このユニークな外観の万華鏡は、トム&キャロル・パレッティー夫妻の新作「コスミック・カレイドスコープ」シリーズのひとつです。キャンバス地にアクリル絵の具をたらし、自由な流れと意図的な操作のバランスを取りながら、このような図案を生み出します。そしてそのキャンバス地を筒に巻いているのです。アクリル絵の具特有の鮮やかさ、マットな風合い、艶やかな表面と、彼ら特有の美しく加工された木部、艶消しの真鍮が組み合わされた独特の姿の万華鏡です。この作品はターコイズや赤紫、白などが組み合わされていますが、テーマごとに色合いや雰囲気に共通性はあるものの、同じ模様はまずないとのこと。キャロルさんによると、この万華鏡のインスピレーションを得たのは、ジャクソン・ポロックのアートからだそうです。絵の具を注ぎこむようにして抽象的な現代絵画を描いた20世紀前半のアメリカのアーティストです。キャロルさんは色や彩度に興味があり、この作品でも色と形のバランスを求めています。また、万華鏡を見る人が、そこにある色あいに何かを感じてもらいたいと思っています。
明るい光の下で見ると、ダイクロイックガラスの色合いが幻想的に見えています。
大胆にヴィヴィッドな色合い、独特の感性ですね。
ミラーの第三面には加工した木を使っていますが、そこもガラスの色を映し出す色合いに変化してマンダラ模様を囲みます。
オイルセルだからこそのオブジェクトの使い方があり、しかもそこに個性を映し出す表現力を感じて、さすがだなあと思わせるパレッティーさんです。