晴れ上がった土曜日の朝、金剛山の花を見ようと車を走らせた。高天神社に着くといつもの駐車場所はすでに満車で、すぐ横の大きな無料駐車場に車を入れる。登山口でもある神社の前には工事用の車両が入り、新しい迂回路を行くように掲示が出ている。少し南へ歩き、伏見からくる道と合流して田圃の中を登ると、イノシシ除けの柵が設けられている。
戸を開いて傾斜を増した山道を登ると、右手にトトガネノ谷を見下ろすようになり、まもなく高天滝からくるいつもの道に合流した。
ゆっくりと急坂を上り消防署救援目標「いノ3」を過ぎた辺りからそろそろヤチマタイカリソウが現れる。下の方は花弁が枯れているものもあるが、登るにつれて日陰ではまだまだ美しいクリーム色を見せてくれる。
救援目標5を過ぎると以前より崩壊が進んだ場所が二ヶ所ほどあるが、ロープも張られて道もよく手入れされている。
ニリンソウ、ヤマルリソウなどの花を見ながら500段の木段道を登り切って、カヤンボからくる道と合流して一の鳥居にくる。ここまで数人の人が降りて来るのに出会っただけの静かな道だったが、大阪側から登る人が多いようで急に人が多くなる。今日は「ちはや園地」の花を見ようとダイトレ道に入る。
途中で一等三角点(1112.2m)のある湧出岳に登る。灌木帯を下ってダイトレ道に合流、大阪府最高地点(1053m)へも寄り道した。
少し下って展望台に登ってみる。先程降りてきた湧出岳が意外に高く、その左側に葛木岳が見える。南の三石山、南葛城、岩湧山の方はよく見えたが、大峰・大台の方は霞んでいた。
「カタクリの道」に入って下っていく。カタクリは殆ど終わり、シャクナゲも終わったものが多かった。
ロープウエイ駅前から「星と自然のミュージアム」へ登り返して、香楠荘横から今度は「シャクナゲの道」をロープ駅へ下る。
ゆるく蛇行する道の斜面に、ヤマブキソウの大群落、
続いてシラネアオイ、
ヤマシャクヤク、ニリンソウなど、この季節ならではの花が次々現れる。
ゆっくり写真を取りながらロープ駅に帰ると、いつもの八重桜がまだ咲き残っていた。
次第に人の増えた遊歩道を国見城跡へ歩く。社務所前も城址もその下の広場も人でいっぱいだった。広場ではボタンサクラが、城址では金剛桜が咲き残り、ウリハダカエデの花も風に揺れていた。城址の時計は正午近く、珍しく山頂部で2時間も過ごしたことになる。一段上の小広場にも人影が見えたが、ベンチに腰を下ろして昼食を済ます。今日はグループ登山が多いようだが、後から隣のベンチに座った女性に聞くとカトラ谷にはバスツアーの団体迄来ているそうだ。
転法輪寺と葛木神社に参拝し、もとの郵便道を下る。ヘルメットを冠った男性が一人、途中で追い越して行っただけの、また静かな山道だった。
今日一番の目的だったルイヨウボタンの花にも会えたし、満足して高天に帰る。「たまには、こんなのんびりムードの山行もいいね」と♀ペンが言った。