川本ちょっとメモ

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高齢者運転事故続発……自動車メーカーには製品責任がありませんか? 国土交通省・警察庁には製品改良・補助装置普及の責任がありませんか?

2016-11-28 23:30:23 | Weblog
2016/11/21
免許保有者事故1位16~19歳、2位75歳以上、3位20~24歳 / 運転操作不適事故1位75歳以上、2位40~49歳、3位50~59歳
2016/11/23
2005年(H17)高速道路バイク2人解禁に見る交通政治とバイクメーカー
2016/11/28
高齢者運転事故続発……自動車メーカーには製品責任がありませんか? 国土交通省・警察庁には製品改良・補助装置普及の責任がありませんか?
2016/11/30
国土交通省交通政策審議会報告書の「踏みまちがい防止装置」で高齢者のアクセル「踏みまちがい件数」は減りません



朝日新聞デジタル記事 2016/11/28 19:10
78歳運転の車が急発進、2人はねた疑い

 乗用車を急発進させて20代の男性2人をはね、軽傷を負わせたとして、大阪府警は28日、同府羽曳野市はびきの4丁目の無職の男(78)を、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「車を駐車させる際にフェンスにぶつけ、あわててアクセルを一気に踏み込んでしまった」と供述した。28日中に釈放したという。

 羽曳野署によると、男は28日午前8時55分ごろ、自宅近くの市道沿いの診療所の駐車場に車を止めようとした際、車の後部がフェンスに衝突し、直後に急発進。道を横切って自転車に乗っていた1人をはね、さらに急ハンドルを切ってUターンする形で診療所北側の歩道に乗り上げて歩行者をはね、2人に打撲などを負わせた疑いがある。

 車は学習塾のシャッターにぶつかって停止した。男に認知症などの病気は確認されていないという。

  ◇   ◇   ◇

ベビーブーム世代が後期高齢世代に

2006年9月27日、厚生労働省の「介護施設等のあり方に関する委員会」第1回が開催されました。その資料4 今後の高齢化の進展~2025年の超高齢社会像~ の冒頭には、「平成 27(2015)年には『ベビーブーム世代』が前期高齢者(65~74 歳)に到達し」とあります。

「べビーブーム世代」はその成長に伴って常に、日本の特徴的な社会現象を表してきました。この世代が中卒高卒の年齢時期に達してからというもの、日本経済の高度成長期を実現する労働力として大きく貢献してきました。この世代の貢献がなければ日本経済のこんにちは無かったはず。しかし日本社会はかつてのこの世代の功労を顧みることなく、社会問題や財政問題を悩ます対象として認識するようになりました。

高齢者の自動車運転加害事故が続発して、これについても社会的な問題と認識されるようになりました。ただ、今のところ社会の反応は、高齢者運転事故加害者の無謀運転に対する非難と、高齢免許保有者への運転免許返上運動が始まったことくらいに止まっています。いずれも高齢者個人の責任を追及する事柄です。


75歳以上免許保有者の「運転操作不適」事故死率は24%
自動車メーカーに製品責任、監督官庁に行政責任

警察庁の統計にある「運転操作不適」事故死は343件、うち75歳以上運転当事者が84件で、24%の比率を占めています。「運転操作不適」項目の内訳はわかりませんが、ペダルの踏みまちがいはこの項目に入るでしょう。

この統計を見ると、高齢者のうちでも「75歳以上運転者」がからむ事故死率がほかにくらべて大幅に高い。若い人は「高齢者(65歳以上)は運転するな」と思うかもしれません。けれども同じ若い就労世代でも、地方居住者は単純にそうは思っていません。車なくして生活が成り立たず、自分たちの親世代が免許証を取り上げられたら、自分たち自身の生活に負担がかかるからです。

こういうわけで、高齢者の安全運転の方策を講じることは地方生活者にとって日常生活の質を保つために必須なのであり、厚生労働省の主要な高齢者政策である「健康長寿」増進にとっても、高齢者の外出交流や自立生活は大切な事柄です。さらに高齢世帯のみならず、その子世代の生活にも影響を与える社会問題なのです。

社会問題にまで広がっていることについて原因を追及すれば、「運転者の誤動作を引き起こしやすい運転操作系統」という製品問題に突き当たります。メーカーは改良責任を自覚するべきでしょう。監督官庁はまた改良装置の開発普及を図る行政責任を自覚するべきでしょう。


