20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

『通販生活』2024/初冬

2024年11月21日 | Weblog
            

通販生活・カタログハウスさんとは、いろいろご縁があり、かつて、何度も写真入りの記事を載せてくださったり、そのために編集者の方2人と、カメラマンの方1人で、我が家に何度か、取材で、お越しくださったことがあります。

皆さんと、とても仲良しになって、いつまでも親戚のような気分で、幾つも、通販生活・カタログハウスからは、毎月届けていただいて健康のために飲んだり、カタログハウス愛用者です。

雑誌『通販生活』。
これが毎号、お楽しみです。
今回の号は、やっと先日読めたのですが、今回、面白かったのが
「だんだん死ぬ気がしなくなってきました」という、対談記事。

古館伊知郎が、連載で行なっている「喋喋」(ちょうちょう)対談。
今回のゲストは、経済アナリストの森永卓郎。

2人の話が面白い。
ご存知、森永卓郎は2023年の11月に、膵臓がんステージ4と診断され、余命四ヶ月を宣告されました。
ところが、抗がん剤が、彼の体には合わない。
そこからの、ガンとの闘病。
埼玉に引っ越しして、農業をして暮らしたり、電車で東京まで出てきてラジオのレギュラー番組をもったり・・。
オプジーボと、免疫療法。すごいお金がかかるそうです。

わたしは本屋に行くと、まず、今の時代の傾向を見るために、おとなの文学、経済の本、健康の本、何から何まで、評判の本をざっとみて、気になる本があると立ち読み。
いろいろな本屋さんに行きますが、「有隣堂」が、そうしたキャッチが、すごくお上手です。
本を見ていると、書棚の流れが自然に「時代を見る目」に導かれていきますから。
その後、児童書コーナーに行きます。

『がん闘病日記』『ザイム真理教』など、森永卓郎は「もうじき、死ぬ」とか言ってるのに、すごいベストセラーをバンバン出していると驚くばかりです。いつも、本屋さんの一番の売れ筋。山積みになっているすごい売れ方。
治療にお金がかかっても、その本や何やらで賄えるそうです。
売れているから、原稿依頼も殺到。

「わ、病気で儲けている」と驚くばかりです。
余命四ヶ月など、とっくに過ぎ、今や「だんだん死ぬ気がしなくなってきました」と、痩せてはいますが、お元気です。

その闘病の話も面白いですが、『ザイム真理教』から、つながる、今の資本主義の話。
『人新世の「資本論」』で、2021年新書No.1に売れた、斉藤幸平とも繋がるところがあります。

古館伊知郎と盛り上がるのが、その現代の資本主義の問題。
「これまでのグローバル資本主義が限界を迎えているのは、多くの人が気づいていること。若い人たちも生活に疲れ果て、幸せそうじゃない。

マルクスは今から150年前、「資本主義は必ず行き詰まる」として、その要因を4つ挙げた。
・「許容できないほどの格差の拡大」
・「地球環境の破壊」
・「少子化の進行」
・「ブルシット・ジョブ」(日本語で言うと、クソどうでもいい仕事の蔓延)。
この4つの矛盾が一気に噴き出したときに、資本主義は終焉を迎える、と。
すかさず古館伊知郎が、
「まさに、今がその時期なのかもしれませんね」と。

連日のように報道される、老人宅への強盗事件。
海外にまで展開している、闇バイト事件。
刹那で生きる若者たちの姿。
いい加減な103万円の壁。

(そうそう、数日前から見始めた日本のドラマ。ネットフィリックスが作っている全七話。「地面師たち」は真っ当に生き抜くことさえも困難になっている人間たちを炙り出していて面白いドラマです。地価が異常高騰している東京を舞台にした、土地をめぐる作品。ネトフリが作っているすごい作品です)

「現在は100年に一度の大構造変革の時代。私たちは資本の奴隷にならなくてもいいんです」と、森永が。
その辺りの深いところは、ぜひ『ザイム真理教』を、図書館で借りてお読みください。(予約しても、軽く300人待ちくらいにはなりそうですが)

通販生活の、今を生きる人たちに寄り添った問題意識からの発信。
本当にすごいです。
それで、350円ですよ。

いや、本当にすごい、通販生活!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする