この2枚のパネル作品は、5月~6月にかけて、アメリカ、コヴィントンで開かれた「21世紀の万華鏡展」に出品されたキャロリン・ベネットさんの作品です。
ベネットさんは1978年から万華鏡作家として活躍してきました。スミソニアン誌で紹介された最初の7人のひとりで、今でも万華鏡を作り続けている作家さんです。 このスミソニアン誌を頼りに、コージー・ベーカーさんが万華鏡作家を訪ね歩き、作家やギャラリー、コレクターたちのつながりを作り出し、その集積が世界で初めての万華鏡展となり、万華鏡の本となったことを思うと、ベネットさんは、まさにアメリカの万華鏡の歴史を生きてきた感じですね。
万華鏡は現代のアートであると考え、素材もデザインも現代的な作品が特徴です。
万華鏡だけでなく、写真も彼女の表現のスタイルであり、ファインダーを通して自分の世界を作り上げている写真家でもあります。
そんなベネットさんが万華鏡をツールとして、これらのパネル作品を作りました。
対象物と、万華鏡を通して見たその映像とを組み合わせた作品ですが、すごくインパクトがあり、面白いなと思いました。 デザイン構成がさすがアーティスト! 選んだ素材もユニークだし、万華鏡の映像がこんな風に生かされることに、新しさも感じました。 作家さんが楽しんでいる雰囲気も伝わってきますね。
あと2枚。 こちらはクレヨンと芽の出た玉葱を素材に、万華鏡の切り口で作ったアートです。
ベネットさんのセンスには遠く及ばないけれど、ミラーを通して見る映像の面白さを自分でアレンジして遊んでみるのもいいかなと思いました。