地の良い言葉の前には、個人の持つ理念や信条はねじ伏せられてしまうのが現実です。
オーストラリアの石炭採掘業者には、石炭への愛着があります。長年、オーストラリアの経済を支え、電力を支えている資源です。オーストラリアは今もなお、石炭火力発電が中心の国です。確かに1人あたり二酸化炭素排出量が多い国ではありますが、人口規模が2500万人程度と小さく、国としての二酸化炭素排出量はそれほど多くはありません。
オーストラリアの人たちにすれば「俺たちってそんなに二酸化炭素を出していないのに、なぜ愛着ある石炭採掘を止めてリチウムを掘らねばならんのだ?」との想いがあるでしょう。
「正しい行動」とは一体何なのか? 豊田章男会長の立場では「雇用を守り、日本経済を盛り上げていくこと」でしょう。環境保護団体の立場では、「脱炭素社会」の構築でしょう。日本で電気自動車の開発を行ってもカーボンニュートラルにはなりませんし、個人的にはカーボンニュートラルはヨーロッパ諸国が仕掛けた「トラップ」であると思っています。
https://www.msn.com/ja-jp/news/other/ev普及で-オーストラリア-が超重要国になった訳-日本にとっても大事なリチウム供給国になった/ar-AA19xlVr

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「環境保全」の名の下に、アマゾン先住民から土地をむしり取る欧米企業の闇

