(株)カプロラクタム-blog

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ICT調査の意義

2011年03月19日 | 震災
毎年恒例の文科省のICT調査を、休日返上してやっつけました。

上記リンクに詳しく書きましたが、簡単に言うと学校にパソコンなどの情報機器がどこにいくつあって、教員がどの程度パソコンを使えるかという調査です。はっきりいって余計なお世話なのですけど、全国調査のために判断基準を統一する必要があり、毎年同じ説明を受けるために授業を空けて出張しないといけませんし、全教室及び特別教室の情報機器及び設備を調べたり、全教員にアンケートをとって集計したりと、これによって年度末に情報主任にかかる負担は非常に重いものになっていす。しかも、調査結果がおかしいと国から呼び出しがかかってお叱りを受けるらしく、提出時に何か教育委員会レベルで手心を加えられているようで、調査前にも「お宅のPC台数や設置場所はこうこうこうなので、こう報告してください」というマニュアルまで配布される始末。そこまで把握しているのなら、教育委員会で適当にやってくれて一向に構わないのですが・・・

情報主任といっても、学校の校務分掌というのは「いきものがかり」のようなもので、別に好き好んでやっているわけではなく、部下がいるわけでも、手当てがもらえるわけでもありません。特に情報は、パソコンが使えそうな人に回ってくるわけですが、大学で専門教育を受けたわけではないですし、あくまで「学校の中で相対的にできる」「割合好き」というだけです。しかも、その人が異動になると次の人はさっぱり分かりません。例えば、転勤になって初めて出社した初日に社長から「この会社の情報機器を全て把握して、全社員に説明してから本社に報告してね。前の人の資料はあるかもしれないけど、誰も読んでないし私も知らないからヨロシク。」なんて無茶振りをされるようなものなのです。3月に調査し、基本的には4月報告なのですが、自分が初めて今の学校に来た時は前任者が何もやっていなかったので、冗談でなく本当にボスに上のようなことを言われました。

こんなに苦労して、パソコンが何台増えた、パワーポイント使って授業できる教員が何人増えた、なんて情報をまとめる意味が、果たしてあるのでしょうか。現状、岐阜ではほぼ教員1台+学級1台+PC教室に生徒1台分が整備されていますし、成績もパソコンですからワードやエクセルレベルなら100%使えています。それで十分なのではないでしょうか。まあ、パソコンも数年も経てば「あるけど使えない」ものも増えていきますし、パソコンを使えるようになった職員がいたとしても数年で転勤しますから、結果は当然変動しますけど、全体として何割増えたかが知りたいのであれば、毎年学校単位でやる必要はなく、全く意義を感じられません。特に今回、この大震災の後の東北地方では、折角整備した情報機器もほとんどダメになっているでしょうし、調査自体ができない学校も多いのではないかと思います。そんなことは、調べるまでもありませんよね。
ちなみに、昨年のスクールニューディール経済対策等、国が動いて導入された備品は、市町村では勝手に処分できない決まりもあるそうです。「仙台の○○小学校さん、昨年まで国の整備事業でPCが100台あったはずですが、今年は0台になっているのは何故ですか。」「津波で全部流されました。」「国の予算で買ったPCは勝手に破棄してはいけません。昨年入れたばかりなのですから、必ず全部回収し、壊れていても100台と計上してください。(○○小は100台と・・・)」なんてやり取りを、本気でするつもりなのでしょうか。はっきり言って無駄です。

むしろこの全国調査にかける予算や電力を被災者救済に回した方が絶対良いと思うのですが・・・