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児童文学作家 加藤純子のblog
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北斎とジャポニスム―HOKUSAIが西洋に与えた衝撃

2017年11月28日 | Weblog

        

 

 先日、上野の西洋美術館に「北斎とジャポニスム」展を見に行ってきました。

 「すみだ北斎美術館」に所蔵されている「北斎漫画」のお粗末さに、消化不良を起こしていたので、今回、「北斎漫画」がいかに偉大か、それを世界の画家たちの絵と見比べながら証明している展示に、胸を踊らせて出かけて行きました。

 画家たちが人物を描くとき、どれほど北斎の手法に影響されていったのか、その実例を目の当たりにしてきました。

 ドガは「踊り子」を描くとき、「北斎漫画」に描かれた、お行儀の悪い子をモデルにしています。

 また、上のポスターのポーズは、北斎漫画のお相撲さんのシコ踏みのポーズに影響を受けています。

 北斎が「北斎漫画」で行った人間を描くときの、人体を知り、それを観察しながら、クロッキーする姿勢。

 まさに、その表現からドガもピカソも、ロートレックも、クリムトも(クリムトは北斎の春画から学んでいました)ロダンも学んでいました。

 

 実は、雑誌『日本児童文学』の2014年、1~2月号[創作特集]に、私は「ざわめく日ざしの中で」という掌編を書きました。

 その中でメアリー・カサットの絵について書いています。

 カサットというアメリカ人の画家は、豊かな母と子の関係性を描いた作品を数多く残している画家です。まるで春の陽だまりのような・・・。

 そのカサットも、実は、母と子の表現を、北斎の「北斎漫画」から影響を受けていたのです。

 その絵を見た瞬間、思わず、にたりとしてしまいました。

 

 また動物画や植物画は、様々な装飾品になっています。

 ガレの「朝顔」のランプなど、まさに北斎です。

 これらがすべてが、著作権フリーだというのですから、驚きです。 

 

 とても混雑していましたが、ポイントをきちんと押さえて見ていきさえすれば、すべての作品が見渡せます。

 すてきな展覧会でした。

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