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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

Motorola、Android 11でブラジルの先住民族言語サポートを追加

2021-03-29 | 先住民族関連
srad.jp 2021年03月28日 9時36分
headless 曰く、
Motorolaは25日、消滅が危惧されるブラジルの先住民族言語、カインガング語(kgp-BR)とニェエンガトゥ語(yrl-BR)の2言語を同社のAndroid 11対応デバイスでサポートすると発表した(Motorolaのブログ記事、 The Vergeの記事)。
Motorolaの最大のユーザーベースはラテンアメリカにあるが、この地域の先住民族言語がAndroidでサポートされていないことに気付いたそうだ。現在のブラジルにポルトガルが到達した当時の同地域では1,215の言語が話されていたが、500年後の現在は200言語程度まで減少しており、1世紀以内にすべて消滅する可能性もあるという。
言語が消滅すれば文化遺産も失われるため、Motorolaではソフトウェア上の体験を通じて危機に瀕する言語を保存、さらには再活性化もできるのではないかと研究開発を開始したそうだ。その結果、ブラジル・カンピーナス州立大学(Unicamp)教授のWilmar D'Angelis氏が率いる先住民族言語学者などのチームの協力のもとに、同社のデバイスへのカインガング語とニェエンガトゥ語の追加が実現した。
Motorolaではこれら2言語をアマゾン地域の言語としているが、アマゾン地域といえるのはブラジル北部やベネズエラで話されているニェエンガトゥ語のみのようだ。カインガング語はブラジル南部で話されている言語で、UNESCOのAtlas of the World's Languages in Dangerによれば、かつてアルゼンチンでも話されていたとの報告もあるが現在は消滅しているという。UNESCOによる5段階の消滅危機評価(脆弱・確実な消滅危機・深刻な消滅危機・消滅)では、カインガング語が第2段階、ニェエンガトゥ語は第3段階と評価されている。
Motorolaは今回のイノベーションを他のOEMとも共有してプロジェクトの影響力を広げ、将来的にさらなる先住民族言語をAndroidに追加する道を開きたいと考えているそうだ。そのため、2言語をAOSPやGboardに追加すべくGoogleと共同作業を進めており、Unicode Consortiumとは彼らの協力により収集したすべての言語データをオープンソース化するための共同作業を開始する計画とのことだ。
https://srad.jp/submission/92559/

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丸木舟2隻を原形のまま発見 苫小牧の海岸 アイヌ民族が交易に使用?

2021-03-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/27 05:00

 【苫小牧】苫小牧市勇払地区の海岸で1月から2月にかけ、アイヌ民族がかつて交易などに使っていた丸木舟に似た形状の舟2隻が、見つかっていたことが分かった。いずれも一部に破損があるが、ほぼ原形をとどめているという。市美術博物館によると、丸木舟による交易は1600年代から明治期まで行われており、「丸木舟が形状を維持した状態で発見されるのは珍しい」と説明。同館は今後、建造方法や年代などの詳しい調査を進めていく。
 丸木舟は1月末、同市勇払の弁天海岸で、散歩中の市民が1隻が浜辺に打ち上がっているのを発見。情報提供を受けた同館職員らが2月上旬に海岸を訪れ、約1・3キロ離れた場所でさらに別の1隻を確認した。
 最初に発見された丸木舟は、長さ6・1メートル、幅64センチ、高さ22センチで、別の1隻は、長さ約4・1メートル、幅45センチ、高さ10センチ。いずれも舷側に波よけの板を取り付けるための穴が開いており、アイヌ民族が外洋の航海に使った「板綴舟(いたつづりぶね)(イタオマチプ)」とみられる。1隻目は大きな破損はなく、2隻目は右舷側(げんそく)やへさきに破損が見られるが、形状は保っているという。
 苫小牧市内では1966年にも勇払川河岸で5隻が発掘され、道の有形文化財に指定されている。今後は、市美術博物館がアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)の国立アイヌ民族博物館と協力し、詳しい調査を進める。市美術博物館の武田正哉館長は「苫小牧がアイヌ民族の交通の要衝であったことを裏付ける貴重な史料になる」と話している。(木村みなみ)
※「イタオマチプ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/526401

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アイヌの丸木舟、55年ぶり発見 弁天の海岸に2隻、貴重な文化財

2021-03-28 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2021.03.27
 苫小牧市教育委員会(市教委)は26日、アイヌが航海や漁業に用いたイタオマチプ(板つづり舟)とみられる2隻が、市内弁天の海岸で見つかったと発表した。板つづり舟は波除けの板を縄でとじて取り付けた丸木舟。1965年に旧勇払川古川の河畔(市内沼ノ端)で見つかり、66年7月に発掘された道指定有形文化財「アイヌ丸木舟および推進具」以来、55年ぶりの発見となった。
 市役所第2庁舎内で開かれた第3回定例市教委会議で、市美術博物館の武田正哉館長が発表した。
 同館によると、舟は今年1月27日、流木を拾いに来た地域住民の男性が発見。連絡を受けた同館職員が2月7日、土の上に置かれているような状態を確認した。この時、現地にいた市民から東に1・3キロ地点にも舟があるとの情報を受け、2隻目も確認した。
 最初に発見されたのは全長610センチ、幅64センチ、高さ22センチ。船べりの一部が損壊している以外は完全な状態で「船尾の両舷に穴が開けられている特徴からアイヌの板つづり舟と推測できる」(武田館長)とした。
 2隻目は全長413センチ、幅45センチ、高さ10センチ。破損が進み、右舷側と船首が欠けているが、1隻目と同じ特徴が見られる。
 年代は不明。1隻目から採取した木片の年代測定を実施しており、正確に把握するには少なくとも2カ月かかる。2月11日、確認のため現地に来た国立アイヌ民族博物館の佐々木史郎館長らに簡易的な保護と年代測定を依頼したという。推進具(かい)は見つかっていない。現在は2隻とも勇武津資料館敷地内に一時保管されている。
 市教委は、29日の文化財保護審議会と6月の市議会文教経済委員会でも報告を予定している。
 元市博物館の館長で、66年の丸木舟発掘に直接関わったこともある佐藤一夫さん(80)=山手町=も今回の舟を板つづり舟と推定。「ほぼ完全な状態で見つかっており、半世紀前の丸木舟と同様の貴重な発見だ」と強調した上で、「文化財として申し分なく、市を挙げて大切に保存すべき」と話した。
 苫小牧アイヌ協会の作田悟会長(73)は「丸木舟の姿を思うとき、先人の知恵と生きる強さ、苦労に頭が下がる。どうか大切に保存してほしい」とコメントを寄せた。

今回の2隻と1965年に見つかった丸木舟の位置関係図
http://www.hokkaido-nl.jp/article/21212

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TVの人権意識、大丈夫? 女性蔑視CM/アイヌ差別表現 識者に聞く

