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「鯖大師」に「魚籃観音」?!お寺で会える水辺の生き物大集合!!

2023-04-09 | アイヌ民族関連
いまトピ2023/4/8 17:40Tak(タケ)
4月8日は、お釈迦様の誕生を祝うお祝いする「花まつり」(「灌仏会」)が全国各地のお寺で開催される日です。
花まつりでは、天と地を指差したお釈迦様の誕生仏を白象の上に花を飾った花御堂に安置し、甘茶をそそぎ誕生をお祝いする仏教の大事な年中行事のひとつです。
今年は、美術作家の渡辺おさむ氏が千葉県市川市にある「稲荷山雙輪寺」へ本物そっくりの スイーツを纏った白象作品を「花まつり」用に奉納し話題となりました。
一方で、沙羅双樹のそばの宝台上で、両手を体側につけて右脇を下にして体をまっすぐ伸ばし北枕で横になるお釈迦様が入滅された姿を描いた「涅槃図」では、死を悲しむ象や龍、鳥たちなど多くの動物が描かれています。
古代インドが発祥の仏教にはこのように動物が欠かせない存在として、その教えやエピソードそして仏像などに多く登場します。
迫力ある仏像として人気の高い、十二神将も十二支の動物と習合した姿で表現されているものもあり、お寺や博物館で目にしたことのある方も多いはずです。
そんな動物たちと深い関係のある仏教ですが、魚や貝、亀など水辺を生息地とする生き物たちも探してみると意外なほど多く信仰の対象とされているのです。
今回は日本各地のお寺で会える水辺の生き物たちをまとめて紹介したいと思います。「仏教水族館」の幕開けです!!
三十三観音に数えられる観音菩薩の一つ魚籃観音(ぎょらんかんのん)。魚を入れたかごを手にさげている観音さまです。
wikiによると「中国唐の時代、魚を扱う美女がおり、観音経・金剛経・法華経を暗誦する者を探し、めでたくこの3つの経典を暗誦する者と結婚したがまもなく没してしまった。この女性は、法華経を広めるために現れた観音とされ、以後、馬郎婦観音(魚籃観音)として信仰されるようになったという。」とあります。
東京都港区の魚籃寺の本尊である「魚籃観世音菩薩」は毎年5月の第2土曜日だけ開帳となり秘仏です。
西国33番満願霊場で、「谷汲さん」の愛称で親しまれる華厳寺御本堂にかかる「精進落としの鯉」。
本堂の両脇の柱に唐突に張り付いている鯉はかなりのインパクトと驚きがあります。
何故、お寺に鯉なのかその由来は定かではないそうですが、「登龍門」の語源となった鯉は縁起の良い魚として昔から貴ばれてきたので巡礼最後のお寺に相応しい存在なのでしょう。
東京最初山手七福神のひとつ、目黒不動尊の三福堂に祀られている恵比寿像。大きく立派な鯛を両手で抱えるようにして持っています。
恵比寿神は釣りざおを持物としている像もありますが、鯛はそれこそ「おめでたい霊験」を人々に授けるものとして貴ばれています。
因みに恵比寿神は七福神の中で唯一、日本生まれの神様です。
四国阿波国を中心として伝わる高僧伝説で、後に日本の各地に波及した民間信仰である鯖大師(さばだいし)。
八坂寺や円福寺(千葉県)には鯖を手に持った弘法大師像が伝わります。以下のような話が「鯖大師」伝説として語られています。
「あるとき、旅の僧が馬に塩鯖を積んだ馬子に出会い、鯖を乞うが馬子は僧を嘲りその願いを拒否する。馬子が去ろうとしたところ、僧が呪歌を唱えると馬が腹痛を起こし苦しみ始める。馬子が謝って鯖を与えると僧は再び呪歌を唱え、馬はもとに戻った。」(Wikiより)

「鮫様」(龍神・妙亀菩薩・鮫神像)金龍寺(北海道石狩市)
台座の中央に唐風の衣装をまとい龍に乗る「龍神」像、宝珠を持ち緋色の袴を着け鮫の上に立つ「鮫神」像、剣を携え亀の上に立つ「妙亀菩薩」像の三体の神像で構成されています。
鮫は、石狩地方のアイヌの人たちの伝承に見える「石狩川の主」としてのチョウザメと結び付くものと考えられているそうです。
お寺で会える魚を見てきましたが、その地域の文化や特性と密接な関わりがあることが分かります。そしてそれぞれ深い信仰心に由来するものです。
お寺にお参りし、魚や動物たちを見かけたら、どんな由来、関係性があるのだろう?と探求心を駆り立てる存在としてみるとより深くそのお寺や教えについて知ることが出来るはずです。
身近にある仏教由来の食べ物などを紹介したこちらのコラムも合わせてどうぞ。
小学館のウィークリーブック『隔週刊 古寺行こう』では国宝・重文といった寺宝はもちろんのこと、「旅の栞」として寺院近くの美味しいお店や名物、銘菓も紹介されています。
https://ima.goo.ne.jp/column/article/12426.html

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この快挙は文化誌としても面白い

2023-04-09 | アイヌ民族関連
オールレビュース2023年04月08日(土)12:00

言語学大辞典 世界言語編あ−こ
『言語学大辞典 世界言語編あ−こ』(三省堂)Amazon |honto |その他の書店
◆この快挙は文化誌としても面白い
日本語、アイヌ語、英語……と数えてゆくと、地球上に言葉はいったい何種類くらいあるんだろうか。三千という人もいれば六千と書いてある本もあるが、誰も確かな根拠をあげているわけではない。
ところが少なくとも三千三百九十種はあることが明らかとなった。この数は記憶しておいた方がいい。使用地域とおおよその系統を明記した数、つまり証拠付きの数としては言語学史上最大になるからだ。こうした確認作業が進むと未確認部分の推測もつくが、その数は五千から六千におよぶという。地球の言語およそ九千のうち探検隊が出かけていって今日までに採集したのは三千三百九十というのだから、まだまだ未知の部分の方が多い。言語学的に言うと地球は大航海時代の最中にあるわけだが、この航海の主役は意外にもニッポンなのである。
このたび完結した『言語学大辞典・世界言語編』全四巻(三省堂)は、見るからにカタそうで一般紙誌の書評にほとんど取り上げられていないが、日本の学術と出版の快挙と言っていいのではあるまいか。これまで世界的には、フランスの言語学者アントゥアヌ・メイエとマルセル・コーアンが名著『世界の言語』の中で紹介した百種弱が最大で、国内的には市河三喜他編の『世界言語概説』の三十六種どまりだった。それを日本の言語学者たちが一致協力して三千三百九十まで伸ばしてしまった。
ページを開いてみよう。身近なところから〈琉球語〉の項。百二十ページが費やされ、研究史からはじまり起源、周辺語との関係、文法と語彙の特徴、方言の分布などなど余すところなく説明されているが、専門的な内容なのに実に読んで面白い。たとえば、上村幸雄による総説に、
“琉球語諸方言は、本土の日本語諸方言のうちでは、音韻、文法、語彙の各面からみて、九州方言にもっとも多く類似点を見いだす。このことから、琉球語が、いつとは確定しにくいにせよ、古い時代の九州方言から分岐したものであることは確実とみてよいであろう。そして、その場合、その逆方向の分岐を想定してみる必要はない。”
と、戦後の琉球語研究の蓄積を踏まえて、柳田国男の「海上の道」は言語的にはなかったとする。
日本の三言語(日本語、アイヌ語、琉球語)をはじめ国連に加盟しているような国の言葉は、すべて起源から系統、特徴まで、現在の世界の研究の成果を分かりやすくまとめており、言語学を離れてその国の地理や歴史や文化誌として読んでも面白い。
しかし、僕がページをめくりはじめて止められなくなったのは、そうした国連加盟言語ではなくて、残りの三千以上を占める草むす言語の項である。
“カマス語
“プラップ語 西太平洋、カロリン諸島のプラップ環礁において、五〇〇人弱によって話されている言語。……近隣のプルスク環礁で、二〇〇人余りによって用いられるプルスク語と、基本語彙の九一パーセントを同源語として共有する。”
孤島で数百人しかしゃべらない言葉もあれば、記録だけを残してもう消えてしまった言葉もある。それらはまだいい方で、
“チャト語 語彙が若干報告されており、オーストロアジア語族のモン・クメール語族、北バナル語派に属するらしいとされているが、詳細は不明である。”
これまで辞典という形式の中で「らしいとされているが、詳細は不明である」なんて解説があっただろうか。僕はこれを読んで言語学者と友人になってもいいと思い直した。研究の最前線のざわめきがストレートに伝わってくる。
この辞典に収録された三千三百九十種の解説は日本人の言語学者約百五十人の手になる、というのも考えてみればたいへんなことだ。これまで基礎研究が弱いと言い続けられてきた日本の中で、いつのまにか世界の水準を大きく抜く成果が上がっていた。それも言語学という地味きわまりない領分で。
日本はアジアに位置し、百年かけて欧米を体得した。そして、ここ十数年、世界のすみずみどこへ行っても日本人がいるようになった。このことはこれまで経済活動との関係でばかり語られてきたが、そろそろ学術や文化での実りがもたらされてもいい頃である、と思っていた矢先にこの本に出合ったので、個人で買うには厚すぎるかもしれないが紹介した。図書館や研究機関の常備書だと思う。
https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00003221/

