アリゾナで開催されたカレイドスコープ・エキスポで、アリゾナならではの万華鏡が生まれました。 制作したのは、アリゾナ州ジェローム在住のシェリー・アンド・スティーブ・ホプキンス夫妻です。
その特徴は地元のサボテンを生かした万華鏡であること。 もともと木工の万華鏡を制作して25年の経歴をもつスティーブさんによる木の筒を飾るのは、サボテンの繊維です。
同じくアリゾナ州ジェローム在住のユニークなサボテンアーティストであるジョン・アンド・ローリ・ミーダー夫妻は、ウチワサボテンの一種である”プリックリーペア・カクタス”からデリケートで美しい繊維だけを取り出す方法を開発し、「砂漠のレース」としてアート作品を創っているそうです。
その「砂漠のレース」の繊細な模様を生かした万華鏡をホプキンス夫妻が制作しました。
オブジェクトセルをデザインするのはシェリーさん。 この作品ではオブジェクトにもサボテンの繊維が含まれ、独特の繊維の模様を生み出します。そのほか、銅、ランプワークによるターコイズ色のガラスオブジェクト、ビーズ、ダイクロイックフィルムやダイクロイックガラス、天然石、金属などの組み合わせで、映像もユニークで美しく展開します。
アリゾナの赤い岩の色と銅とターコイズの組み合わせは、この地域を表す色合いです。 (景観を損なわないためにその地域にふさわしいデザインで出店するマクドナルドがありますが、セドナでは世界で唯一「M」の色がターコイズ色になっています。)
先端のオブジェクトセルは滑らかに回転するので、筒を回す必要はありません。大きめのアイホールから見える2ミラーシステム、5ポイントの映像は、オイルセルで、透明感のある青、銅色の輝き、赤い岩を思い起こさせる天然石、そしてサボテンの繊維模様が組み合わされ、ゆっくりと流れ、この地を愛する人たちよって作られた万華鏡であることが伝わってきます。