川本ちょっとメモ

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自民党がテレビ局報道姿勢に注文(原文掲載) テレ朝が評論家の出演取り消し

2014-11-29 18:08:05 | Weblog


産経ニュースが、評論家のテレビ出演について次のように伝えました。同様のニュースは毎日、朝日、ほかの地方紙も一斉に伝えています。

これは、自民党から11月20日付でテレビ各局に送付された「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」の結果によるものと見られています。安倍自民党による「報道圧力」行為に注目です。

この自民党要請文の効果について、元日本テレビ・ディレクターの水島宏明さんがYahooニュース『自民”牽制”による効果? テレビ朝日はひるんだのか!?』で、くわしく解説しています。

ブログ末尾に自民党要請文の原文を資料記載しておきますので、水島宏明氏のくわしい解説と併せてお読みください。


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「朝まで生テレビ!」で荻上チキと小島慶子の出演中止 テレ朝「公平性を担保できなくなる」
産経ニュース 2014.11.29 07:38

 衆院選をテーマにしたテレビ朝日系の討論番組「朝まで生テレビ!」(29日未明放送)で、パネリストとして出演予定だった評論家の荻上チキさんが「質問が一つの党に偏り公平性を担保できなくなる恐れがある」としてテレ朝側から出演を取り消されていたことが28日、荻上さんへの取材で分かった。タレントの小島慶子さんの出演も取りやめになり、パネリストは政治家のみとなった。荻上さんは「議員だけでないと中立性を保てないというのでは討論番組の幅を狭めてしまう」と疑問を呈している。

 衆院選のテレビ報道をめぐっては自民党が出演者の選定や街頭インタビューなど具体的な項目を挙げ、選挙期間中の報道の公平性を確保するよう求める文書を解散前日の20日付で在京各局に渡していた。テレビ朝日広報部は「放送に至る過程については、従来お話ししていません」としている。

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自民党によるテレビ局への報道圧力、メディア各社が後追い報道
2014年11月28日(金)【ノーボーダー編集部】
http://no-border.co.jp/archives/29153/

 26日の「ニューズ・オプエド」内で速報として報じた自民党幹部による在京テレビキー局への報道圧力について、共同通信など大手メディアが27日夜から一斉にスクープとして同じ内容を伝えている。

 朝日新聞と毎日新聞、東京新聞は28日朝刊の社会面で報じ、自民党やこれを報じなかったテレビ局も批判する内容となっている。一方、日経新聞と産経新聞は小さいベタ記事のみで、読売新聞は一切報じていない。

 ノーボーダーでは26日の「ニューズ・オプエド」放送後にスクープ内容を記事にしたが、当該記事は5000件以上ツイートされるなど急速に広がっていた。

 ネットでは、「自民党のメディア支配はここまで酷いのか」という声が大勢を占めるなか、「これの何が圧力と言えるのかわからない」「公正な報道をしろというのは当たり前のことだ」などという声もあった。しかし毎日や朝日、東京の各新聞の報道は、ことの重大性を認識したものとなっている。

 なお、問題の文書が送付されたのは20日であり、大手メディアはその存在を知っていたものと思われるが、ノーボーダーが26日に報じるまでは一切報じていなかった。

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自民党の「報道圧力」文書の裏に安倍首相あり!?
境界なき記者団 NOBORDER 2014年11月28日(金)【イッシン 山口】
http://no-border.co.jp/archives/29172/

 自民党が在京テレビキー局各社に対して、報道圧力ともとられかねない文書を送っていたことが26日、ノーボーダーの報道によって明らかになった。

 大手メディアは当初、沈黙していたが、28日になってようやく新聞各紙も後追いした。

 だが、肝心なことが書かれていない。この文書が出された背景についてだ。一応、部下の萩生田光一・筆頭副幹事長と福井照・報道局長の連名になっているが、安倍首相本人の強い意向が影響していることは明らかだ。というのも、申し入れ事項の中にわざわざ〈街頭インタビューなどの映像で偏った意見にならないよう公正を期すこと〉という文言が入っていたからだ。

