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囲碁世界戦決勝進出

2017年11月15日 | 時事
【囲碁】井山裕太七冠、世界最強の中国棋士破り決勝へ LG杯朝鮮日報棋王戦
国内では敵なしの井山七冠ですが、これでようやく世界でも認められてきそうですね。

柯潔は言わずと知れた世界ランク1位の棋士で、若干20歳ながらここ3年間トップを維持しています。井山はレーティングサイトによって色々ですが最大5位から20位台と、総じて中韓の棋士には押されている印象です。ただしこれには一応理由があって、日本の棋戦はそれだけで十分儲かってしまいますから(笑)わざわざ遠征してまで出稼ぎをする必要がないことと、タイトル戦は2日かけて打つものが多く、その移動日やセレモニーなどを含めるとかなり活動に制限が加わってしまい、中国や韓国で主催される世界戦には物理的に出場しにくくレートポイントを貯めることができないという事情があるため、日本の棋士は全体的に低めになってしまうのですね。逆に柯潔は中国国内棋戦では余り積極的でないようで、世界ランキングで目立つために世界戦を中心に活躍している棋士のようです。そうはいっても井山と柯潔の公式戦直接対決は、これまで自分の知る限り1勝3敗と大きく負け越しているのもまた事実です。井山以外の日本の棋士も、世界ではほとんど勝てていないというのが偽りのない現在の日本の実力でしょう。まあ井山も国内タイトルを総なめにしたことで年間対局数自体はかなり減っていると思うので、近年は積極的に世界戦に出るようになっており、今年初めにあった棋戦でも柯潔に初勝利をあげていましたし、このLG杯は日本の3大棋戦に並ぶ賞金が出る大きな大会のため、是非勝って欲しいと願っていました。

棋譜は野狐囲碁で見ることができます。柯潔といえば今年の5月にアルファ碁2.0に負けて以来AIの手を盛んに研究するようになり、今回も地に辛い両三三という珍しい手を打ってきました。現在のルール上(コミ6目半)では、どうもAI的に白番が有利ということなので、堅実に行こうという作戦なのかもしれません。対する井山は高中国流という中国囲碁が大躍進を始めた初期の頃の布石を選択。序盤から中盤にかけて一進一退の攻防が続き、100手の時点では左辺を取り込んで白がやや優勢なのかなと思いましたが、どうやら右辺の攻防で白番に見損じがあったらしく、125手の時点で右下4分の1の白の大石が全滅する大事件になってしまいました。囲碁は一手で大損することもある恐ろしいゲームです。これで黒がざっと15目ほどリードしたため、後は逆転されないように安全運転で最後まで守りきったといった感じの内容でした。ちなみにココ野狐囲碁は要所要所で中国AIの候補手(勝率)とプロの解説(中国語)が入るので、非常に分かりやすいです。自分にプロの碁を読み解ける棋力があるわけではないので悪しからず(笑)

決勝戦は、謝爾豪四段という19歳の若手中国棋士と戦う模様です。井山とは初手合いのようですが、少なくとも柯潔よりは弱そう・・・来年2月に3番勝負で戦うようなので、かなり期待が持てそうですな。井山8冠の誕生が楽しみです。