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クリミアで収監の先住民族「ロシア占領下、迫害続く」 早期の領土奪還を訴え

2023-04-09 | 先住民族関連
日本経済新聞2023年4月8日 14:30 [有料会員限定]
ロシアがウクライナ南部クリミア半島で、実効支配に抵抗する住民への圧力を強めている。ウクライナ軍当局は3月下旬、ロシアが監視活動にあたる人員を増やし、先住民族の拘束など弾圧を強めていると指摘した。現地で収監中の人権活動家は「ロシアの占領下にある限り、迫害が続く」と述べ、早期の領土奪還を訴えた。
先住民族クリミア・タタール人のナリマン・ジェリャル氏が書面で取材に応じた。同氏は同民族の代表機関「メジリ...
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残り786文字
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70027590Y3A400C2NNE000/

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東アジアの運命変えた事件 19世紀後半 台湾・恒春半島 多元的文化描く 作家・陳耀昌さんと歩く

2023-04-09 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/4/9 東京朝刊 有料記事 2609文字
<文化の森 Bunka no mori>

陳耀昌さん
 原住民族(台湾先住民族)が暮らす台湾最南端の半島が、各国の思惑がぶつかり合う国際舞台と化した時代があった。19世紀後半、連鎖するように事件が起こった恒春半島を、作家の陳耀昌(ちんようしょう)さん(74)や陳小説を翻訳した下村作次郎・天理大名誉教授(73)らと歩いた。
 南端にある墾丁海水浴場。ビーチリゾートらしく、開放的な空気が漂う海の向こうで、約150年前事件が起きた。1867年3月12日、アメリカ商船ローバー号が座礁。付近に上陸した14人のうち船長以下13人は、原住民族パイワンの人たちに侵略者とみなされ殺害された。
・・・・・・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230409/ddm/014/040/014000c
 

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スコセッシ&ディカプリオ最新作『Killers of the Flower Moon』上映時間は約4時間 ─ カンヌ映画祭で初披露

