92 白 髪 岳( 722m) <丹波高原西部>
(しらがだけ)美しい山容から丹波富士と呼ばれる、この地域での代表的な山である。山名については諸説あり、はっきりしない。隣接する松尾山には、別名・高仙寺山の由来となった高仙寺のあとや石仏群がある。
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1994年 4 月、近所の奥さんと 3人で二つの山を巡った。松尾山との分岐に車を置き、茶畑の中の林道を白髪岳に向かう。桜公園と名づけられた小広場では今が満開の桜が、さらに少し上ではエイザンスミレが出迎えてくれた。 30 分ほどで林道と分かれ、しっかりした山道となる。銀の採掘跡の洞穴を過ぎると勾配が強まるが、次はヤブツバキのトンネルで赤い絨毯を敷き詰めたような道を行く。
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ジグザグの登りはタムシバの白い花が慰めてくれて、知らぬ問に高度を上げる。タムシバは「尾根全体を真っ白に染めるので山名の由来となった」という説があるほどで、この山を代表する花と思われる。
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稜線に出ると露岩が現れ、やがて赤松の点在する岩場となる。際立った岩頭に登ると左右の緑の山肌は一面にタムシバの白を散りばめた美しい眺めだった。
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快適な岩の感触を楽しんで登るうちに、最後は笹原の中の一登りであっけなく二等三角点のある頂上に立った。周囲の展望はさえぎるものなく、北に多紀アルプス、東に三国ヶ岳、南に虚空蔵山、西に西光山など丹波の山々がぐるりと取り巻いている。
北へザイルの張られた急坂を下る。道の両側一面にショウジョウバカマの大群落が 200 m程も続く。ヤブツバキの咲くなだらかな尾根道になり、ピッチがあがる。北側の展望が開ける所で昼食をして、保福寺への道と分かれて松尾山へ。
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僅か 200 mほどだが木に槌って喘ぎながら登る。小広場になっている山頂は南北朝時代に山城のあった所といい、鬱蒼と雑木に囲まれ展望がないので小憩して出発。
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やや下った所に仙ノ岩という平らな大岩があり、正面に虚空蔵山と眼下に緑の田野が見渡せて壮大な眺めだった。女性二人は仰向けに寝て大きく山の空気を深呼吸。
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再び暗い林の中の急な下りを終えると、少し開けた墓地(卵塔群)、三基の石仏、松尾寺本堂跡と続く。不動の滝を見て流れに沿って下ると未舗装の林道となり、舗装路に変わるとすぐ朝の登山口に着いた。
一日中好天で、全行程が美しい花を愛でながらの恵まれた山行だった。
<コースタイム> 登山口 9 :40 …銀鉱穴跡 10 :17 …白髪山頂上( 722m )11 : 15~ 11 :35 …昼食 12 :10 ~ 45…保福寺分岐 12 :55 …松尾山 13 :05 …仙ノ岩 13 :20 …本堂跡 13 :50 - 14: 05 …登山口14 : 40