 文書は20日付で送られている。実はその2日前の18日、解散表明の会見を終えた安倍首相はテレビ各局に出演し、そのうちのひとつTBS「NEWS23」の番組中にこんなことがあった。

「アベノミクスで景気回復を感じているか」という街頭インタビューのVTRが流れ、最後に紹介された主婦と思しき2人の女性が代わるがわるに、

「全然、アベノミクスは感じてない」
「大企業しかない分からへんのちゃう」

としゃべったところでスタジオに戻った。すると安倍首相が突如顔色を変え、キャスターの岸井成格さんの発言を制してこんなことを言い始めた。

「これはですね。街の声ですから、みなさん選んでるんだと思いますよ……」

 要は、アベノミクスに批判的な声を選んでVTRを編集したと言いたいのだ。あげくの果てに、

「だってね、いろんな方がいらっしゃいますが、中小企業のですね、小規模事業者の方がテレビで、名前を出して、『儲かってます』というのは相当の勇気がいるんですよ……」

とまで言い出すしまつだ。

 街頭インタビューというのはまさしく街の声、世の中の人がどう思っているかを生の声で伝えるものだ。「偏っている」かどうかは、世論を反映しているかどうかにかかっている。

 例えば、TBSがキー局のJNNが11月1日、2日の両日に行った世論調査では、アベノミクスによる景気回復について89%の人が「実感がない」と答えている。産経新聞社とFNNの合同世論調査でも81.0%が、やはり「景気回復を実感していない」と答えている。つまり、ほとんどの人が景気回復など実感していないということだ。

 一方、安倍首相がムキになって反論したVTRには6人が登場し、うち3人が「誰が儲かってるんですかね。僕は全然、感じない」と完全否定で、1人が「株価も上がってるし、効果あったんじゃないですか」とアベノミクスを肯定した。残り2人のうち1人は、給料が上がった実感はないが「仕事は増えてきた」と言い、もう1人は、いまのままでは景気も良くないので「解散・総選挙で問い直すのはいいんじゃないですか」と解散を評価していた。

 あえていえば、「◯」が1人(16.6%)で「×」が3人(49.9%)、「△」が2人(33.3%)ということになる。世論調査の数字と比較すると、むしろ「安倍寄り」ではないか。もし、「景気回復で儲かってますよ」という意見ばかり紹介したら、それこそ偏向になってしまう。

 ところが狭量な安倍首相は最後の女性2人が許せなかったようだ。

 よっぽど気に障ったのか、その後も延々と反論を続け、「事実、6割の企業が賃上げしているんですよ」「全然、(VTRに)反映されてないじゃないですか」「おかしいじゃないですか」などとまくし立てた。


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                          平成26年11月20日

在京テレビキー局各社
 編成局長 殿
 報道局長 殿

                      自由民主党
                      筆頭副幹事長 萩生田 光一
                      報 道 局 長  福 井 照


      選挙時期における報道の公平中立ならびに
     公正の確保についてのお願い



  日頃より大変おせ括になっております。

 さて、ご承知の通り、衆議院は明21日に解散され、総選挙が12月2日公示、14日投開票の予定で挙行される見通しとなゥております。

 つきましては、公平中立、公正を旨とする報道各社の皆様にこちらからあらためてお願い申し上げるのも不遜とは存じますが、これから選挙が行われるまでの期間こおきましては、さらに一層の公平中立、公正を旨とする報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます。
                                                        
 特に、衆議院選挙は短期間であり、報道の内容が選挙帰趨に大きく影響しかねないことは皆様もご理解いただけるところと存じます。また、過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い,それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあったところです。

 したがいまして、私どもとしては、

  ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
  ・ゲスト出演者等の選定についても公平中立、公正を期していただきたい
   こと
  ・テーマについて特定の立場から特定出演者への意見の集中などがないよ
   う、公平中立、公正を期していただきたいこと
  ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の
   政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していた
   だきたいこと

――等について特段のご配慮をいただきたく、お願い申しあげる次第です。
 以上、ご無礼の段、ご容赦賜り、何とぞよろしくお願い申し上げます。

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