2023-04-09 | 先住民族関連
ザ・リバー2023.4.8 8:00 YUKA SHINGAI

巨匠マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオによる6度目のタッグ作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題:Killers of the Flower Moon)』の上映時間が約4時間になることがわかった。米Varietyが報じている。
以前から予想されていたように、本作は2023年5月16日~27日に開催されるカンヌ国際映画祭のワールドプレミアにて上映予定。コンペティションの対象作品であるか否かは明らかになっていないが、スコセッシ作品がカンヌで上映されるのは、パルムドールにノミネートされ、監督賞を受賞した『アフター・アワーズ』(1985)以来。映画祭のディレクターを務めるティエリー・フレモーは、スコセッシが最新作を携えて出席してくれることを最重要事項のひとつと考えていたことを語っている。
本作は作家デイヴィッド・グランの犯罪ノンフィクション『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』(早川書房刊)を原作に、1920年代のアメリカ南部・オクラホマ州で起こった先住民族オセージの連続殺人事件を描く物語。ディカプリオがオセージ郡に移住した白人男性アーネスト・バークハートを、リリー・グラッドストーンがアーネストの妻となるオセージ族の女性モリーを演じる。原作のアーネストはオセージ郡を牛耳る叔父ウィリアムと妻モリーの間で板挟みに陥り、一方のモリーは立て続けに家族の不幸に直面。2人は陰謀ひしめくミステリーのキーパーソンとなる。
2時間超えは通常運転、2時間半を超えることも決して珍しくないスコセッシ作品だが、現時点での最新作となったNetflix映画『アイリッシュマン』(2019)に3時間29分というボリュームだった。本作の約4時間という上映時間はキャリアの中でも圧倒的だが、それでもフランスでの興行収入も大きく期待できると予測されている。
そのほか出演者には、スコセッシ作品常連組の名優ロバート・デ・ニーロがアーネストの叔父ウィリアム役、『ザ・ホエール』で第95回アカデミー賞主演男優賞に輝いたブレンダン・フレイザーが弁護士W・S・ハミルトン役、『アイリッシュマン』(2019)のジェシー・プレモンスがFBI捜査官トム・ホワイト役を演じる。『エクリプス/トワイライト・サーガ』(2010)のウィリアム・ベロー、『アイリッシュマン』(2019)のルイ・キャンセミ、シンガーソングライターのジェイソン・イズベルとスタージル・シンプソンなど、バラエティ豊かな俳優陣も名を連ねた。
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題:Killers of the Flower Moon)』は2023年10月6日より米国の一部劇場にて公開後、10月20日より拡大公開。Apple TV+での配信スケジュールは未定。
https://theriver.jp/killers-of-the-flower-moon-runtime/

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1400人虐殺、首切り「リズム0」 群集心理による残酷すぎる事件4選!

