上質な翻訳のご本を二冊・・・。
『クロティの秘密の日記』(パトリシア・C・マキサック 宮木陽子訳 くもん出版)
アメリカ南部で奴隷として生きている少女「クロティ」が文字を覚え、日記を綴り、自ら「自由」について考える感動の一作です。
かつて奴隷たちは、読み書きを習うことを法律で禁じられていました。しかし、クロティは「ぼっちゃま」が家庭教師に勉強を教わっているとき、そばでうちわで扇ぎながら、文字を覚えていくのです。
日記としての形態。やわらかさが、実はとても壮大なストーリーの重さを、とても読みやすいものにしてくれています。
同じ人間なのに自分は奴隷で、なぜ「だんなさまの」持ち物なのか?
クロティは考えます。奴隷であっても、「あたしの頭のなか、心のなかは、だれにも自由にできないんだ」と。
でてくる登場人物も、いずれもとても魅力的です。
フィクションではありますが、クロティの生き方を見ていると、まるで事実のような錯覚に陥ります。
学び、考え、「自由」についてクロティは自ら実践していきます。
ラストは、クロティの魅力に、そして大きな成長に、感動します。
とても読み応えのあるすばらしいご本です。
『小さな可能性』(マルヨライン・ホフ 野坂悦子訳 小学館)
オランダの翻訳ご本です。
このご本はオランダで「金の石筆賞・金のフクロウ児童文学賞・金のフクロウ子ども読者賞」を受賞されたものを、オランダに詳しい翻訳家の野坂さんが訳していらっしゃいます。
『小さな可能性』には、私たちが日常、つい心配性の芽をもたげ、考えすぎてしまうことへの、「不安」がきめ細やかに描かれています。
戦場で医者をしている「パパ」が戦地で行方不明になります。
ママは片時も電話を離さず、パパからの連絡、あるいはだれからかの連絡を待っています。
「キーク」だって気が気ではありません。
そんな母親とキークとの関係。
またパパのお母さんである、心配性のおばあちゃんと関係が、パパ発見の日まで丁寧に綴られています。
野坂さんのやわらかな翻訳が、不安と、それを乗りこえようとする気持ちを臨場感をもって綴っています。
とにかく、上質な二冊の翻訳本です。ぜひお読みになってください。
『クロティの秘密の日記』(パトリシア・C・マキサック 宮木陽子訳 くもん出版)
アメリカ南部で奴隷として生きている少女「クロティ」が文字を覚え、日記を綴り、自ら「自由」について考える感動の一作です。
かつて奴隷たちは、読み書きを習うことを法律で禁じられていました。しかし、クロティは「ぼっちゃま」が家庭教師に勉強を教わっているとき、そばでうちわで扇ぎながら、文字を覚えていくのです。
日記としての形態。やわらかさが、実はとても壮大なストーリーの重さを、とても読みやすいものにしてくれています。
同じ人間なのに自分は奴隷で、なぜ「だんなさまの」持ち物なのか?
クロティは考えます。奴隷であっても、「あたしの頭のなか、心のなかは、だれにも自由にできないんだ」と。
でてくる登場人物も、いずれもとても魅力的です。
フィクションではありますが、クロティの生き方を見ていると、まるで事実のような錯覚に陥ります。
学び、考え、「自由」についてクロティは自ら実践していきます。
ラストは、クロティの魅力に、そして大きな成長に、感動します。
とても読み応えのあるすばらしいご本です。
『小さな可能性』(マルヨライン・ホフ 野坂悦子訳 小学館)
オランダの翻訳ご本です。
このご本はオランダで「金の石筆賞・金のフクロウ児童文学賞・金のフクロウ子ども読者賞」を受賞されたものを、オランダに詳しい翻訳家の野坂さんが訳していらっしゃいます。
『小さな可能性』には、私たちが日常、つい心配性の芽をもたげ、考えすぎてしまうことへの、「不安」がきめ細やかに描かれています。
戦場で医者をしている「パパ」が戦地で行方不明になります。
ママは片時も電話を離さず、パパからの連絡、あるいはだれからかの連絡を待っています。
「キーク」だって気が気ではありません。
そんな母親とキークとの関係。
またパパのお母さんである、心配性のおばあちゃんと関係が、パパ発見の日まで丁寧に綴られています。
野坂さんのやわらかな翻訳が、不安と、それを乗りこえようとする気持ちを臨場感をもって綴っています。
とにかく、上質な二冊の翻訳本です。ぜひお読みになってください。