先日息子からお食事の会話中に、「浅草寺の前に建った、隈さんが設計した建物、おもしろいらしいよ」と薦められたと、夫が・・・。
息子が言った隈さんというのは、建築家の隈研吾さんのことです。
隈研吾さんは今、息子が准教授をしている東大・工学部建築学科の教授なのです。
その夜、私はずっとキッチンとリビングを行ったり来たりで、ほとんどみんなの会話に入っていないので、その日の会話をほとんど知りません。
あわててお食事を終えると、今度は孫たちが「もうお食事おわった?」と手をひっぱって私と遊びたがります。
どうやら私は彼らにとって、遊び友だちのようです。
そんなわけで、その浅草寺前の建物がどんなものなのか知らずに、昨日、お盆休み中の夫と見に行ってきました。
その建物とは、浅草文化観光センターという、国際観光都市にふさわしいインフォメーション施設として出来た建物のようです。
切妻屋根の平屋の建物を積み重ねたようにして作り上げた「和」のエッセンスの漂う建物です。
それを見ていて思いだしたのが、リノベーションされた銀座ティファニーの外観。
この凸凹感。抵抗のある人もいらっしゃるかもしれないですが、ティファニーはシルバーメタルでとてもモダンです。
こちらは、天井の鉄骨に木材を取り入れ、外観も木材を使うことで、外国人向けに「和」が強調されています。
これは完全に隈研吾の戦略であるように思いました。
ティファニーのリノベーションも隈研吾が手がけ、なにかの賞を受賞しているはずですし。
それでこのティファニー的な不規則なリズムのような凸凹感を、あえて平板になりがちな建物にも取り入れ、動きをだそうとしたのかも、と・・・。
これは切妻屋根の平屋の建物を積み重ねたように作った、言わば下町の家並みの立体化とも読めます。
安藤忠雄のデビュー作「住吉の長屋」はコンクリート打ちっ放しで意表をつきましたが、ポストモダンの時代を経てさすがにコンクリートではなく、あえて木にこだわるところがおもしろいと思いました。
8階のテラスからはスカイツリーが見えたり、そういった借景も設計に考慮されているようです。
ご興味をお持ちになられた方は浅草寺にいらしたついでに、ぜひいちど・・・。
来週、下町散策ですか。
いいですね。
あの建物は、外観はすごいですが、中はこれから、といった印象を受けました。
建築家の美意識と、その町を生きる人たちの美意識は、もしかしたら違っているのかもしれないと、ふとそんなことを思ったりしました。
どうぞりょうさんの目で確かめていらしてください。
22日、高校時代の友人と暑気払い&下町散策を予定しているので、覗いてきます。
建造物は人間が作る一番大きな器。
小さな器作りとしては、とても興味あります。
古さと新しさが調和した浅草の夜を満喫しながら
一杯やってきます(笑)