2023-04-09 | 先住民族関連
TOCANA2023.04.08
 昨年10月29日、韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で158人が死亡する転倒事故が発生したのは記憶に新しい。当時はハロウィンの前々日ということもあり大勢の人が詰め掛けていたが、幅3.2メートル、長さ40メートルの坂道で身動きが取れないほどの混雑が発生、そのまま群集雪崩(ドミノ倒し)が発生した。関西大学の川口寿裕教授によると「人は危険と気付かずに次々に雑踏に入ってしまう」とする群集心理が働くという。
 人は集団になると思いもよらない行動を起こすことがある。以下、群集心理による歴史的な事件を4つ紹介した過去記事を再掲する。
※ こちらの記事は2018年3月12日の記事を再掲しています。
 今月10日、神宮球場で行われた日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟の開会式で、タレントの稲村亜美さんが始球式直後、大勢の中学生に取り囲まれ、もみくちゃにされるというハプニングが起きた。この様子を収めた動画がYouTubeなどにアップされ、集団暴行や痴漢であるとの批判が殺到している。
 幸い稲村さんに怪我はなく、自身のTwitterやInstagramに「みなさんのパワーが伝わってきてわたし自身は貴重な経験をさせてもらえました」とコメントを発表する神対応を見せた。しかし、一方では群衆の中で転んだり押されたりして怪我をした生徒もいるとのことで、一歩間違えれば大惨事になりかねない危険な事態であったのは間違いない。
 また、現場にいた生徒の一部が稲村さんに触った、抱きついたといったコメントを悪びれもなく投稿していることも批判の的となっている。今回の一件に限らず、人間は集団になると野蛮で暴力的な行動に走ってしまいやすい。かつて社会心理学者ル・ボンは群集心理の特徴を「モラルの低下」「暗示にかかりやすくなる」「思考力の低下」「衝動的になる」などとまとめている。今回は群集心理が引き起こした恐ろしい事例をいくつかご紹介しよう。
マウンテンメドウの大虐殺
 1857年9月。米ユタ州南部で、カリフォルニアへと向かう移民の一団がモルモン教徒と先住民のパイユート族に襲撃され、幼い子供を除く120人が殺害されて財産を奪われるという事件が起きた。モルモン教徒たちは移民団が連邦政府から送られてきた「敵」であると指導者らに扇動され、先住民を巻き込んで襲撃をかけたのだ。そして5日間の攻防の後、言葉巧みに武装解除させた移民団一行をだまし討ちにし、一方的に虐殺したのである。
 当時のモルモン教指導者ブリガム・ヤングは、事件は教団の命令ではなく、信徒の一部が勝手にやったことだと主張。ジョン・D・リーという信者をスケープゴートとして差し出し、全ての責任を押し付けた。
九月虐殺
 革命の嵐吹き荒れる1792年9月、フランス・パリの監獄には多数の反革命主義の政治犯が収監されていた。パリ侵攻が噂される中、反革命分子は義勇兵の出兵後に蜂起し、脱獄して残った女子供を襲うという噂が立っていた。革命の指導者ダントンは「敵に打ち勝つためには、大胆さ、いっそうの大胆さ、常に大胆さが必要なのだ」と演説、囚人への人民裁判を始めた。
 パリ各地の監獄で市民による裁判の真似事が行われ、反革命分子とされた囚人たちは次々に処刑された。この事件の最も有名な犠牲者は王妃マリー・アントワネットの友人・ランバル夫人であろう。彼女はドレスを剥ぎ取られ、激しい暴行の末に死亡し、その死体もバラバラにされた。その首は槍の先に突き刺され、タンプル塔に幽閉中だった王妃にも見せつけられた。この事件で推定1100~1400人もの囚人が殺され、パリの監獄はすっかり空になったという。セイラム魔女裁判
 1692年、米マサチューセッツ州セイラム村(現在のダンバース)で、200人近い村人が魔女として告発され、19人が処刑、1人が拷問死、5人が獄死する凄惨な事件が起きた。
 きっかけは降霊会に参加していたアビゲイル・ウィリアムズら複数の少女たちの「悪魔憑き」だった。少女たちは使用人ティテュバを始め、村人たちを次々に自分たちを呪った「魔女」だと告発した。敬虔なプロテスタントの村は大混乱に陥り、少女たちのあやふやな証言と拷問による告白を証拠として、次から次に有罪が宣告され、絞首刑が行われた。
 異様な事態はやがて州知事の耳にまで届き、ようやく裁判の停止が命令された。裁判に関わった牧師ジョン・ヘイルは「我々は暗雲の中に道を見失った」と記しているという。
リズム0
 ユーゴスラビア出身のアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチは1974年、「Rhythm 0」と題した6時間のパフォーマンスを行った。その内容は「テーブルの上にある72個の物体を、望むままに私に使うことができる」というもので、責任は全て彼女自身が背負うとした。
 ギャラリーの中心に静かに立つアブラモヴィッチ。その前に置かれたテーブルには羽、バラの花、靴、ワイン、パン、ナイフ、ハサミ、カミソリの刃、弾をこめた銃など、彼女に対して使える物体が並んでいた。
 パフォーマンス開始直後、彼女に近づく者はいなかった。だが徐々に、水を飲ませたりバラを渡したりする者たちが現れた。ギャラリーの雰囲気は落ち着いていて、穏やかだった。
 だが、やがて彼女の服をハサミで切る男性が現れた。これをきっかけに参加者たちの行動は次第にエスカレートしていった。テーブルに鎖で縛りつけ、股の間にナイフを付きたてた。だが、彼女は抵抗せず、ひたすら作品に献身した。だが、服はずたずたにされ、カミソリで皮膚を切って血を飲む者まで現れ、さらには銃を突きつけられた。さすがに止めに入る参加者も現れて喧嘩となった。
 パフォーマンス終了後、半裸で血だらけになり涙ぐむアブラモヴィッチを、誰も正視できなかったという。後に彼女は「観衆は私を殺すことができた」と語っている。今もこの時に付けられた傷跡が残っているそうだ。
 残念ながら、人間は集団になると残酷な存在になりうる生物だ。その心理の恐ろしさは現代のインターネット上でも日々垣間見ることができる。2014年のMITなどによる研究によれば、人間の脳の倫理と関係する領域は集団になると活動が鈍るそうだ。
 誰しもが群衆の中で理性を失い、暴力的な行動に走る可能性を秘めている。群衆の影響を逃れる術の一つは、自己の道徳観念を積極的に省みることだという。後になって「何であんなことをしてしまったのだろう」と後悔したくないなら、群集心理の恐ろしさを心に留めておくべきだろう。
参考:「Listverse」ほか
https://tocana.jp/2023/04/post_249099_entry.html

