今日ご紹介するのは「迷宮」という作品です。赤系と青系のオイルセルが見えていますね。覗き口は上部にひとつで、見える映像もひとつですが、この2つのオイルセルの映像が一度に見える不思議な作品です。
青い階段が手前に、その奥に赤い階段が見える立体的な映像展開です。
ミラーシステムが先にあってこの形になったのでしょうか?それともこの形の陶器から映像イメージを組み立てたのでしょうか? 伺うのを忘れました・・・・
青い階段が手前に、その奥に赤い階段が見える立体的な映像展開です。
ミラーシステムが先にあってこの形になったのでしょうか?それともこの形の陶器から映像イメージを組み立てたのでしょうか? 伺うのを忘れました・・・・
清野一郎さんは陶芸家としての経験と実績が豊富な方で、受賞歴も多い作家さんですので、さすがに筒のデザインで見せる陶の表現も多彩です。昨日ご紹介の和風の趣のある紅葉の万華鏡も素敵ですが、今日ご紹介する「薔薇窓」はまた少し雰囲気の違う作品です。 金彩で描かれているのはフランスの大聖堂。今年ルーアンで陶器と万華鏡の展覧会を開催なさった清野さんが帰国後、そのイメージを万華鏡に込めて創られたのだと伺いました。石造りの街、古い堂々とした教会・・・ヨーロッパの雰囲気をさりげなく伝える素敵なデザインに、映像への期待が高まります。
大きめの覗き口から視野いっぱいに広がる鮮やかな色彩の大きな映像は、この万華鏡の「薔薇窓」です。 色味の少ない静かな印象の本体を取り上げて覗くと、そこには圧倒されるような色の饗宴があり、引き込まれます。 薄暗い教会の中で目と心を奪われる薔薇窓と同じように。
狭い角度の2ミラーシステムと、第三面に少し反射する筒状のものを組み込んで、このような細かさと大きさを見せる映像になりました。 オイルセルの中に鮮やかな色のオブジェクトを入れて、美しい映像を生み出します。
清野さんはフランスでひとりの万華鏡作家さんを探し当て、交流を深めたそうです。その方はドミニク・ストラさんといって、コージー・ベーカーさんの初期の本にも紹介されている方でした。 1976年から万華鏡製作を初め、Apres la Pluie という工房名でたくさんの作品を製作し、20カ国以上に送り出したとされています。 日本でも持っている方がいるかもしれませんね。
清野さんが万華鏡を製作なさるようになったのは、ずっと後ですから、もちろん彼の名前もご存知ではなく、不思議なことに万華鏡作家がほとんどいない(!)フランスで偶然のような貴重な出会いだったのではないでしょうか?
舞い散った紅葉でしょうか・・・