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南北首脳会談

2018年04月27日 | 時事
首相、南北首脳会談を評価「具体的な行動、強く期待」
とりあえず、無事に行われた模様です。

島国日本の感覚でいうと、海外の首脳と会談を行う際には政府専用機で飛び立ち、空港から会場までも最上級の警備が敷かれ、ようやく会えるるわけです。金委員長もついこの間中国へ行っていましたが、緘口令とともに駅での様子を撮影されないよう窓を全て封鎖するなどの超厳戒態勢が記憶に新しいですね。しかし韓国と北朝鮮の場合は、以前に脱北兵が逃げ込んだことで有名になった板門店(パンムンジョム)という施設にお互いの国土を通って出向き、徒歩で迎え入れるという特殊な形式で行われた模様です。
この施設、まさに今回のために存在していたかのような場所ですが、そもそも65年前に朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた場所であり、それ以降はお互いの交流を図るためというよりもむしろお互い協定を遵守しているか監視する施設として存在していた場所のようです。38度線と呼ばれる軍事境界線は大部分がフェンスあるいは鉄格子で遮られていますが、この板門店の敷地内にある境界にはソレを示すでっぱり以外は何もなく、越えようと思えばいつでも越えられるようになってます。もちろん違法に脱出できないよう通常は厳重に警備されているるわけですが、今回はその地の利を活かし、お互い手を取り合って韓国と北朝鮮を行き来するパフォーマンスも取られたとか。緊張・融和は言葉で語るよりもむしろこういったジェスチャーで示したほうが一目瞭然ですね。この行動によって融和路線であることが確認され、後に行われる会談でついに「休戦」でなく「終戦」へ向かうという、非常に歴史的な意味の深い1日になったようです。

この会談で拉致被害者の話題が出なかったことで、日本外交の失敗だとかいう人がいるようですが、そもそも趣旨が違いますし、国同士が当事者の最も大事な問題について目的をもって話しているときに第三者がしゃしゃり出て違う話題を割り込ませようとするのは失礼でしょう。現在の北朝鮮と韓国の戦争(休戦)状態が終われば、今までのような軍備拡張の必要もなくなるわけで、日本もミサイルの脅威にさらされる状況が緩和されるというメリットがあります。核の放棄というのは戦争を終結させた後で成り立つ議論であり、拉致問題はどう考えてもその後でしょう。段階としてまず「終戦」して軍事衝突の可能性をなくし、お互いの平和を脅かさないことを確認した上で、その他の議題に入るのが筋というものです。過程をすっ飛ばして成果を求めるのはおかしいですし、そんなことをいう人は大量の蚊を伴った人に蚊帳の中に入ってきて欲しいか考えるべきでしょう。蚊帳の外ではなく、蚊帳に入って話し合う前に、まず相手の体中についている蚊(核兵器)を落としてもらわないといけないということです。段階が違うということが分からないのでしょうか?

拉致被害者が年齢的に後がない状況も分かりますけど、日本にとって最悪なのは北朝鮮と韓国が協力して日本は敵だ、と言い出すことです。今回の会談をプラスに捉えて慎重に交渉を進めていき、少しでも良い関係を築いた上で解決の糸口を探っていくしかないですね。