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「ブラジル・アマゾンの先住民保護区が呼吸器・循環器系疾患の治療費の抑制につながる」という研究結果が発表

2023-04-09 | 先住民族関連
MIRASUS2023.04.08

2023年4月6日に公表された研究によると、アマゾンの先住民保護区の熱帯雨林は、年間数千トンの大気汚染物質を吸収していることが、治療費の削減につながっていることが明らかになりました。この研究によれば、年間約20億ドル相当の呼吸器系・循環器系疾患の治療費が削減されています。
「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロンメント」という学術誌に掲載された10年にわたる研究によると、アマゾン熱帯雨林の森林火災が人間の健康に与える影響を分析し、森林火災で大気中に放出される大量の粒子は何百キロも移動し、遠方の都市の大気にも損害を与えます。アマゾン先住民は森林火災から自分たちの土地を守ることにより、汚染物質を吸収する樹木を保存することで、致命的な疾患の予防に貢献しているとされています。
ポーラ・プリスト氏は、米非営利研究機関エコヘルス・アライアンスの論文の筆頭著者であり、「森林は樹木の葉の気孔を通じて火災由来の汚染物質を吸収することで知られているが、熱帯林の吸収力を推定したのは今回が初めてだ」と述べています。
アマゾンの熱帯雨林全体では、年間2万6000トンの粒子を吸収する能力があり、うち27%を先住民の住む地域が担っています。先住民が管理している森林が毎年1500万例の疾病を予防して、さらに少なくとも約20億ドルの医療費を削減していることになります。
この研究結果は、アマゾンの先住民が自分たちの土地を守ることで、世界的な環境問題や健康問題を解決することにどれだけ重要な役割を果たしているかを示しています。そのため、彼らの存在を尊重し、彼らが暮らす土地を保護することが不可欠です。
先住民の指導者らはこの研究結果を受け、先住民の住む地域の保護を訴える新たな取り組みにつながることを期待しています。一方、国際社会においても、アマゾン熱帯雨林の保護に向けた取り組みが進められるべきです。また、大気汚染物質の排出削減による熱帯雨林の保護を目指すことも重要です。
今回の研究結果からはアマゾンの先住民の貴重な貢献を再認識することができます。彼らの生活様式や文化を尊重し、土地や自然環境を守ることは、人類共通の課題であり、私たちの責任でもあると言えるでしょう。
https://mirasus.jp/news/9442

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