2021-03-28 | アイヌ民族関連
東京新聞 2021年3月27日 07時25分
 今月、テレビ局の人権意識が問われる事態が相次いで起きた。日本テレビでは情報番組でアイヌ民族の人たちを傷つける言い回しがあり、大きな問題となった。テレビ朝日でも看板番組の「報道ステーション」のウェブCMが「女性蔑視」などの批判を受け、CMを取り下げた。いずれも生放送中の「事故」ではなく防げたはずだが、局側の「無知」や「想像力の欠如」により起きてしまった。波紋が広がるメディアの問題。識者や番組制作者はどう見るのか。 (聞き手・鈴木学)
◆継承せずメディア全体の問題
元札幌テレビ、日本テレビディレクター 水島宏明・上智大教授(テレビ報道論)
 アイヌ民族を巡ってタレントが発した今回の言葉の問題は、アイヌ初の国会議員となった萱野(かやの)茂さん(元参院議員、一九二六〜二〇〇六年)を知る人にとっては、当然の認識(萱野さんは「アイヌ文化振興法」の制定に尽力するなど、アイヌ文化の継承に努めた)。あれを放送するなどあり得ない。ただ、こういう問題が起きるたびに「テレビの人権意識はどうなっているんだ」となるが、テレビ局の人権意識が低下しているかといえば、そうではないと思う。
 あの発言が問題だとどれだけの日本人が知っているかといえば、知らない人の方が多いのではないか。新聞記者にも知らない人はいるだろう。社内での教育の問題になるのだと思う。
 そもそもアイヌ民族の問題自体があまり報じられない。差別問題があることをきちんと報道しなければいけないのに、報道されないことで差別そのものがないものだと、何となく思ってしまっていることが問題なのではないか。
 報道で扱わず、世代間で継承もされていない。その状況でこういう事態を時々生み出してしまっていることは新聞もテレビも含め、メディア全体の問題でもあると感じている。 (談)
<日テレ番組のアイヌ民族差別表現> 問題となったのは12日放送の情報番組「スッキリ」での動画配信サービスの作品紹介コーナー。アイヌ女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介後、お笑いタレントの脳みそ夫が「この作品とかけまして動物を見つけたととく。その心は、あ、犬」と発言した。この部分は事前の収録だった。
 日テレは同日午後「この表現が差別に当たるという認識が担当者に不十分だった。アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現」、脳みそ夫も後日「勉強不足」と謝罪した。政府は同局に抗議し、小杉善信社長は22日の定例会見で陳謝の上、全社的な勉強会などの再発防止策を示した。
◆教育できず現場が劣化 
番組制作会社「テレビマンユニオン」・津田環(つだ・たまき)プロデューサー
 「報ステ」のウェブCMは、初見では何が言いたいのか分からなかった。例えば、「ジェンダー平等は時代遅れ」のくだり。差別がなくなった印象だけど、「逆張り」にしてもこの国の状況で?という感じ。理解が足りないのは、アイヌ民族の問題と同じだ。そのすぐ後の化粧水の話も脈絡がなく、「女は話が飛ぶもの」とでも言いたかったのか。
 意図も分からず、風刺とも違う。「女性はこんな感じでしょう」と見下した感じが根本的にまずい。報ステのCMともなれば上層部も知っていたはずだが、よく通ったと思う。
 来週からテレビ東京の経済ニュース番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」が報ステとほぼ同じ時間帯(月−木曜午後十時、金曜は同十一時)になる。意見を言える大江麻理子キャスターは、女性からの支持も割と高い。それに対し、(報ステが)女性に見てほしいという意図があっても、このCMで女性の気持ちに寄せたと思ったのなら、その感覚はおかしい。
 局やスタッフの問題意識などの低下はあると思う。人員が少なく教育の時間もない。構造的な問題で、特に現場の劣化は激しい印象。今後も起こり得るのではないか。 (談)
<「報道ステーション」ウェブCM> 帰宅した若い女性が「会社の先輩、産休明けて赤ちゃん連れてきてたんだけど、すっごいかわいくって。どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」と誰かに話しかけるようなタッチ。続けて、いい化粧水を買った話から「消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね?」と語ると、「こいつ報ステみてるな」の文字が出てくる。
 配信されると「若者や女性を無知枠に当てはめている」など批判が噴出。テレ朝は24日、きちんと意図を伝えられなかったなどとして、謝罪のコメントとともにCMを取り下げた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/94098

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映画『狼をさがして』:韓国のドキュメンタリー監督が描く、東アジア反日武装戦線の爆弾闘争とその後

