庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

カイトと自由

2012-11-25 12:02:00 | 海と風

今日は穏やかな日曜日である。きわめて珍しいことに、家内と共に何の予定も入れていない。昨夜の夕食時は「丸一日、まったく何もしないで過ごすことができるかどうか・・・」などという他愛ないお話をし「それはまず不可能であろう」という結論に達した。

やはり、今朝も早くから目覚めて、紙の日のゴミ出しをしたり、S君のiCloudをXPマシンに導入したり、こんなことをしたりで、「何もしない」からはほど遠い午前中だ。やはり人間は基本的に動物(動く生物)なのだろう。

この連休(金・土)は忙しかった。しかし、先週末と異なり、ほとんど疲れが残らない種類の忙しさだ。121124h-s.jpg

まず、5時間もかけて徳島からやって来たIさんと、そろそろ板を履く段階になってきたS君、このお二人はすでに基本が身に付いていてほとんど気を使うことはない。

それに、初練習になるK君とお仲間の3人・・・風の様子は、地上練習にはまずまずの3m~6mで、初日は頭上安定が取れるほどの風ではなかったので、セットアップ(準備)やピックアップ(片付け)、セイフティ・コントロールの基本、リーシュの使い方、各部名称・・・など、ちょっと一度に多くのことを話しすぎたかもしれない。

二日目は、程よい風の中、K君は10㎡を使って安定姿勢から、ピッチコントロールも含めてバーの操作とカイトがどのように連動するかが少しは分かったのではないかと思う。他の方々も初めて感じる風の力用に笑顔が絶えなかった。これが最も嬉しいことです。

この2日間でインプットされた情報がどの様に消化されるかは、これからの練習次第だが、ともかく「自然はめったに急がない」し、このスメ[ツは、その外見上の激しさのわりには体力を使わない。つまり相当な年齢まで楽しむことができる。私は60代後半で、流れるようなウェイブライディングをこなす方を知っているし、海外では70代もけっして珍しくない。たぶんそのうち80代90代のカイトサーファーも現れるであろう。

要するに、年齢・性別に関係なく、それぞれのスタイルを大切にしながら自由にお付き合いすればよいのである。しようと思えば、こういう自由な考え方や生き方が可能な時代に生まれ生きていることを、私は、まったく有り難いと思う。

過去の人類の歴史は必ずしもそうではなかったし、「個人の自由」に最大価値を見出した近代以降も、この種の自由を簡単に手に入れることはできなかった。近代以降はなおさらと言った方が良いかもしれない。

そして、これらの自由や喜びは、多くの人々がそれを当たり前のことだと思って油断をすると、わりあい簡単に奪われてしまうものであるという用心も、心のどこかに置いておいた方が良いかもしれない。



自由からの逃走 1

2012-11-25 10:51:00 | 拾い読み
“The seeds of this isolation are planted by the Protestant doctrines of Luther and Calvin, who teach that man stands alone before God, not with the Catholic Church as an intermediary. Furthermore, they teach that man is essentially bad and must work in order to achieve or prove his salvation. Man is now free from the authority of the Church, but is now responsible for himself before a vengeful God.

- "Escape from Freedom by Erich Fromm Summary & Study Guide" by BookRags


 この(近代人の)孤立の種子はルターやカルビンのプロテスタント的教義によって植えつけられた。彼らは、カトリック教会という仲介者なしに、人間は神の前にただ一人で立つものだということを教えたのである。更に彼らは、人間は基本的に悪であり、救済を達成するには働かなくてはならないということも教えた。かくして、人は教会の権威からは自由になったが、執拗な神の下で自分自身に責任を持たなければならなくなった。

- 『自由からの逃走』  エーリッヒ・フロム著 スタディーガイド