2023-04-07 | 先住民族関連
クーリエ4/6(木) 11:30配信

Photo by Marco Marques on Unsplash
温室効果ガスの排出量削減に努めつつ、それでも排出された分には、相応に見合った温室効果ガス削減活動に投資する。日常生活や経済活動を通して排出される温室効果ガスをこうして埋め合わせることを「カーボンオフセット」という。
この「投資先」として選ばれている場所のひとつが、世界最大の熱帯雨林、アマゾンだ。一見すると良いことのように思えるが、現地に暮らしている先住民は騙し取るように土地を奪われ、苦い思いをしている。
先住民族の土地と権利を尊重すべきなのに…
アマゾンにある複数の先住民コミュニティが暮らす土地で、カーボンオフセット・プロジェクト(カーボンオフセットするための森林整備活動など)を実施しようとする欧米の企業が増加している。そうしたなかで、いわゆる「カーボン・パイレーツ」が先住民の生活様式を脅かす存在となっているという。
欧米企業が温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すいま、カーボンオフセット市場は20億ドル規模に成長している。新規プロジェクトを立ち上げれば、カーボンクレジットの売却による多額の金銭的利益を約束する──先住民のリーダーたちは、カーボンオフセットに取り組む企業からそんな話を持ちかけられているというのだ。
2022年12月に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、各国政府は2030年までに地球上の陸と海の30%を保護するという合意に達した。これによる土地の強奪が起きることへの懸念もあるため、特に先住民族の土地と権利を尊重する旨も盛り込まれている。
カーボン市場、とりわけ熱帯雨林の保護を目的とする市場の支持者いわく、カーボンクレジットは新規プロジェクトの資金調達に適した方法だ。プロジェクトを展開することで、「森林と生態系の最良の保護者」たる先住民コミュニティが、土地の管理を続けるための資金を提供できると主張している。そしてその結果得られたクレジットは、欧米企業による気候変動への取り組みの証に使うことができるのだと。
カーボンクレジットは決して完璧ではない。だが環境を守るためのプロジェクトに必要な資金を提供できる──多くの人がそう考えているだろう。しかしカーボンオフセット・プロジェクトを数多く手がけるコンサベーション・インターナショナルの主任研究員、ヨハン・ロックストロームは、本紙「ガーディアン」の取材にこう話した。
「カーボンオフセットは必要なものです。インセンティブを与えることで、自然の気候変動対策に必要な投資を生み出すというプラスの可能性を持っています。しかしその一方で、人々が自らの排出量を減らす努力をしなくなるというリスクがあるのです」
「賊」に土地を追われる人々
森林を利用したカーボンオフセットに関する調査の一環として、COP15、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)、アマゾン先住民リーダーサミットの場で、そしてペルーに暮らす複数のコミュニティを訪問した際に、本紙は中南米各地の先住民のリーダーたちをインタビューした。
一部のリーダーたちは、適切に運営されているカーボン市場がもたらす潜在的利益を評価している。だが規制がされていないセクターでは、先住民コミュニティが利用されているケースもあるという。
カーボン排出権に関する不透明な取引がなされ、英語で書かれた長文の契約書が交わされ、プロジェクトのために長年住んでいた土地を追い出されたりしているのだ。
たとえばペルー史上最大の資源採掘企業とのカーボン取引において、キチュワ族は、コルディジェラ・アスール国立公園内の土地から退去を迫られたあげく、8700万ドルの契約から一銭も受け取れなかったと主張している。一方、公園当局はすべての取引は「現行の法的規制を厳格に遵守し、先住民の人々の権利を特別に尊重している」と語った。
そんななか、一部の先住民コミュニティはカーボン市場の規制について自ら学び、この「カーボン・パイレーツ」による犠牲が他に出ないよう、世界規模の情報交換と交流の場を組織している。
コロンビア・アマゾンのウィトト族のリーダー、ファニー・クイル・カストロが言うには、アマゾン川流域のほぼすべてのコミュニティがこの問題の影響を受けている。
「他の地域を訪ねると、ほとんどのコミュニティがカーボン関連のビジネスと接触していることがわかりました。たいていの場合、相手はプロジェクトの立ち上げに同意すれば大金を支払うという約束を掲げてやってくる。でもその際、コミュニティが自分たちの土地にアクセスできなくすることを条件とするケースもあります。狩猟や漁業で生活している私たちにとってそれは危険なことです」
「しかもひどいことに、彼らは英語で書かれた長い法的文書を持ってきて、その内容をちゃんと説明しないのです。先住民の多くは文字が読めません。自分たちが何に合意しているのかも理解していないのです」
ペルー北部のアワジュン族のウィルフレド・ツァマシュによると、取引で騙されないようカーボン市場の仕組みを理解するべく、組織が人々に指導をしている。そのうえで、地球温暖化に関与している資源採掘企業は、カーボンクレジットの購入を許されるべきではないと語った。
「彼らは私たちを分断しようとしている。カーボン・パイレーツはコミュニティに入り込んできますが、多くの場合、私たちは彼らがどこから来たのか、何をしているのか、そもそも何者なのかも知りません。これは大きな問題です」
「そうしたNGOの一部は、背後で動いているだけの幽霊のような存在です。石油会社や採掘会社にはクレジットを売るべきではないと私は思いますよ。そもそも損害を与えているのは彼らなのですから」
コスタリカのブリブリ族のリーダー、レヴィ・スクロ・ロメロは米メディア「Yale E360」のインタビューに対して、COP15で合意した保護地域の拡大は、先住民コミュニティにとって大きなチャンスになり得ると話した。一方で、いかなる市場においても先住民コミュニティに対する敬意と、カーボン取引から得られる利益の分配はなければならないと本紙に語った。
「私たちは今、コンゴからアマゾンまで世界規模で組織化しています。まず認めてもらわなければならないのは、私たちの土地への権利であり、そして中央だけでなく地域レベルで相談を受ける権利です。さらに、森林の世話をする者としての声を政治の場に反映させたい。森があるところには、先住民コミュニティがあるのです」
世界人口の約5%を占める先住民コミュニティが、世界の生物多様性のうち80%の管理を担っている。にもかかわらず、先住民コミュニティは違法な資源採掘者や森林伐採者、麻薬密売人からしばしばその権利を侵害されたり攻撃されたりしている。
ペルーのマドレ・デ・ディオスに暮らすシピボ族のリーダー、フリオ・クスリチは、2007年にゴールドマン環境賞を受賞した。カーボンクレジットから得た資金は、綿密な計画のもとで教育や保健施設の改善に役立てることができるはずだが、実際にはそうなることはほとんどないと彼は指摘する。
「(こうしたオフセットプロジェクトの一環として)先住民コミュニティの構造を強化することが重要です。カーボン・パイレーツの問題はアマゾン全域で起きています。これはいずれも30年、40年、下手すれば100年に及ぶプロジェクト。金を持つ者が権力を持つのです」
Patrick Greenfield
https://news.yahoo.co.jp/articles/827eccb4405f60716736aa900f1708e54031fa47

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