2021-03-28 | アイヌ民族関連
ニッポンドットコム 3/27(土) 10:40
1974年、400人近い死傷者を出した三菱重工爆破事件の犯行グループ「東アジア反日武装戦線“狼”」。その周辺を追った韓国発のドキュメンタリー映画『狼をさがして』が日本にやってきた。この作品を通じて、現代社会に何を語りかけようとしたのか、キム・ミレ監督に聞いた。
連続企業爆破事件の犯行グループ
東アジア反日武装戦線は、1970年代前半、「日本帝国主義」の打倒を掲げ、無差別爆弾テロを行った日本の武装集団である。組織というよりは、“狼”、“大地の牙”、“さそり”といった名前を持つ小グループが、共通の「反日思想」で結びついていた形態のようだ。その思想は、爆弾の製造法や非合法活動の心得などとともに『腹腹時計』(「都市ゲリラ兵士読本VOL.1」)なる小冊子にまとめられ、74年3月に地下出版された。
これを執筆したのが、“狼”のメンバーで三菱重工爆破事件の主犯格として逮捕され、死刑判決を受けた大道寺将司である。48年、北海道・釧路に生まれた大道寺は、アイヌ居住区の近くで育ち、差別を目の当たりにしたことで早くから政治意識に目覚め、高校生で数々のデモに参加した。その後、法政大学に入学して学生運動に本格的に取り組みながら、思想を急進化させていった。
出発点には、強烈な自己否定がある。自身を「アイヌモシリ(アイヌ語で人間の大地)を侵略した植民者の末裔」と認め、その贖罪意識から「日本帝国主義の本国人」に対する武装闘争の意義を確信していく。具体的なターゲットは、敗戦後に急速な復興を成し遂げた日本経済の中枢。朝鮮戦争、ベトナム戦争を機にアジア進出を拡大していた旧財閥系企業や大手ゼネコンだ。
大道寺らのグループ“狼”は74年8月30日、三菱重工業東京本社ビルに時限爆弾を仕掛け、爆発により8人が死亡、376人が重軽傷を負う大惨事を引き起こした。東アジア反日武装戦線の各部隊はその後も、主要メンバー7人が一斉逮捕される翌年5月まで、およそ8カ月間に9件の爆弾テロを実行した。
それから半世紀近くが経ったとはいえ、企業の連続爆破という重大性や、いまなおメンバー3人が手配中(うち2人は人質事件を起こした日本赤軍の要求で、超法規的措置により釈放され、国外に逃亡)であることを考えれば、もっと語り継がれてもいいはずだが、ともすると昔の出来事として忘れられている感も否めない。
ドヤ街での発見
そんな中、これに注目したのが韓国人のドキュメンタリー映像作家、キム・ミレだ。韓国の観客に届けることを想定して、東アジア反日武装戦線の思想が生まれた背景とその後を追いかけた。日本の観客にとっては、やや特異ともいえる視点から出来事を見直す機会になる。
「韓国には、大企業が東南アジアに進出して、現地の労働力を搾取しているという深刻な問題があります。国内でも食堂や農家などで外国人を安い労働力として使っていて、彼らがいなければ経済が回らないほどです。時代が変わっても、東アジア反日武装戦線が過去に投げかけた問題提起と共通するものがあるのではないかと思い、韓国社会に向けて、これを伝えたいと思いました」
とはいえ、監督が東アジア反日武装戦線について知ったのは、2000年代前半、大阪の釜ヶ崎を訪れ、日本における日雇労働者の実態を取材したときだった。
「最初は、労働運動のドキュメンタリーを撮ろうと思っていました。父の仕事に関心を持ったのがきっかけです。私の父は、建設作業員でした。韓国の建設現場は、日本の植民地時代から2000年に至るまで正規職がなく、誰もが日雇労働者だったのです。過去の労働運動について取材をしていくと、50~60年代に盛んだった運動が70年代に入って下降気味になった一方で、社会の変革を求めて武装闘争に身を投じる人もいたと聞きました」
釜ヶ崎には、使い捨てにされ、死んでいった仲間たちの無念を胸に刻み、資本家や警察に敵対する活動家たちがいた。キム監督が東アジア反日武装戦線の名前を耳にしたのは彼らを通じてだった。
爆弾魔を生んだ時代と土地
主要メンバーの大道寺将司も、釜ヶ崎で1年間暮らしたことがあるのを知った。彼は高校卒業後、大阪に出て大学受験に失敗すると、翌年に上京するまで、この労働者の街に居ついたのだった。
「彼が20歳になった60年代末、世界的に若者たちの間で社会運動の機運が高まっていました。それに加えて、彼には北海道に生まれ育ったというきっかけもあった。釜ヶ崎で過ごす間、どうしたら社会の変革が可能かという問いを突き詰めていったのでしょう。人が若い時にどういう時代を生きたかということは、その後の人生への影響を考える上で非常に重要です」
キム監督も釜ヶ崎を何度も訪れ、合計すると3、4カ月ほど過ごしたという。日本社会を労働者の視点で眺めるとともに、大道寺が生きた時間をさかのぼるように、生まれ故郷の釧路を訪ねてもみた。
「彼がなぜ自分を侵略者の末裔だと考えるに至ったか、それを知りたくて北海道に行きました。アイヌモシリの痕跡は北海道の至るところにありました。地名も、生活様式も残っています。彼らの土地が奪われただけでなく、いまでも差別されて、貧しい生活を送っている人々がいる。これは現代につながる問題でもあります。もし自分が北海道に生まれていたら、大道寺さんと同じような考えを持ったかもしれない。いろいろと理解できた部分があって、それがまさにこの映画作りの原動力となりました」
狼のその後
大道寺将司は本作撮影中の2017年、多発性骨髄腫により収監中の東京拘置所で亡くなった。キム監督が直接会うことは叶わなかったが、拘置所の待合室まで面会者についていき、そこから彼の胸中に思いをはせたこともある。
「獄中で何を思って日々過ごしていたのだろうかと。重い病に冒されながら俳句を詠んでいた彼の心情を、彼の立場になって考え、探っていきました。彼は爆破によって犠牲者を出した過去を何度も思い返し、反省しています。直接の対面はできませんでしたが、そういう人間的な大道寺将司に出会うことができたという実感はあります」
本人に会えなかった代わりに、彼を知る多くの支援者たちと接し、話を聞いている。彼の友人たちは、ほう助罪で投獄されたり、公安から執拗にマークされたりしながらも、支援活動を通じて真の仲間たちに出会い、心の通った付き合いを得たことに幸せを感じていると口をそろえる。
「私は彼らが40年以上にわたってずっと支援を続けていることに驚きました。受刑者の苦しみに寄り添うのを当然のことと考えている。尊敬に値する人々だと思います。韓国のように大勢集まって大規模に行う運動と違い、こうした支援活動のように長い地道な運動もあるのだなと、新たな視点を与えられました。支援者の大半は、爆弾テロという手段は間違っていたと考えていますが、問題を提起したことには共感しています。それによって提起されたのは自分たちの問題だととらえ、その思いを支援という形で実行し、それが人生の一部になっている。そこに感銘を受けます」
韓国人が活動家に抱く共感
大道寺は獄死したが、“大地の牙”のメンバーだった浴田(えきた)由紀子はその2カ月前、20年の刑期を終えて釈放された。支援者たちと再会を喜ぶ姿が、本作に収められている。“大地の牙”が実行した爆破事件で死者は出ていない。浴田は1975年の逮捕後、77年の日航機ハイジャック事件で、日本赤軍の釈放要求を受け、大道寺の妻・あや子とともに超法規的措置で国外に逃亡した。その後95年にルーマニアで再び身柄を拘束され、日本で収監されていた。
「浴田さんとは釈放前から手紙のやりとりをしていました。彼女は韓国に大きな関心を持っていて、70年代初めに旅行したこともあります。民主化運動に連帯する意識があったそうです。それを聞いて親しみを抱いていました。釈放されて実際に会ってみると、思っていた以上に活動家らしい印象でした。彼女は日本以外にパレスチナなどでも活動してきた経験があるので、その言葉はとても重要だと考えます」
80年代に学生だったキム監督も、軍事独裁政権に終止符を打って民主化を実現した1987年の市民運動に参加しただけに、運動によって社会を変えられると信じる浴田への共感はとりわけ強い。キム監督は、浴田が2002年の裁判で被告人として読み上げた最終意見陳述を、反日武装闘争の「総括」として重く受け止め、本人が朗読した一節を映画の中に再録している。
「東アジア武装戦線の戦いに最も欠けていたのは、いま現在から革命後の社会を、物的に、人的に、思想的に、あらゆる領域から作っていく創造の戦いとして考え、実践することだった(…)。敵を打倒し、破壊することよりも、味方を増やし、味方の力を育て、作り出す戦い方をしたい。それは『もう誰も死なさない革命』でもあるはずです」(浴田由紀子)
=文中敬称略=
取材・文=松本 卓也(ニッポンドットコム)
【作品情報】
(c)Gaam Pictures
監督・プロデューサー:キム・ミレ
出演:太田 昌国、大道寺 ちはる、池田 浩士、荒井 まり子、荒井 智子、浴田 由紀子、内田 雅敏、宇賀神 寿一、友野 重雄、実方 藤男、中野 英幸、藤田 卓也、平野 良子ほか
企画:藤井 たけし、キム・ミレ 
撮影:パク・ホンヨル 
編集:イ・ウンス 
音楽:パク・ヒョンユ
配給・宣伝:太秦
製作年:2020年/製作国:韓国/上映時間:74分
3月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
【Profile】
キム・ミレ KIM Mi-re
1964年、韓国生まれ。韓国外国語大学ドイツ語専攻を卒業後、韓国独立協会の運営委員を務める。2000年頃から韓国と日本の労働運動や人権問題に焦点を当てたドキュメンタリー制作を始める。初の長編作品We are Workers or Not (03)はフリブール国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞。その後、日本の日雇労働者を描いた『土方』(05)でソウル人権映画祭人権映画賞を受賞。2007年に韓国で起きた女性労働者の占拠運動を描いた『外泊』(09)は山形国際ドキュメンタリー映画祭のアジア千波万波部門特別招待作品に選出された。SANDA: Surviving (14)では韓国のDMZ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀韓国ドキュメンタリー賞を受賞している。
【Profile】
松本 卓也(ニッポンドットコム)MATSUMOTO Takuya
ニッポンドットコム編集部スタッフライター/エディター。映画とフランス語を担当。1995年から2010年までフランスで過ごす。翻訳会社勤務を経て、在仏日本人向けフリーペーパー「フランス雑波(ざっぱ)」の副編集長、次いで「ボンズ~ル」の編集長を務める。2011年7月より現職。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2de1290795eabece913c6c3f192a01377584aee

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『報ステ』女性蔑視に『スッキリ!』差別発言、傲慢なテレビ局プロデューサーと世間のズレ

