格式の高い、オルゴールです。
こんな立派なオルゴールではありませんが、私も、子どもの頃、オルゴールを大切に持っていました。
曲は定番の「エリーゼのために」。
昔、ピアノを習っていたので、エリーゼのために、は、ピアノ曲の定番中の定番でした。
20年以上前に『ベートーベン』(ポプラ社)の伝記を書いた時、『音楽家の恋文』(クルト・バーレン著・池井紀訳・西村書店)を読んでいて、ベートーベンの「テレーゼ」へ向ける熱い想い、彼の、女性へのコンプレックスの深さを知りました。
この「テレーゼ」への想いこそ、「エリーゼのために」です。
その恋のあれこれも、書いた記憶があります。
また、民衆の味方だと思っていたナポレオンへの尊敬の気持ちから「交響曲第3番 英雄」を作曲しました。
けれど、皇帝になったナポレオンへの失望。そのベートーベンの正義感が、中盤のクライマックスです。
そして死んでしまった弟の奥さんとの確執。その子どもを息子として迎えるのですが、その彼との思いの通じなさ。
耳が聞こえなくなって行く中で生み出した、未曾有の名曲の数々。孤独な死。それがラストに向けてのクライマックスです。
書きながら、あらゆる資料を図書館から取り寄せ、読みましたが、「偏屈で変人」と言われていたベートーベンですが、私は彼のそのまっすぐさ、正義感にとても惹かれました。
ベートーベンの曲は、PCのiTunesに入れていて、いつも仕事をしながら聴いています。
この『ベートーベン』と同じ時期に書いた、『アンネ・フランク』。
2冊とも文庫本にもなりましたが、文庫とハード本、共に今でも、毎年、版を重ね続けています。
20年以上、ずっと売れ続けている、ロングセラーです。