ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

最近読んだ山の本

2006-02-03 11:14:17 | 四方山話
その1. 沢木耕太郎「凍」

著者の後書きによると、題名を決めるのに考え抜いた末、「闘」
の意味も持たせて「とう」にしたという。
実在のクライマー山野井泰史、妙子夫妻のギャチュンカン北壁
における1週間を越える苦闘の物語である。
帯にあるようにノンフィクションだが、克明な聞き取りと密着した
取材で描かれた「物語」は、まるでその場にいるような臨場感で、
息をつかせない迫力がある。
手足の指の殆どを失ってまで、なぜ山に登るのか?ここには本当
に山に取り憑かれたものにしか分からない何かがある。
ありきたりの「感動」という言葉ではいい尽くせない、久しぶりに
感銘を受けた本との出会い…「深夜特急」の耕太郎は健在でした。