2021-03-27 | アイヌ民族関連
週刊女性 3/26(金) 16:01
 テレビ局のプロデューサーは、どうしてこうも劣化してしまっているのか。
 日本テレビ系情報番組『スッキリ!』のアイヌ民族侮辱のケース、テレビ朝日系『報道ステーション』ウェブCMの女性蔑視ケースが相次いだ。
【写真】出演女優を「こいつ」呼ばわりで同情も、炎上したCMの一部
 両方とも防げる案件だった。そう指摘するのは、スポーツ紙放送担当記者だ。
「日テレは、プロデューサーがネタを見て、これは考査に確認しようと周囲に漏らしていたそうです。考査というのは、放送に適しているかどうか、放送前・放送後に判断する部署です。確認の必要性を感じていながら、それをしなかった。プロデューサーの失態は大きいですよ。すでにもう、番組から外されていますけどね」
 あまりにもお粗末なプロデューサー……。一方、テレビ朝日ケースについても、こう伝える。
「CMですから、絵コンテのコピーチェックは、幾重にも確認できる機会はあり、それらをすべてプロデューサーは目を通していたそうです。もちろん完成品も。にもかかわらず流れたということは、表現の中に潜んでいた女性蔑視の視点、ジェンダー問題への観点がまったくなかったということです」
局員>系列制作会社>非系列制作会社
 テレビ番組のプロデューサーという存在について、
「番組によっては100人単位のスタッフを動かし、1日に数千万円単位の予算を使う権限があるため、中小企業の社長ぐらいえらいと思い込んでいる人が大勢いますよ」
 そう指摘するのは民放報道局の常駐スタッフだ。
「番組の全体反省会には局員も制作会社の派遣スタッフもみんな出ているのに、平気で『幹部のみなさんはよろしくお願いします』と言って、局員を幹部扱いします。制作会社の人間はみんな嫌そうな顔をしていますけどね。
 世間ではコロナ禍の失業者問題が騒がれていますが、テレビ局内では、改変期になると多くのスタッフがクビになっているんです。いわゆる“解雇”ですよ。人の生活を簡単に奪うことも、プロデューサーは平気でする。自分には権限があると思い込んでいる。現場スタッフがいないと成り立たない、と口では言っていながら、現場スタッフに対するリスペクトを感じたことはありませんね。
 そんな感覚のプロデューサーが、世間の空気を理解したり寄り添うことができると思いますか?」
 もちろん優秀なプロデューサーもいて、スタッフや番組のことを第一に考え仕事に励んでいる人もいる。しかし、今回の問題に関しては「日テレに関してもテレビ朝日に関しても起こるべくして起きたことだと思いますよ」と、前出の民放報道局の常駐スタッフは鼻息を荒げる。
 テレビ番組の制作には、局員、系列制作会社、非系列制作会社のスタッフなどが複雑に関わり、同一労働でありながらギャラはまるで違うという大きな格差を作り出している。
「えらそうなことを報道しているテレビ局が内部に作り出しているのが、格差構造なのです。そのことに疑問を持つことがない局員プロデューサーはますます図に乗り、立場の弱いスタッフたちが取り囲む。物申してクビになるかもしれないと考えれば、意見するより沈黙を選びますよ」(前出・民放報道局常駐スタッフ)
 高学歴で高年収で社会的地位も高いという高スペックの局員プロデューサーは、自分はできる、自分はエリートだと考える。自分の能力を疑わず、ほかの人の視点を持たない番組幹部が作るテレビ番組や自社CMは、社会通念とズレたテレビ局の体質を映し続ける。
〈取材・文/薮入うらら〉
https://news.yahoo.co.jp/articles/a2584e2295f958b1aff7a1873e32b3285a16e4cd

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知られざる、ブータンの“秘境”の物語『ブータン 山の教室』4月3日公開

2021-03-27 | アイヌ民族関連
otocoto 2021/03/26 10:00
都会から赴任した若き教師と
村の人たちや子どもたちの心の交流を描く
標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。
ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。
そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。
写真家としても活躍するブータンの新鋭パオ・チョニン・ドルジ監督は長編デビュー作となる本作で「ブータンの独自性を記憶に焼き付けたい」と人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。

(c)2019 ALL RIGHTS RESERVED
「初めての授業なので自己紹介します」と話し始めたウゲンは、名前を書こうと学級委員であるペム・ザムに「黒板は?」と聞くが「コクバン?」と黒板を知らない様子。
諦めて子どもたちに自己紹介を促し、「歌手になりたいです」と答えたペム・ザムに「歌を聴かせてくれる?」と言うと「♪あなたを見ると胸がドキドキ。いなくなると心がザワザワ。そこの彼、こっちにおいでよ。私とつきあっちゃえば?」と大人びた歌詞の歌をニコニコしながら歌うペム・ザム。そしてウゲンが次の指名したサンゲは「将来は先生になりたいです」という。
「先生?どうして?」とウゲンが聞くと「先生は未来に触れることができるからです」とまっすぐに自分を見つめて答える。
そんなサンゲをみて複雑な表情を一瞬うかべるウゲン。
実は教師を辞めて、オーストラリアに行き歌手になることを密かに夢見ていた彼と、その先生を夢見る子や嬉々として授業を受ける子どもたちとの出会いが、このあとウゲンの心をどう変えていくのか印象に残る場面だ。
本作は実際にルナナ村にある学校で撮影し、生徒役の子どもたちはみな村に住む子どもたちが演じている。
特に劇中、学級委員として登場するペム・ザムは、監督が「ペム・ザムが出ているシーンすべてが一番印象的だった」と振り返り「彼女はどれほどの美しさ、無邪気さをこの映画にもたらしてくれたか」と絶賛。
今回解禁する本編映像の最後にはペム・ザムとパオ・チョニン・ドルジ監督が初めて会った日に、実際にペム・ザムが監督に聞かせてくれたという歌を歌うメイキング映像もあわせて公開している。
各界著名人から絶賛の声が到着!
本作を公開に先駆けて鑑賞した加藤登紀子さん、紺野美沙子さん、鶴田真由さん、八神純子さん、ピーター・バラカンさん、作家の渡辺一枝さん、樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIさん、太宰府市立太宰府小学校校長の浦田貴子さんから絶賛の声が到着!
歌手の加藤登紀子さんは「村の暮らしが美しい!首都ティンプーから山のルナナへの旅も、最高!ブータンが好きでコンサートをした私、すっかりルナナのファンになってしまいました」と絶賛。紺野美沙子さんも「現代ブータンの発展にまずはびっくり。その対極にあるルナナの人々の純粋さと強さに心打たれ、何気ない場面に幾度も涙があふれました」と感動の言葉を寄せる。また『チベットを馬で行く』などの著作で知られる作家の渡辺一枝さんは「ヒマラヤの清涼な空気の中に、歌声が流れる。村人の暮らしにとって宝物のような動物、ヤクを称える歌だ。子どもたちの好奇心に満ちた輝く瞳と、山の神々や大自然に捧げられるこの歌声が、気付かせてくれる。大切なことは遠くにあるのでは無いことに、近代的で便利な日々にあるのでは無いことに。」とコメント。
グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、秘境の地で伝統を守りながら生きるルナナの人々が私たちに教えてくれること、その答えをぜひスクリーンで。
各界の著名人より絶賛の声続々!(敬称略・順不同)
渡辺一枝(作家)
ヒマラヤの清涼な空気の中に、歌声が流れる。村人の暮らしにとって宝物のような動物、ヤクを称える歌だ。子どもたちの好奇心に満ちた輝く瞳と、山の神々や大自然に捧げられるこの歌声が、気付かせてくれる。大切なことは遠くにあるのでは無いことに、近代的で便利な日々にあるのでは無いことに。
加藤登紀子(歌手)
村の暮らしが美しい!首都ティンプーから山のルナナへの旅も、最高!
ブータンが好きでコンサートをした私、すっかりルナナのファンになってしまいました。
紺野美沙子(俳優・朗読座主宰)
現代ブータンの発展にまずはびっくり。その対極にあるルナナの人々の純粋さと強さに心打たれ、何気ない場面に幾度も涙があふれました。人を大切に思うこと、思われることが一番の幸せだと心から思える作品です。子どもたちと今風の先生の成長をずっと見つめていたい。  
八神純子(歌手)
人が真の生きがいを見つけるためには、人のためになること、そしてその背景にはいつも音楽があること。『ブータン 山の教室』は、忘れてはならない大切なことを、あらためて感じさせてくれるパワフルな作品です。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
秘境というとロマンティックな響きですが、電気も水道もない標高4,800メートルの集落で暮らすとなると厳しいものがあるはず。でも、自然環境の美しさに息を飲むものがあります。劇映画ではあるものの、多くの登場人物はありのまま、中でも9歳の女の子ペム・ザムには完璧に心を奪われてしまいます。
鶴田真由(女優)
この映画を見ながら、かつてパキスタンの山間の村を訪れた時のことを思い出した。もう二度と会えないと思って別れた少年と20年ぶりにFacebookで繋がってテレビ電話でその家族と話をした。時は流れている。
でも、大切なことは変わらない。そういうことを気づかせてくれる旅だった。
この映画を見ながら、ずっとその時のことを思い出していた。
OKI(樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者)
歌とはどこで、誰のために、何をテーマに歌うのか?を教えてくれる映画です。「ルナナ ヤクのいる教室」という原題も素敵です。 主題曲はもちろん、国を代表する音楽家ジグメ ドゥㇰパさんの歌と弦楽器ダムニェンの演奏も素晴らしい。 鑑賞後ブータンとの距離が縮まり、訪れてみたい国がまた一つ増えました。
浦田貴子(太宰府市立太宰府小学校 校長)
「教師は未来に触れることができる人」という言葉が教職に身を置く私の心を揺さぶりました。情報と物質に満ち溢れる現在の日本だからこそ,学校でしか教えられない「未来」を子供達に与えていきたいと心に誓いました。  
4月3日(土)より 岩波ホール他にて全国順次公開!
映画『ブータン 山の教室』
【作品情報】
監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ
出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム 他
【2019年/ブータン/ゾンカ語、英語/110分/シネスコ 英題:Lunana A Yak in the Classroom 日本語字幕:横井和子 字幕監修:西田文信】
後援:在東京ブータン王国名誉総領事館
協力:日本ブータン友好協会  
配給:ドマ
(c)2019 ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:bhutanclassroom.com
4月3日(土)より 岩波ホール他にて全国順次公開!
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート!イー・ヤンチェンシー主演『少年の君』7月16日公開!
https://news.goo.ne.jp/article/otocoto/entertainment/otocoto-otocoto_45609.html

