1992年11月2日、初めての山行から35年後、前日泊まった大台山の家を出ると美しい霧氷の世界でした。気温マイナス4℃。予定通り大杉谷へ向かいます。
日出ヶ岳山頂は強風で厳しい冬山の様相でしたがシャクナゲ平を過ぎると嘘のように姿を変え、穏やかな日差しが帰ってきました。
谷筋に降りると、日陰ではまだ雪や氷が残っていましたが、「以前は細い針金にすがって通過した七ツ釜手前岩壁の下りも、立派な太い鎖が取り付けられて、全く危険を感じない」と山日記に書いています。
秘境といわれた大杉谷はすっかり変貌していましたが、紅葉の山肌にかかる飛瀑、水や岩の色は昔と変わらぬ美しさでした。