赤津純子さんの最新作「回廊」をご紹介します。 赤津さんは年末の恒例となった松屋銀座店での作品展で、この作品を手にとって見ていただきたいとおっしゃっています。
DMに書かれた赤津さんのメッセージです。
「手の中に納まる六角柱の塔に、アラベスク模様の<回廊>を秘めました。
空や海や風、草花の色を映して。
静かな瞬間を旅していただけましたら、幸いです。 」
「回廊」と名付けたのは、奥へいざなう、美しい回廊をイメージした映像表現からです。ガラスの精に導かれるように、その世界に入り込んで、組み合わされる美を楽しんでいただきたい作品です。
4枚に組んだ筒の3面に鏡、そしてもう一面は黒くて反射しない素材を使うと、横に繰り返す長い模様になります。
その上、その4枚をテイパードに組むことで、その帯のような映像に奥行きができ、奥へつながる輪のような映像になります。 ミラーをテイパードに組むというのは、ミラーの幅が均一ではなく、先の方が少し細くなっている状態で組み合わされているものです。
その角度の付け方で、模様もミラーシステムの形も変わってきますので、何度も試行錯誤の上、全体の大きさと映像表現の美しさがかみ合うようなサイズを決めるのだと思います。
ボディーは、自然を表すような青、緑、白が美しいガラスを六角柱のように組んでいます。小ぶりで軽くて、回しやすい万華鏡です。
透き通ったガラスの美しさに、細く引いたガラスオブジェクトが組み合わせられ、リズムのある模様を生み出します。
それぞれに色や形を変えたオブジェクトが、その万華鏡の個性を生み出します。 どんな映像がお好みでしょうか。 外観は似ていても、中の回廊の景色はみんな違うのです。 万華鏡の面白さですね。
赤津さんの繊細なオブジェクトには以前から定評がありますが、それにしてもこの重なり合いの模様の美しさ、変化する楽しさには、あらためて感動します。
この作品を含めた赤津さんの「光の贈り物」をぜひ作品展の会場で覗いていただきたいと思います。
会期: 2014年12月17日~23日
午前10時~午後8時 12月19日~22日は午後9時まで
最終日(23日)は、午後5時まで
場所: 松屋銀座 7F 遊びのギャラリー
中央区銀座3-6-1