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ミケル・バルセロ展 国立国際美術館 | 大阪府

2021-03-27 | 先住民族関連
インターネットミウジアム 2021年3月26日
スペイン現代美術界の巨匠ミケル・バルセロ(1957-)の日本初となる大規模個展が大阪中之島・国立国際美術館で始まりました。本展は初期の作品から現在に至るまでの93点で構成され、彼の仕事の全貌が紹介されています。

右/《海のスープ》1984 左/《細長い図書館》1984.02-1985.03
バルセロの大きな特徴の1つは、絵画、彫刻や陶芸など美術におけるジャンルを横断しながら、様々な制作手法で独自の世界を生みだしていることです。
会場すぐに《マッチ棒》《カピロテを被る雄山羊》のブロンズ彫刻、画面から棒が突き出た絵画《海のスープ》、陶芸《トーテム》などが紹介されており、そのことがすぐに実感できます。
《恐れと震え》では大蛸が画面いっぱいに描かれています。下地に皺が寄せられていて蛸の足がくねくねと動いているかのよう。《ルーブル》は、まるで砂絵を見ているような面白味がありますし、陶芸作品《カサゴの群れ》では壺の側面に入れた切り口を魚の口に見立て絵付けされています。どれも見るほどに発見があり、尽きることがありません。
会場を巡るうちに、同館で2008年に開催された「エミリー・ウングワレー展」でのオーストラリア先住民族アポリジニ出身のエミリーが描いた抽象画を思い出していました。見上げる大画面から発せられる瑞々しいエネルギーに思わず深呼吸したことも覚えています。
今、バルセロの作品を前に似たような気持ちになっていきます。いえ、もっと泥臭く、強いものかもしれません。大胆な筆跡、触って確かめたくなるようなテクスチャー仕上げの大型絵画。土に身をゆだねて焼き上げたような陶芸作品。
バルセロから湧き出るイマジネーションに巻き込まれていきます。足元から熱を感じると同時に、静寂で広い神秘的空間へと導かれていくようです。
今回、3本の映像も紹介されていて、中でも2015年スイスで上演されたバルセロと振付家ジョゼフ・ナジのパフォーマンス《パソ・ドブレ》は強烈な印象を残してくれました。
彼らが背丈以上の高い土壁に向かい、手で穴を開けたり、力任せにたたいたり身体を動かし続けます。6分程度という短さですが、バルセロ作品の根底にあるものが見える気がします。周りの材料となりうるもの全てが導くままに、手を、体を動かすことが、彼の世界観を築く土台であるのではないでしょうか。
本展はこの後、長崎県美術館、三重県立美術館そして東京オペラシティアートギャラリーに巡回します。ぜひ実際に作品を堪能し、バルセロの世界を味わってください。
[ 取材・撮影・文:カワタユカリ / 2021年3月29日 ]
https://www.museum.or.jp/report/102021


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アイヌ木彫「神の木」壮観 阿寒湖温泉で技術伝承へ3本完成

2021-03-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/25 05:00

アイヌ民族のカムイ(神)をモチーフにしたカムイニの仕上げ作業を行う木彫師ら=24日(小松巧撮影) 【阿寒湖温泉】釧路市阿寒町阿寒湖温泉地区の木彫師8人が24日、魔よけやお守りとなるアイヌ文様を施した柱状の木造彫刻「カムイニ(神の木)」を3本完成させた。アイヌ民族がカムイ(神)としてあがめるタンチョウやヒグマもあしらっている。釧路市がアイヌ民族の工芸技術を継承するため、阿寒アイヌ工芸協同組合に制作を委託した。地区内に設置する。
 カムイニは高さ約11メートル、直径約50センチで、カナダ産のダグラスファー(米マツ)の丸太を使った。これまで10本以上制作した阿寒湖アイヌコタン在住の美術家沢井和彦さん(56)の指導の下、昨年末に制作が始まり、木彫師がチェーンソーやノミで彫り進めた。
 阿寒湖温泉地区でカムイニが制作されるようになったのは、同地区のアイヌ民族が1980~90年代、訪問先のカナダで先住民族が立てていたトーテムポールを目にし、似たような柱状の大型木彫を作るようになったのが始まりという。
 国のアイヌ政策推進交付金を活用し、2022度までにさらに6、7本制作する。設置場所は関係機関が協議して決める。木彫師渡辺澄夫さん(58)は「アイヌ文化とアイヌ民族の技術を広く知ってもらいたい。阿寒湖の新たなシンボルになってほしい」と期待している。(熊谷知喜)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/525378


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日テレ「スッキリ」のアイヌ差別問題、背景には「番組の構造的な歪み」があるかもしれない

