この絵は、カレイドスコープ・ルネッサンスの立役者、コージー・ベーカーさんの本にも登場するバーバラ・ミッチェルさんの作品です。 このオリジナルを店内に飾っているのは、今年20周年を迎えた麻布十番の「カレイドスコープ昔館」です。
タイトルは"Katrina's Woodland Illusion" (カトリーナズ ウッドランド イリュージョン )
カトリーナが覗いているのが、「イリュージョン」という一世を風靡した万華鏡です。
今では良く見るタイプですが、考案したのはコージー・ベーカーさん。 ワイルドウッド工房が製作して、たくさん販売されました。
発売当初、次から次へと打ち上げられる花火のような映像が多くの人に驚きをもたらしたこの万華鏡を、この絵の少女は覗いています。
バーバラ・ミッチェルさんは、万華鏡をテーマにした絵画を残していて、ベーカーさんのカレンダー本「Kaleidoscopia」には猫がテレイドスコープを通して蝶を見ているというユーモラスな絵も載っています。
バーバラ・ミッチェルさんの絵には万華鏡が生み出す世界への愛着が感じられますが、それもそのはず、ご本人は多才な方で、万華鏡も製作なさる方でした。 特にSpectraSphere という投影式ポリアンギュラーの万華鏡で、1986年にブリュースター・ソサエティーの創造的作品賞(Award for Creative Ingenuity)を受賞しました。
カレイドスコープ昔館は1994年にオープンしましたが、コージー・ベーカーさんから品ぞろえや、作家の紹介などアドヴァイスを受け、アメリカのカレイドスコープ・ルネッサンスを日本で紹介し続けて来ました。 この絵画もコージーさんから勧められたものと聞いています。 店内のあちこちにコージー・ベーカーさんの時代を思い起こす懐かしい作品や、歴史的に価値のある作品も並び、そこに新しい作家さんの作品も加えられ、現在に至っています。 まだ日本であまり現代の万華鏡のことが知られていなかった頃、この店でたくさん万華鏡を覗いて学んだ作家さんも多いと聞いています。
ここは、万華鏡の世界に浸れるギャラリーです。 万華鏡の知識に詳しいスタッフがいます。 どうぞ、ゆっくり時間を取って訪れてみてください。