今夜は、40年以上の友人である、最上一平さんの「小学館児童出版文化賞」の授賞式に、お祝いに「如水会館」に伺います。
彼はメールや手紙にもありましたが
「今年は、いい年だった。来年もそこそこの年にしたい」
というくらい、まずは、「産経児童出版文化賞JR賞」受賞に始まり、夏の全国「青少年課題図書」(中学年の部)選出。
そして締めが、この「小学館児童出版文化賞」でした。
受賞作は『じゅげむの夏』(校正出版社)です。
一平さんの子ども時代を彷彿とさせる、男の子4人組。
小さな集落に住む子どもたちです。
筋ジストロジーで、杖をつきながら歩いていますが、年々、体は弱っていきます。
来年は、こうしてみんなと、遊べるかどうか・・・。
そこから始まる、「最高の夏にしよう」という、ひと夏の冒険。
彼の文章はいつも山形弁がなんとも素敵な味を出していますが、『あらわれしもの』(新日本出版社)あたりから、そこに緊張がありながら、なんとも言えないユーモアを醸し出したり、人間を描く、彼の必死さだけではない、緩急のようなものが、実に見事に結実しているなと思いました。
『飛ぶ教室』(光村図書)の書評のメインに、『あらわれしもの』を取り上げたくらい、その見事さに、唸ってしまいました。
そして今回は、その子どもたち版。でも村のおじいさんやおばあさんもでてきます。
人間を描くときのセリフの、しなやかさ。
彼は、気負わず、するすると、セリフや、描写を表現します。
そして文章がうまい。
すごくなっちゃったな、一平さん。
そういう思いです。
だって、ほっぺが真っ赤な、山形から出てきて間もない頃、少年がちょっと大人になった頃からの友人ですから。
彼の真似も上手です。山形弁。スラスラ。
でも実際の山形弁は、そこにいると、英語のようにわからない喋りだそうです。
一平さんが、私が一平さんの真似して話すと
「もっと、俺はシティボーイだ」というのを、その話を聞いて頷いた記憶があります。
豆好きな彼には、会ったりする時、富澤商店で「わさび豆」などいろんな豆を買って持っていてあげます。
ある時「歯が欠けちゃって」と、いうから「ああ、もう豆は卒業ね」と言ったら、
「いやいや、リスのように前歯で食べるから大丈夫」と。
そして後日、
「カトーさん、ずっと死なないで、いつまでも豆をください」
こんなハガキが来るのですから、大爆笑。
さて、今夜は、豆や、奥さんへのお土産を持って、彼の初めての、スーツネクタイ姿を拝顔してきます。
一平さん、おめでとう!!