2021-03-26 | アイヌ民族関連
現代ビジネス 03/25
通常なら起こりえないミス
日本テレビ系の情報番組「スッキリ」で、アイヌ民族に対する差別と受け取られる表現が放送された問題で、同局の大久保好男会長は3月18日の定例会見で謝罪した。この3日前、加藤勝信官房長官が記者会見で、「アイヌの人々を傷つける極めて不適切なもの」と担当部署を通じて抗議しており、局としても重大な問題として受け止めた形だ。
この件について20年以上のキャリアがある情報番組プロデューサーに話を聞いてみると、「通常なら絶対に起こりえないミス」とした。
「なぜかと言えば、民族やなど差別問題は、放送禁止用語も含めて番組制作の注意すべき点として、どこの局でも定期的に勉強会で常々確認されていることだからです。そうした勉強会では、差別問題のほかにも取材時に双方の意見を聞く公平性とかスポンサー企業への配慮などが話題になりますが、差別問題はまさにイロハのイ、テレビの仕事をしていれば忘れることはない注意点なんです」
勉強会は何か個別の問題が起きたときに集中的に開かれる臨時のものもあるが、差別問題に関してはどこの局も定期的に行なっているという。責任者のプロデューサーやデスクはもちろん、末端で動くディレクターやADまでが出席するが、実はテレビ業界で「最近、一番、勉強会が厳しい」と言われていたのが日テレだったとプロデューサーは言う。
「日テレでは2018年にイッテQ(バラエティ番組の『世界の果てまでイッテQ!』)でラオスの祭りをでっちあげたヤラセ問題があったり、その後にもいくつか倫理的な問題が発生したのをきっかけに、『毎月のように勉強会がある』という話を知人の局員から聞いていました。コンプライアンス違反を許さない雰囲気は強かったはずです」
勉強会もやっていたはずだが…
それでも起きたのが今回の問題だ。3月12日、番組内のコーナーで、動画配信サービス「Hulu」で放送されるアイヌ女性のドキュメンタリー番組を紹介したが、お笑い芸人の脳みそ夫が「この作品とかけまして、動物を見つけたときと解く。その心は…あ、犬」と発言。同時に番組ではテロップで「あ、犬(アイヌ)」とも出ており、これに視聴者から批判が殺到した。
番組や芸人にアイヌを差別する意図はなかったと思われるが、「犬」は過去にアイヌ差別に使われてきた言葉として、国会議員がその被害を報告したこともあるものだ。前出のプロデューサーも「その方面に詳しくなくても、自分が担当者だったら100%、これは即ダメだと止められた内容」と言っている。
たとえ出演タレントが無知であっても、番組側のチェックで本来なら止められたはずだった。
「特に報道に属する番組は、入念に勉強会もやっているはずです。スッキリはバラエティ番組の色が強いと言っても、政治社会のニュースを扱う情報番組。本来なら、アイヌを扱うと分かった時点で緊張して着目するのが自然」(同プロデューサー)
番組サイドは今回のミスについて「制作に関わった者に、この表現が差別にあたるという認識が不足していた」「番組として放送に際しての確認が不十分だった」「結果、十分な正しい判断が行われないまま放送してしまった」としており、チェックミスのみならず担当者に差別認識がなかったことも認めていた。
「実際にどうだったかは外部からは分かりませんが、かなり恥ずかしい弁明なので、おそらく事実でしょう。勉強会をしっかり受けていた人間がちゃんと揃っていたら、台本に問題発言の部分を見て誰かは気付くはずだったのが、それができなかったのは、たとえば最終判断するプロデューサーが台本をきちんと見る習慣がなくなっていたとか、勉強会から漏れた人間が現場にいたとか、複数の要素が重なったことも考えられます」
番組そのものの歪み
番組プロデューサーは本来、責任者として番組すべてを監督する立場にあるが、「人によって収録の細部までは見ず、台本を流し読みしてスタジオ収録に立ち合う程度ということもあります。今回の担当プロデューサーがそうだったかは断言できませんが、そうでもないとアイヌ関連を見過ごすことはまずありえない話」とプロデューサー。
さらに、「現場の人間でも下請け制作会社から人事の異動で来たばかりの人や、他番組と掛け持ちで手伝っているような人が多いと、勉強会に出てないケースもある」とする。
同業者から見て、そんな複数の要因が重ならないと起きないと思うぐらい不可解な今回の問題だが、プロデューサーは「番組自体がちょっと歪んだ体制になっている可能性も感じる」という。
「MCの加藤浩次さんが前に所属の吉本興業の批判を番組でやったことにはかなり驚きました。個人の会社への不満を放送でやるなんて、ハッキリ言えば番組の私物化で、しかも批判相手は局としても関係の深い吉本。今回の契約終了でも加藤さんは、番組で寝耳に水の話だったようなことを語っていたり、相変わらずの姿勢がありましたが、もし自分がプロデューサーだったら、それはやめましょうと止めますよ。だから番組としてもバラエティ番組のノリで暴走しやすい空気にあったのか、と疑ってしまうんです」
結局、「スッキリ」のアイヌ問題は、プロデューサーのひとりが責任を取る形で担当を外されるたと聞くが、その余波は大きいらしく、日テレの別の情報番組で働く関係者は、「近くスタッフ全員参加の勉強会があると聞いた」と言った。
「日テレ幹部の方と食事する機会があったんですが、トップから再発防止策をと命令があったと言っていました。ただ、防止と言っても差別問題は不変な注意事項なので勉強会で念を押す以外にやりようがないこと。だから、チェック機能の改善の方が主体になるようだと聞きました」
その上で今回の件をどう思うかと聞くと、関係者はこう言った。
「もちろん番組スタッフが一番悪いという前提ですが、正直に言うと、情報番組にお笑い芸人を出演させすぎているとも思うんです。差別問題というのは、本来なら出演者たちだって情報番組をやる上で気を付けること。でも、芸能タレントさんとなると勉強会なんかに出ない人たちです。社会的にシリアスな問題なのに、そういうものをあまり意識しない種の出演者を増やすとリスクが高いと思うんです」
あくまで業界人ひとつの意見ではあるが、「スッキリ」の問題はいろいろな観点で改善を検討するところがあるのかもしれない。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81522

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先住民族ヤノマミ居留地で違法採掘拡大 サッカー場500面分

2021-03-26 | 先住民族関連
AFPBBNEWS 2021年3月25日 18:56 発信地:リオデジャネイロ/ブラジル [ ブラジル 中南米 ]

ブラジル北部ロライマ州の先住民族ヤノマミ保護区にある集落の空撮写真。フトゥカラ・ヤノマミ協会提供(2011年11月21日公開、資料写真)。(c)Morsaniel IRAMARI / HUTUKARA YANOMAMI ASSOCIATION / AFP
【3月25日 AFP】ブラジル北部のアマゾン(Amazon)熱帯雨林で昨年、保護区となっている先住民族ヤノマミ(Yanomami)の居留地での違法採掘が30%拡大し、サッカー場500面分の森が破壊されたとの報告書が25日、発表された。
 違法採掘はアマゾンの環境破壊の主要原因となっている。二つの先住民団体がまとめた報告書によると、違法採掘のため伐採されたヤノマミ居留地の総面積は、昨年分を合わせて2400ヘクタールに及ぶ。
https://www.afpbb.com/articles/-/3338789

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RAN他「化石燃料ファイナンス成績表2021」発表

2021-03-26 | 先住民族関連
JIJI.COM 2021年3月26日(金)
[レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)]
~世界60銀行、パリ協定後も化石燃料に3.8兆ドルを資金提供~三菱UFJとみずほがトップ10入りーNGO「パリ協定に不整合」と批判、コロナ不況下でも2020年提供額が2016年を上回るー
米環境NGO レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)他は、本日24日(米国太平洋時間 23日)、新報告書『化石燃料ファイナンス成績表2021~気候カオスをもたらす銀行業務~』(注1)を発表しました。本報告書は世界の主要民間銀行による化石燃料への融資・引受をまとめたもので、分析の結果、邦銀4行を含む世界の60銀行は、パリ協定採択後の5年間で合計3.8兆ドル以上を化石燃料部門に資金提供したことが明らかになりました。また新型コロナウイルス感染拡大による不況下にも関わらず、2020年の融資・引受額はパリ協定採択翌年である2016年の金額を上回ったこともわかりました。RANらNGOは、日本のメガバンクを含め世界の主要銀行がパリ協定から5年経っても化石燃料への資金提供を継続していることに対して「パリ協定と整合性がない」と批判しました。


