2016年11月17日、安倍首相とトランプ米国次期大統領の会談が、わが国だけでなく並みいる諸外国の注目を集めました。18日~21日の外交日程を考慮に入れたトランプ氏訪問でしたから、安倍首相にとって大きな成果です。
安倍首相は11月18日、ペルーを訪問してクチンスキ大統領と会談しました。11月19日・20日は同国首都リマでAPEC首脳会議があり、21日にはプーチン・ロシア大統領との会談、21日にアルゼンチン訪問が予定されています。
大統領選中に語られてきたトランプ政策は従来のアメリカとは大きく異なります。そのうえ政治歴がないので、世界中がトランプの米国を注視しています。日本の現在の安倍路線にとっても、経済政策のTPP、日米安保、対中外交のうえで、政権の安定度をゆるがしかねません。
安倍首相にとってはリマAPECの前にトランプ会談を実現して、トランプ氏との間に、相互に政治的感触を得、相互に値踏みをし、相互に友好的人間関係の端緒をつかむことが緊急事でした。
安倍首相のトランプ氏へのスタートダッシュはこのような観点で、日本の指導者としては国内で評価の高いものでしょう。しかしながら安倍路線を貫く目的での会談ですから、安倍批判の立場に立てば、歓迎できるところがありません。
沖縄基地問題はどうなる? TPP推進で食品の遺伝子問題はどうなる? TPP推進で医療費・薬品価格はどうなる? 南スーダンPKOは海外武力行使の突破口か? 原発推進政策も年金削減政策も介護保険適用切り下げもそうですが、安倍路線には国民生活のプラスにならないことが山ほどあります。