Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本『沈まぬ太陽(五)会長室篇 下』

2010-04-01 14:09:18 | Book
入院中に読書が進んだので、この『沈まぬ太陽』が全巻読了することができました。あー、やっと終わったという感じです。でも、読後感はあまりすっきりしませんね。この本、社会の暗い側面をしっかりと描いていて重要な本だと思いますが、読んで楽しくなる本ではありません。人の良心を信じている者にとっては、この本の中に描かれる黒々としたものが、とても脅威として感じられます。お金とか権力とか名誉とか地位とか、魅力があるのでしょうが、それらを得るために行なわれることごとに、心がすり減らされていくように思います。それをスリルだと思って、快感を得る人もいるのでしょうが…、私には理解できません。かわいそうなのは、組織の中で心の葛藤をもちながらも、部下として嫌なことをやらされる人たち。
主人公は自分の意思を貫いて、自分が正義だと思うことをやり通せて、強い人なのですが、その他多くの弱い人たちのことも考えると、この社会がすごく窮屈で嫌なものに思えてきます。
組織など社会の仕組みの大本に深く入り込むことはできなかった私ですが、それでよかったのかも。なんか怖い世界です。
体調は、昨日は微熱がありました。ときどき、手術した右腕が痛みます。全体的にはOKです。