*他の邦銀順位は、18位 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)、59位 三井住友信託銀行。銀行別・年別の資金提供額は添付の「報告書概要」(和訳)を参照のこと。
『化石燃料ファイナンス成績表2021』概要
世界の主要民間銀行60行が化石燃料部門に行った資金提供を示した包括的な報告書で、石炭、石油、ガス部門の世界2,300社に対する2016年~2020年の5年間の融資・引受を分析の対象としている。第12版となる2021年版は対象銀行を35行から60行に拡大した。
世界の主要60銀行は、パリ協定採択後の5年間(2016年~2020年)で合計3.8兆ドル以上を化石燃料部門に資金提供した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で化石燃料の需要および生産は減少したが、2020年の化石燃料への資金提供額は約7,507億ドルで、パリ協定採択の翌年である2016年の約7,092億ドルを上回った。
上記5年間の融資・引受額が最も多かった銀行はJPモルガン・チェース、2位がシティ、3位がウェルズ・ファーゴ、4位がバンク・オブ・アメリカ(ともに米国)、5位がロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)。地域別上位銀行は、ヨーロッパはバークレイズ、アジアは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、中国は中国銀行。
邦銀では、MUFGが世界6位(約1,477億ドル)、みずほフィナンシャルグループ(みずほ)が8位(約1,235億ドル)で、上位10銀行にメガバンク2行が入った。MUFGは昨年と同じ順位だが、パリ協定採択以降の資金提供は増加傾向にある。三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は18位で(約863億ドル)、昨年20位から順位を上げた。今回初めて対象となった三井住友トラスト・グループは59位(約6億ドル)。
コロナ禍での不況のため、2020年の化石燃料事業への融資・引受額は約7,507億ドルで、前年の8,237億ドルと比べて約9%減少した。しかし化石燃料を拡大している上位100社への過去5年の資金提供額は約1.5兆ドルで、2020年の提供額3,685億ドルは前年の3,336億ドルに比べて10%増加した。資金提供先には「ライン3」石油パイプライン、アルゼンチン・パタゴニア地域の先住民族での土地でのフラッキング(水圧破砕法)によるシェールオイル・ガス開発など、物議を醸している事業を進める企業が含まれる。3メガバンク はライン3の建設会社であるエンブリッジ社に資金を提供している(注2)。
レインフォレスト・アクション・ネットワーク「責任ある金融」シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは
「世界の主要銀行は今後どのような方向に向かうのか、厳しい選択を迫られています。パリ協定以降、メガバンクら邦銀は3,500億ドル以上の融資・引受を化石燃料へ提供しています。この資金の4割以上は化石燃料を最も拡大している100社に提供されました。今年11月に開催される気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の前に、化石燃料への資金提供が増えることがあってはいけません。ウォール街の銀行とMUFGをはじめ世界の主要銀行は、地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるために化石燃料の拡大への資金を直ちに止め、パリ協定の1.5度目標に沿って化石燃料ファイナンスを段階的に打ち切る必要があります」と指摘しました。
2020年も米国の銀行が二酸化炭素排出を牽引し、JPモルガン・チェースは依然として化石燃料への融資・引受で世界ワースト銀行です。チェースは最近、自社ファイナンスをパリ協定と整合させると約束しましたが、無制限といっていいほど化石燃料事業に資金提供を続けています。 チェースは2016年から2020年の期間、化石燃料に約3,167億ドルの融資・引受を行いましたが、この金額はワースト2位であるシティの金額を33%も上回っています。
今回の分析から得られたもう一つの特筆すべき結果は、BNPパリバが2020年のワースト4銀行にランクインしたことです。BNPパリバは、2020年に化石燃料に408億ドルを資金提供し、2019年と比較して41%の大幅増加となりました。つまり、昨年の化石燃料ファイナンス増加はBNPパリバの増額が理由であることを意味します。一方、BNPパリバは2017年に方針を制定し、シェールオイル・ガス、オイルサンド、液化天然ガスLNGなどへの融資制限を約束していました(注3)。
本報告書はまた、気候変動に関する銀行方針におけるコミットメントについても分析しています。分析の結果、その約束は十分に守られず、パリ協定の目標と全般的に整合していないことも明らかになりました。最近の注目を集めている方針は、達成年が遠く目標も曖昧な「2050年ネットゼロ」や、非在来型化石燃料への資金提供の制限に重点を置いています。また、現行の銀行方針は総じてプロジェクトファイナンスへの制限についてが最も厳しくなっていますが、プロジェクトファイナンスの割合は本報告書で分析した化石燃料ファイナンス全体の5%にしかすぎないことも判明しました。
なお、本報告書の執筆団体は、全銀行の資金提供の意思決定に「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC、注4)の権利を含め、先住民族の権利尊重および人権尊重が広範にわたって必須要件でなければならないという点で一致しています。
執筆団体、賛同団体からのコメント
先住民族環境ネットワーク(IEN) 事務局長 ダラス・ゴールドトゥース
「世界の大手銀行は石油・ガス開発の拡大に融資していることから、大きな責任があることを理解しなければなりません。グリーンウォッシュ、排出量取引、実証されていない技術的解決策、そしてネットゼロのコミットメントは、人道上の罪、母なる地球への罪を免れることはできません。先住民族の土地は世界的に略奪され、固有の権利は侵害され、化石燃料の開発拡大に直面して生活の価値が大きく失われています。母なる地球の神聖さと領土を守るために、大手銀行は地球が破壊された費用を補償する責任があります」
気候ネットワーク 国際ディレクター 平田仁子
「今回の最新報告書で、やはりいまだに日本の金融機関が、多額の資金を化石燃料をはじめとする気候変動を加速させる事業や企業に資金提供し続けている事実が明らかになりました。パリ協定を支持し、事業を整合させるという責任銀行原則(PRB)への賛同はまだ形だけであって、実態が伴っていないことを浮き彫りにするものです。気候変動への対応は一刻の猶予も許されません。速やかな方針の抜本転換が必要です」
国際環境NGO 350.org日本支部キャンペーナー 渡辺瑛莉
「本調査により、日本のメガバンク3行が、いまだに世界の化石燃料部門に多額の資金提供を続け、パリ協定の目標と全く整合していないことが明らかとなりました。1.5度目標達成のためには、石炭のみならず、化石燃料部門全般で新規・拡大計画への資金提供を即時に停止し、コーポレートファイナンスも含めた包括的な1.5度目標に整合したフェーズアウトポリシーの制定が急務です。この点で世界の主要銀行と比べいまだに遅れをとっている邦銀は、早急な改善措置をとり、気候危機の加速ではなく、その解決に向けて責任を果たすべきです」
注1)「化石燃料ファイナンス成績表2021」
要約(和訳)
http://japan.ran.org/wp-content/uploads/2021/03/JPN_BOCC-2021_Executive-Summary.pdf
報告書全文(英語)
https://www.ran.org/bankingonclimatechaos2021/
・本報告書は、世界の主要民間銀行60行が化石燃料部門に行った資金提供を示した世界で最も包括的な報告書であり、石炭、石油、ガス部門に関わる世界2,300社に対する2016年~2020年の間の融資・引受を対象としている。
・取引データは、ブルームバーグ・ファイナンスL.P(ブルームバーグ端末、取引額が主幹事銀行間で分割されている)、IJグローバル、『Global Coal Exit List(脱石炭リスト)』より入手。融資・引受額は、対象となる化石燃料関連企業の当該部門の事業活動に基づいて割引して算出している。
・本報告書はRAN、バンクトラック、先住民族環境ネットワーク(IEN)、オイル・チェンジ・インターナショナル、リクレイム・ファイナンス、シエラクラブが執筆し、世界50カ国300以上の団体が賛同している。
注2)参考資料:RANブリーフィングペーパー『北米パイプライン「ライン3」と「キーストーンXL」の黒幕~オイルサンド・パイプライン建設を支援する世界の銀行』、2020年12月16日発行
http://japan.ran.org/?p=1758
注3)「BNPパリバ、エネルギー転換への支援加速に向けてさらなる方針を発表」(2017年10月11日)
https://www.bnpparibas.jp/jp/2017/10/11/energy_transition/
注4)FPIC(Free, Prior and Informed Consent):先住民族が自分たち、または自らの土地に影響を及ぼす可能性のある事業には同意する、もしくは拒否する権利。
参考資料:「パリ協定と整合性のある金融機関原則(2020年10月発行)
http://japan.ran.org/?p=1760
団体紹介
レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。
http://japan.ran.org
本件に関するお問い合わせ先
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11-4F、TEL 03-6721-0441 FAX:03-6721-0959
ハナ・ハイネケン Email: hheineken@ran.org
広報:関本幸 Email: yuki.sekimoto@ran.org
企業プレスリリース詳細へ (2021/03/25-12:16)
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000001.000076051&g=prt

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初無敵、知方学…当て字に込めた意味 アイヌ由来の難読地名街道

