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囲碁電王戦

2016年11月23日 | 時事
趙名誉名人が勝利=AIに2勝1敗―第2回囲碁電王戦
1勝決めただけでも大ニュースですね。ついに日本の技術もここまできたか・・・・

3月にアルファ碁が韓国のトッププロに4勝1敗で勝ち越しましたが、グーグル自身は今後このまま囲碁を極めていくというより、人工知能を他分野に応用させる方向にベクトルが向いているようです。しかし今回のAIは「天頂の囲碁」という市販ソフトの思考エンジンをベースにしているため、今回の対局と研究を踏まえ、来年にはプロに通用する市販ソフトを開発してくれることでしょう。既に市販されている「天頂の囲碁6」でも既にアマ8段の実力があり、その後発売する予定だったライバル社の「最強の囲碁」シリーズの最新版を発売日未定に追い込んだ(つまり天頂の方が強かった)伝説まで打ち立てていましたからね。囲碁ソフトなんて自分が覚えた頃は10級もなかったのになあ・・・初心者でもそこそこ勝てるから買うか~という動機から、ソフトの打ち手を見て勉強するか~という時代に変わってしまったわけですね。確かに今回の3番勝負、AIの序盤の打ち方は見ていて非常に勉強になりました。厚みって強いのだなあ・・・

ちなみに1局目は棋譜だけ見て、2・3局目は生放送で見ていました。1局目はどうやら死活が読めていなかったようで、序盤の形勢は良かったものの逆転勝ちとなった模様です。コンピュータの読み方は基本的に総当りなので、例えば10数手かかる石塔シボリのような定型の手筋でも気づかないことがあるそうです。つまり手数の長い大石の攻め合いに持ち込めば勝機があるということなのでしょう。しかし2局目は徹底した厚み作戦で相手を狭い所に追いこんでいき、最後に中央の大石を丸取りして完勝でした。趙治勲といえばシノギの碁で有名なのですけど、人間の弱点とも言うべき「秒読みに入った際のミスやうっかり」をAIがうまくついたという感じでした。そして今日の第3局では、第2局と同じく終始AIが有利と言う形勢で終盤までいっていたようですけど、解説の井山6冠によるとヨセの段階で既に趙先生持ちだった模様です。プロにはAIの評価値に現れない終盤の発展性のようなものまで見えているのでしょう。投了場面でも正直どちらが優勢か分かりかねるレベルの棋力なのは口惜しいですが(笑)どう打っても数目たりないと読みきったのでしょう。AIは劣勢だからといって勝負手を放つということがないらしいので、その辺のバカ正直さにもまだ開発の予知があるのかもしれません。

総合すると、既に現時点でトッププロレベルの実力は十分備わっていると言っても過言ではないでしょう。2年前は3子で相手にならなかったわけですからものすごい成長です。人間はここから大幅な進化というのは難しいかもしれませんが、AIはスペックを上げればもっと読みが強くなっていくでしょうし、来年にはもう1勝もできない可能性までありますな。末恐ろしい話です。

あ、とりあえず自分、初段に互い戦で勝てるようになりました(笑)