Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

アムステルダム市の紋章

2006-11-28 23:06:24 | Weblog
アムステルダムを象徴する印は、三つの×印です。この×は、紋章学でいう「斜め十字帯」ですが、何を象徴しているのかは実のところはっきりしていません。歴史家の中には、アムステルダムを襲った三つの災難、つまり水害、大火、厄病(ペスト)に由来するという意見もあります。また、ダム広場とゆかりのあるプリサイン(Prisijn)家の紋章にもこの×印が見られます。×印は、×字型の十字架で処刑されたというキリスト12使徒の聖人アンデレにちなんで、よく旗や紋章に使われており、「アンデレの十字架(セント・アンドリュー・クロス )」と呼ばれます。この印(聖人アンデレにちなんだ×印)は、12世紀末に流行しました。アムステルダムが市となったのは1275年、そしてこの頃すでに、赤い下地に黒の縦棒、その中に銀色の三つの×印という紋章が使われています。アムステルダムの紋章の×印は、十字架ではなく、単純なマークとしての×印であり、アンデレの十字架という紋章学的解釈が後で付けられたという可能性も捨てきれません。ちなみに、近くのアムステルフェーン(Amstelveen)の紋章は×印が四つ、Ouder-Amstel(アウデル・アムステル)の紋章は×印が五つです(アムステルダムと同様、赤地に黒縞の中に×印)。