2021-03-26 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/03/25 13:47
 「来止臥(きとうし)」「浦雲泊(ぽんとまり)」「冬窓床(ぶいま)」「初無敵(そんてき)」「知方学(ちぽまない)」……。ここはどこ? 異世界を旅するような錯覚に陥る。
 釧路、厚岸(あっけし)、浜中の3町の太平洋岸を走る道道142号「北太平洋シーサイドライン」は、振り仮名なしにはとても読めない「難読地名街道」だ。いずれもアイヌ語由来の地名だが、ユニークな漢字の当て方は、さしずめ百数十年前の「キラキラネーム」といったところか。
 記者がこの道を初めて運転したのは三十余年前。不思議な地名をPRする木製看板に遭遇するたびに車を止めて由来に目をこらし「こういう売り込み方もあるのか」と感じた。
 22カ所に設置されている看板の多くは海岸沿いの集落へ下る丁字路にあり、急勾配の坂道を下りると集落が現れる。「兄ちゃん、どこから来た?」と招き入れられ、番屋ならではの食事を振る舞われるような牧歌的な時代だった。
 今月中にも誕生する厚岸霧多布昆布森(きりたっぷこんぶもり)国定公園は、北太平洋シーサイドラインがアクセス道路の一つになる。横綱級とも言える難読地名を抱える釧路町は、これを町の認知度と集客アップにつなげようともくろむ。
 看板は今後3年で新しいものに取り換え、数も増やす。地名を詳しく紹介した冊子「時空旅行 地名の散歩道」も改訂する予定だ。動画投稿サイト・ユーチューブの町公式チャンネルでは、全20問の「難読地名クイズ」を配信。最後に「ドライブついでに看板を探してみて」と呼び掛けている。
 北海道の地名は、アイヌ民族が名付けて後から和人が漢字を当てたものが大半だ。だが、なぜこの地域は際立って難読なのか。
 理由の一つは、当てる漢字だ。例えば、アイヌ語で「場所」を著す「ウシ」。普通は「牛」を当てるところ、故事成語「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」(成功を期して苦労に耐える)の「臥」を使ったりする。
 音の響きだけでなく、漢字の持つ意味にも配慮している例もある。アイヌ語の地名は地形の特徴を示したものが多く、例えば「分遺瀬(わかちゃらせ)」は、ワッカ(水)がチャラセ(滝)となって落ちる所、という意味だ。なかなか上手に字を当てるものだと感心してしまう。しかも、どれもなぜか漢字3文字で統一されている。
 このルーツをたどると、19世紀後半に作られた台帳に行き着いた。
 明治初期まで、北海道のアイヌ語地名はカタカナ表記が基本だった。1875(明治8)年に樺太千島交換条約が結ばれると、千島列島の領有を国内外に伝える必要から島名や地名が漢字表記に改められ、道内の地名も漢字とする布達(行政命令)が出された。
 当初改められたのは、昆布森、跡永賀(あとえが)、仙鳳趾(せんぽうし)など、せいぜい村単位の地名だったらしい。だが、昆布森に入植した加茂家が80(明治13)年時点の定住者と昆布乾場の区画配置を記した「加茂家干場関係台帳」には「分遣瀬」などの地名が残る。ここでは早い時期から漢字表記が広がっていた様子がうかがえる。
 約40年前に台帳の調査をした釧路短大の佐藤宥紹教授(日本近代史)は「アイヌ語由来の地名を表記するのに、漢字の深い理解と語彙(ごい)力を持った人物がいたはず。それは誰なのか」と思いをはせる。【本間浩昭】
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20210325k0000m040152000c.html

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厚岸霧多布昆布森/4 アイヌ由来、不思議な地名ずらり 当て字、意味にも配慮 /北海道

2021-03-26 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/3/25 地方版
「語彙力持った人物いたはず」
 「来止臥(きとうし)」「浦雲泊(ぽんとまり)」「冬窓床(ぶいま)」「初無敵(そんてき)」「知方学(ちぽまない)」……。ここはどこ? 異世界を旅するような錯覚に陥る。
 釧路、厚岸(あっけし)、浜中の3町の太平洋岸を走る道道142号「北太平洋シーサイドライン」は、振り仮名なしにはとても読めない「難読地名街道」だ。いずれもアイヌ語由来の地名だが、ユニークな漢字の当て方は、さしずめ百数十年前の「キラキラネーム」といったところか。
 記者がこの道を初めて運転したのは三十余年前。不思議な地名をPRする木製看板に遭遇するたびに車を止めて由来に目をこらし「こういう売り込み方もあるのか」と感じた。
この記事は有料記事です。 残り1065文字(全文1372文字)
https://mainichi.jp/articles/20210325/ddl/k01/040/028000c

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渋沢栄一ゆかりの「血洗島」だけじゃない【ニッポンの珍地名】

2021-03-26 | アイヌ民族関連
ベストタイムス 3/25(木) 18:00
地名王国と言われる日本列島を北から南へ探してみると、思わず耳を疑う地名や「えっ!?」と二度見してしまう地名がたくさんある!(47都道府県 地名の謎と歴史)
【語感・字面に「えっ !? 」、 由来を知って「へぇ~」となる珍地名】
●女体入口(にょたいいりぐち)長野県駒ヶ根市
バス停名。女体の由来にはかつて入山できない女性が待つ「女待=にょたい」など諸説ある。
●ノゾキノ鼻(のぞきのはな)長野県駒ヶ根市
鼻は岬の地形を表す。かつて地元民が藻塩の漂着を監視したとか。
●オカマ池(おかまいけ)大阪府和泉市
和泉市にある池。もともとはお釜か? 漢字表記は山梨県にもあり。
●鼻毛石(はなげいし)群馬県前橋市
苔が鼻毛のように見える、周囲11mの巨大岩が由来。
●野口五郎岳(のぐちごろうだけ)富山県富山市/長野県大町市
昭和のアイドル歌手の芸名はこの山にあやかって付けたもの。
●大田光(おおたっぴ)青森県つがる市
読みは異なるが字面はお笑い芸人を連想させる。インパクト大。
●血洗島(ちあらいじま)埼玉県深谷市
渋沢栄一ゆかりの地。由来は合戦やアイヌ語など、諸説ある。
●金玉落としの谷(きんたまおとしのたに)静岡県菊川市
中世、戦闘訓練で山から金の玉(木の玉説も)を落としたのが由来。
●日本国(にほんこく)山形県鶴岡市/新潟県村上市
山形県と新潟県の境にある山。登山をすれば日本の頂を征服!?
●冷蔵庫前(れいぞうこまえ)三重県北牟婁郡紀北町
近くの製氷会社がきっかけだとか。遊び心溢れるネーミングセンス。
●天使突破(てんしつきぬけ)京都府京都市
天使社の境内を突き抜けて造られた新しい道がきっかけ。
●ニセ金庫岩・金庫岩(にせきんこいわ・きんこいわ)北海道上川郡東川町
大雪山系の旭岳に存在する岩。登山時の目印として間違える人多数。
■遊び心を持つことも地名を楽しむ醍醐味
 日本列島はバラエティ豊かな地名の宝庫だ。多様な地名は、その後、漢字が当てられたり、転訛したり、あるいは日本語の意味や読みが変わるなど、さまざまな変遷を経て今日に至っている。それらを現代人の感覚で見る(読む)と、「!?」と感じる地名も出てくる。
 島国ゆえに地形の多様さによる「地形由来」は、その代表例だろう。海や山、川、湖、岬、入り江など、先人たちはその景観にちなんだ名前を土地に付けることで、居住地により親しみを持ったに違いない。
 農耕文化による「農業由来」も興味深い。田んぼの所有者を巡り区分けをはっきりさせるため、土地に名前をつける必要があった。大昔は、田んぼ1枚にも名前がついていたというほど、日本人と地名は深い関わりがある。
 このほかにも神道や仏教に影響される「信仰由来」や、その土地を治めた勢力や渡来人、アイヌ、琉球などの「氏族・民族由来」もある。その地方に言い伝えられる「伝説由来」は、物語の真偽はともかく、地名由来にファンタジーな要素が加わって、興味が広がる。
 こうして生まれた地名から土地の歴史を知ると、さらに面白さが増すものだ。遊び心を持つことも地名を楽しむ醍醐味の一つだろう。
(『47都道府県 地名の謎と歴史』「珍地名100選」より抜粋)
取材・文:内山賢一
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0a7ec246efc3d57a5fc47ac4d95a87663c927dd

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