東京・渋谷のBunkamuraで開催中の万華鏡展から、若林寛さんの作品です。 仕掛けと素材の面白さで大きくてユニークな作品を数多く手がける若林さんの作品が入口付近に展示されていました。
このほんわかと明るいオブジェクトは、遠目には透き通った水晶球のようで、古びた金属風に仕上げた万華鏡の筒、取り付けられた木製の渋い色の台座とあいまって、占い師の前にあってもおかしくない雰囲気です。
近づいて見ると、表面に白い繊維を樹脂で固めたような大きなボール状のオブジェクトです。若林さんに伺ったところ、ペットボトルをちぎって穴をあけたり、溶かしたリした破片をくっつけて、直径20cmのボール状にしたものだそうです。
底の方にフルカラーのLED を内蔵し、当たる光が色を変え、光を通過させて、不思議な雰囲気を醸し出しています。
2ミラーシステムで、先端にダイヤカットのクリスタルを吊るして、揺らぎが出るようにしています。
今日の運勢はどうでしょうか? バラ色に輝いていますが・・・
若林さんの説明を引用すると、「淡雪のように実体のないボールの質感を両手で感じながら少しずつ回転して見ます。映像は薄氷の貼った水面を思わせるような表現」とのこと。 白い繊維状の部分がレースのようにも見え、色のラインがアクセントになっています。きれいなシンメトリーも気持いいですね。
不思議な世界を演出するこの作品は、「夢ボール」というそうです。