東浩紀著「ゲンロン0 観光客の哲学」を読了。
批評家が書いた哲学書という位置づけの本。難しいかと思ったけれど、わかりやすく書かれていたので、最後までちゃんと読めました。
第一部観光客の哲学は、いろいろ哲学者の名前が出てきて、タームも難しく、じっくりゆっくりとしか読めなかったけれど、第二部家族の哲学に入ってからはかなりスピードアップして読めました。
今の状況が、コミュニタリアニズム(ナショナリズム)とリバタリアニズム(グローバリズム)の二層構造であるという説明は確かにそうだなと思いました。
いろいろと面白いと思ったところはあるのですが、いちばん最後の章のドストエフスキーの小説のところはよかったです。私はドストエフスキーの本をしっかり読んだことはないのですが、ドストエフスキーが生涯かけて小説を書いていき、その小説それぞれに意味があり、最後の『カラマーゾフの兄弟』は実は第一部で、第二部は書かれないまま彼は亡くなってしまった。第二部の展開が予想され、これによって彼の哲学が完成するという具合。
それから、ネットワーク理論の話も、知らなかったので新鮮でした。
最後の結論を含め、もっと私の頭の中で考えなければいけないことがたくさんあるのですが、日常に流されて忘れてしまいそうです。
この本を読んで、派生的に読みたいなあと思った本は、『「複雑ネットワーク」とは何か』と『郵便的不安たちβ』。
他に、本の作りがとてもいいです。下に注があるのはうれしいです。章末や巻末に注があると、参照しにくくて読まないことを多いのですが、下にあると必ず読みます。ところどころ、図や絵が入っているのも好きです。
中味が濃くて、とても良い本でした。
批評家が書いた哲学書という位置づけの本。難しいかと思ったけれど、わかりやすく書かれていたので、最後までちゃんと読めました。
第一部観光客の哲学は、いろいろ哲学者の名前が出てきて、タームも難しく、じっくりゆっくりとしか読めなかったけれど、第二部家族の哲学に入ってからはかなりスピードアップして読めました。
今の状況が、コミュニタリアニズム(ナショナリズム)とリバタリアニズム(グローバリズム)の二層構造であるという説明は確かにそうだなと思いました。
いろいろと面白いと思ったところはあるのですが、いちばん最後の章のドストエフスキーの小説のところはよかったです。私はドストエフスキーの本をしっかり読んだことはないのですが、ドストエフスキーが生涯かけて小説を書いていき、その小説それぞれに意味があり、最後の『カラマーゾフの兄弟』は実は第一部で、第二部は書かれないまま彼は亡くなってしまった。第二部の展開が予想され、これによって彼の哲学が完成するという具合。
それから、ネットワーク理論の話も、知らなかったので新鮮でした。
最後の結論を含め、もっと私の頭の中で考えなければいけないことがたくさんあるのですが、日常に流されて忘れてしまいそうです。
この本を読んで、派生的に読みたいなあと思った本は、『「複雑ネットワーク」とは何か』と『郵便的不安たちβ』。
他に、本の作りがとてもいいです。下に注があるのはうれしいです。章末や巻末に注があると、参照しにくくて読まないことを多いのですが、下にあると必ず読みます。ところどころ、図や絵が入っているのも好きです。
中味が濃くて、とても良い本でした。