ペダルに問題がある

高齢者運転事故では、物損事故と人身事故のいずれにあっても、アクセルとブレーキの踏みまちがいが原因であるとニュースで伝えられています。このペダル踏みまちがいにニュース価値があるらしく、ほかの事故原因は余り伝えられていません。

ペダルの踏みまちがいではありませんが、私も非常に焦った経験があります。四十近くの年ごろのことでした。通行車両が少なく、車間距離が十分にあった直線道路で、アクセルペダルに乗せていた右足がすべって足の甲が左に傾き、傾いたままで左のブレーキペダルの下に少し入ってしまいました。一瞬か二瞬かの間、アクセルとブレーキの間に挟まって抜けなくなったのです。幸いに一息か二息の間に足が抜けました。お尻の運転席への座り方に問題があり、そのせいで足の付け根から足首までの動き方に影響を及ぼしたものと、あとで考えました。

このときの経験では、ちょっとしたミスでペダルの間に足先が落ち込んで危ない思いをするなど、製品としての欠陥ではないかと思いました。自動車は簡単に人を死傷させる危険物です。運転者の人為ミスを避けるためのフェイルセーフを追及しつづけることは、自動車メーカーの使命でしょう。


マニュアルシフト車なら…

高齢者のペダル踏みまちがい事故には、製品欠陥としての要素があります。非常に稀なケースですが、駐車場ビルから転落した車だってありました。そしてこれは、オートマチックに特有の事故です。マニュアルシフト車にはなくて、その発展形のオートマチック車に続発するという操作ミスですから、自動車メーカーは事故防止のために改良するべき責務があります。

マニュアルシフトの車ではペダルの踏みまちがい事故は考えられません。前進後進にかかわらず、まちがって急発進をすれば、車は、ガクンときて動かないか、動きかけるとガクガクと振動してすぐに止まってしまいます。


自動車メーカーと監督官庁の怠慢

より便利なオートマチック車を市場に送り出して以後、オートマチック車に特有のペダル原因の事故が続発しているのですから、自動車メーカーに製品改良の責務があるのは明らかです。けれども自動車メーカーが事故防止のために、オートマチック車の操作系の改良に取り組んでいる様子は見えませんし、このことで批判を受けることもありません。

製品としての自動車の監督官庁は国土交通省です。交通安全の観点から自動車を監督しているのは警察庁です。今のところこのことで、両省庁ともに自動車メーカーに事故防止製品対策を要求しているとは聞いておりません。


自動車メーカー・国土交通省・警察庁は
 ペダルを使わない運転装置の改良・普及の促進を

身体障害者の方が運転免許を取って自動車運転をしているのを知っていましたから、ネットを検索してみました。左手でアクセルとブレーキの操作をし、右手で安全にハンドル操作をする装置が簡単に見つかりました。

ユーチューブでも、
身体障害のあるドライバーのための運転補助装置1(旋回グリップの使い方)
運転補助装置 ハンドル旋回装置
【手だけで運転】手動運転装置
など、いくつもの動画がアップされています。
これならペダルを踏まないのですから、アクセルとブレーキの踏みまちがいがありません。

こういう運転補助装置の存在は、身体障害者の方やご家族、あるいは福祉関係の方々の間ではよく知られていることだと思います。しかし、私はこれまで、こういうものがあることをよくは知りませんでした。高齢者の運転事故と身体障害者の運転需要との関連について、連想が働かなかったのです。多くの高齢者やご家族の方々も、私と同じではないかなあと思います。

警察庁や国土交通省は、事故防止のために、こういう運転補助装置の普及・改良をなぜ促進しないのでしょうか? 自動車メーカーはなぜこういうことに取り組まないのでしょうか? なぜ、高齢運転者の事故発生後に、個人の責任に帰することで済ませるのでしょうか?

ついでに言えば、自動運転車や障害物を感知して自動停止する車は、制御している部分のマイコンが故障すればアウトでしょう。マイコンの故障や誤作動は必ず発生します。パソコンがそうですから、マイコン制御の故障や誤作動があるものと私は思っています。「止まらない」という故障はこわい。

それよりも、運転者の操作ミスが起こりにくい製品作りの方が先決だし、こちらの方が価格も安くつくのではないでしょうか。






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