(注1)「8年間12億6千万円」という数字は、朝日新聞の報道によります。
(注2)「9億円」という数字は、鳩山首相の母が毎月1500万円仕送りしたという毎日新聞報道
に5年間を掛けた数字です。
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相続税法から贈与税関係条文をリストアップしました。青字は私のコメントです。
(贈与税の納税義務者)
第1条の4 次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務がある。
1.贈与により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
①鳩山首相はこの条項の「納税義務者」に該当します。
(贈与税の課税財産の範囲)
第2条の2 第1条の4第1号又は第2号の規定に該当する者については、その者が贈与により取得した財産の全部に対し、贈与税を課する。
①鳩山首相がおかあさんからもらった9億円は全額、贈与税の対象(課税価
格)になります。
(贈与税の課税価格)
第21条の2 贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第1条の4第1号又は第2号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
①鳩山首相のケースは、毎年1億8千万が課税価格になります。
(贈与税の非課税財産)
第21条の3 次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
6.公職選挙法(昭和25年法律第100号)の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で同法第189条(選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がなされたもの
①鳩山首相のケースは、この条項に該当するとして「虚偽の政治資金報告書」
を提出しました。
②虚偽ですから、この条項には該当しません。
③この虚偽報告行為は「税金逃れ」になりますから、贈与税申告という観点で
は、下記の第68条にいう「偽り」に該当すると思います。
(贈与税の基礎控除)
第21条の5 贈与税については、課税価格から60万円を控除する。
(贈与税の税率)
第21条の7 贈与税の額は、前2条の規定による控除後の課税価格を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。
200万円以下の金額 100分の10
200万円を超え300万円以下の金額 100分の15
300万円を超え400万円以下の金額 100分の20
400万円を超え600万円以下の金額 100分の30
600万円を超え1000万円以下の金額 100分の40
1000万円を超える金額 100分の50
①鳩山首相のケースは、毎年1億8千万円で、これから60万円を控除した1億
7940万円が課税価格になります。納付するべき税額を計算すると、1年当た
り8,745万円です。
②5年分で〆て、不申告・不納付=脱税金額は4億3,725万円です。今回はこれ
に延滞税などが付加されるでしょう。
③12月16日付け毎日新聞朝刊では「5年間9億円」となっていますが、同じ記
事の中で母親の仕送りが「8年前に始まった」としています。8年分となれ
ば、贈与金額は14億4千万円で、納付すべき税額は約7億円になります。
(贈与税の申告書)
第28条 贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税の課税価格に係る第21条の5、第21条の7及び第21条の8の規定による贈与税額があるとき又は当該財産が第21条の9第3項の規定の適用を受けるものであるときは、その年の翌年2月1日から3月15日まで(同年1月1日から3月15日までに国税通則法第117条第2項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないでこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に、課税価格、贈与税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所得税務者長に提出しなければならない。
(納付)
第33条 期限内申告書又は第31条第2項の規定による修正申告書を提出した者は、これらの申告書の提出期限までに、これらの申告書に記載した相続税額又は贈与税額に相当する相続税又は贈与税を国に納付しなければならない。
第68条 偽りその他不正の行為により相続税又は贈与税を免れた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた相続税額又は贈与税額が500万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、500万円を超えその免れた相続税額又は贈与税額に相当する金額以下とすることができる。
①鳩山首相の政治資金虚偽報告行為は、贈与税申告という観点では、第68条に
いう「偽り」に該当します。
②悪意の有無の問題を除いて好意的に見ると、「贈与税申告と納税をしなかっ
た」という不作為の行為は、第68条にいう「その他不正の行為」に当たるも
のと思います。
第69条 正当の事由がなくて期限内申告書をその提出期限内に提出しなかつた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
①鳩山首相への贈与は8年前に始まったということです。「知らんふり」を8
年間継続してきて、「検察捜査の結果待ち」という言い分で、いまだに納税
していません。
②鳩山首相のケースはこの条文に該当すると思いますが、そうはならないよう
です。