20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

土門拳「昭和のこどもたち」展

2013年09月23日 | Weblog

            

 日本橋高島屋で、昨日の最終日、土門拳の「昭和のこどもたち」展を見てきました。

 昭和10年代~30年代にかけての子どもたちのすがたが、モノクロームの写真で表現されています。

 土門拳のリアリズムの手法に圧倒されました。

 

 まだ日本が貧しかった時代を生きる、子どもたちのキラキラ輝くような瞳や、表情が印象的です。

 代表作である「江東のこども」「筑豊のこどもたち」「ヒロシマ」など200点の作品が並んでいました。

 あの時代、いまを生きる子どもたちとは違った喜びや、楽しさ。そして生きる困難さがありました。

 そんな子どもたちのすがたを生き生きと捉えています。

 モノクロ写真の光と影が、リアルに胸に迫ってきます。

 原爆におそわれた子どもたち。貧しさに押しつぶされそうになった子どもたち。障害があるゆえに、親から捨てられた子どもたち。巷にあふれる浮浪児や、靴磨きなどで働く子どもたち。

 そんな子どもたちの、力強いまなざしや、悲しげなまなざし。そして生きることにひたむきなまなざし・・・。

 おもわず涙がこぼれました。

 土門拳が日ごろ語っていた、「カメラは道具にすぎず、写真を撮るのは人間であり、思想である」の言葉が、実感としてわかります。

 私は木村伊兵衛の、洗練された写真が好きでしたが、こうして土門拳の泥臭いまでのリアリズムを突きつけられると、胸がしめつけられるような凄さを感じてしまいます。

 土門拳、やっぱりすごい写真家です。

(写真は、頭にトカゲをのせて遊んでいる子どもたち。サイトからお借りしました)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする