(注1)「8年間12億6千万円」という数字は、朝日新聞の報道によります。
(注2)「9億円」という数字は、鳩山首相の母が毎月1500万円仕送りしたという毎日新聞報道
に5年間を掛けた数字です。
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毎日新聞の記事を◇印の下に転載します。
<「政治資金という認識はない」という不自然な弁明>
鳩山首相のおかあさんは、「資金を何に使うか知らなかった」といっているそうです。当時の鳩山由紀夫衆議院議員の公設第1秘書の「資金が集まらない」ということばを伝聞して、毎月1500万円の仕送りを始めたという。
公設第1秘書とは、「国会法」に基づく身分です。その給与は、「国会議員の秘書の給与等に関する法律」に基づいて衆議院が支払います。こういう身分である公設第1秘書に渡す月額1500万円ですから、政治活動に使われると思うのが常識でしょう。しかし、鳩山首相のおかあさんは知らなかったという。しらじらしいですね。認知症でしょうか。認知症なら上申書を出す能力がないはずです。
<9億円仕送りは「金銭貸借」か「脱税」か>
「何に使うか知らなかった」にしても、毎月1500万円を息子に仕送りすることが贈与税の対象であることは知っているにちがいありません。資産家は、贈与税と相続税にはたいへん敏感です。できるだけ税金を払わずに、自分の子どもに資産を受け継がせていくことに、常に大きな努力を払っています。これは受け継ぐ立場の子どもの側も同じです。
下の転載記事では、約9億円のお金が5年間にわたって仕送りされてきたといっています。この間に、子ども側からおかあさん側へ、適切な金利が支払われていなければ、親子間の「金銭貸借」の認定が成り立ちません。
従って、意識的であるかどうか、計画的であるかどうかを問わず、この9億円は「脱税」といえるでしょう。摘発の後に税金を支払ったところで、脱税という事実に変わりありません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鳩山首相実母が上申書提出 「使途は知らず」と
毎日新聞 2009.12.16.朝刊
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金問題で、首相に資金提供した実母(87)が15日夜、弁護士を通じ上申書を東京地検特捜部に提出した。資金提供に至った経緯を説明したうえで「息子を応援しようと思ってやった。資金を何に使うか知らなかった」と偽装献金への関与を否定する内容とされる。また、実母からの資金提供が約8年前に始まったことも新たに判明した。
特捜部は近く首相側からも上申書の提出を受け、会計事務担当の元公設第1秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)で来週中に在宅起訴する方針を固めた模様だ。
関係者によると、元公設第1秘書は約8年前、「資金が集まらない」と周辺に打ち明けた。これが鳩山家の関係する公益法人の幹部を介して実母側に伝わり、資金提供が始まったとされる。提供額は毎月約1500万円、年間約1億8000万円で、08年までの5年間の総額は約9億円に上る。
上申書で、資金提供を始めた事情や資金提供額に触れたうえで「息子を応援しようと思い続けた。何に使うかは知らなかった。政治献金とは思っていない」などと説明しているという。また特捜部は、会計責任者だった元政策秘書については、事務にまったくかかわっておらず、名目上の責任者に過ぎないとして嫌疑不十分で不起訴にする方針。特捜部は「(故意がなくても)重大な過失で虚偽記載を招いた場合は禁固5年以下または100万円以下の罰金」と規定した同法違反(重大な過失)に該当するかどうかを調べていた。首相については嫌疑不十分で不起訴とすることを決めている。