川本ちょっとメモ

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<安倍晋三> 倫理無き党首総裁 大阪で自党(大阪自民党)を真っ二つに割って甚大な打撃を与えた大阪維新の会を支援

2020-09-14 21:45:25 | Weblog





 ※自民党総裁、総理大臣の移行期ですが、ここでは安倍首相、安倍総裁と呼称します。



 ◆2010年、大阪自民党大分裂
 
2010年、大阪府議会と市議会の自民党が、「自民党」と「維新の会」の真っ二つに割れました。大阪自民党大分裂です。

2009年~2012年は民主党政権の時代です。自民党にとって未経験の苦しい野党時代の大阪で、「維新の会」は自民党を割って出ました。

2011年春の統一地方選直前の議席数を見てみます。この時点の「維新の会」議席数はすべて、分裂前の「自民党議席」です。

 〇大阪府議会
  自民党23議席、維新の会29議席。自民党は「52」から「23」へ。
 〇大阪市議会
  自民党20議席、維新の会13議席。自民党は「33」から「20」へ。
                    計  「85」から「43」へ。


 ◆大阪自民党大分裂に至る経緯 

大阪ローカルにおける自民党と維新の会の政治の評価は別にして、自民党の組織問題として見てみます。

2010年大阪市議補選。この時点で「維新の会」はまだ、自民党内の同志組織でした。

それにもかかわらず自民党公認候補を差し置いて、「維新の会」が独自候補を擁立し当選しました。他党候補とともに、自民党公認候補も落選しました。

大阪自民党はこれをもって「反党行為」と認定して離党勧告をし、これに応じて「維新の会」メンバーが離党しました。

「維新の会」は自民党やどかり同志会から脱皮して、一人前のローカル政党になりました。ここまでの時系列経緯は次の通りです。
 
 2008.02.06. 橋下徹・新大阪府知事、初登庁
 2009.04.24. 松井一郎氏ら大阪府議会自民党議員6人で、府議会新会派
        「自由民主党維新の会」を結成
 2010.04.19. 大阪府議会内の自民党会派から発展、大阪府選管に「維新の
        会」として政治団体届出。参加議員30人は自民党籍のまま。
 2010.05.    大阪市議補選。「維新の会」独自候補当選 自民党、落選 
 2010.09.   大阪自民党、「維新の会」活動を反党行為と認定
        「維新の会」参加者に離党勧告、45人離党。


 ◆対立政党(大阪維新の会)に手厚く、自党(大阪自民党)に非情

組織問題としてみるならば、このように甚大な打撃を受けた大阪自民党を立て直すために、現地組織を叱咤激励、支援を惜しまないというのが自民党本部のあるべき姿ではありませんか。

大阪府市議会自民党議席のほぼ半数までも維新の会に持って行かれるなど、大阪自民党の不甲斐なさを示しています。だからこそなおさら、なんとしても大阪自民党再建の道筋をつけてやらねばなりません。それでこそ日本第一党自民党の党首総裁というものではありませんか。

しかし実態はまるでちがいます。2012年9月自民党総裁になった安倍前首相が、苦闘する大阪自民党の強化改革に力を尽くしたことはありません。

逆に「大阪維新の会」を盛り上げて支援しています。
大阪維新の会の勢力維持あるいは勢力拡大に安倍首相が協力する形です。

大阪自民党を割って出た大阪自民党の強敵政党「維新の会」を支援する安倍首相。彼が自民党の党首総裁であることを考えれば、人としての人格の非情、異常さに嘆息します。


 ◆2020.8.28.「安倍首相辞意」に接して 
 ◆吉村洋文大阪府知事が謝意を表明 

 吉村洋文大阪府知事が8月28日府知事記者会見で、安倍首相への熱い感謝のことばを述べています。この感謝のことばのくり返しを読むだけで安倍首相から維新の会への貢献の重さをを理解することができます。

 吉村大阪府知事は現在、日本維新の会副代表(2人制)、大阪維新の会代表代行でもあります。日本維新の会は共同代表 松井一郎大阪市長・片山虎之助参議院議員、大阪維新の会代表は松井一郎大阪市長です。


  【吉村洋文大阪府知事記者会見 2020.08.28. ※ユーチューブから文字化
   
https://www.youtube.com/watch?v=-gK3aPlwz68

  ◆「安倍首相辞意」に接して感謝のことばを表明


<吉村知事冒頭発言>
 あのう昼間にですね、安倍総理の辞意を受けてコメントをということでしたが、ご本人の、ニュース速報じゃなくてご本人の会見を聞かない限りコメントできませんということで、その時そうお答えしましたが、ま、先ほどの総理の会見を受けて思うところです。

 まず持病を抱えながら本当に長きにわたって日本を引っ張っていただいたことに本当に感謝を申し上げたいと思います。

 特にまあ最近ではコロナウイルスの道のウイルスの闘いの中で見えない中ですね、本当に強烈なストレスとプレッシャーの中、日本を引っ張っていくということで、まさに最前線で、あのう、された総理として対応を、持病もある中ですね、このう対応されたこと、本当に心から敬意と、そしてあのう、ありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。

 あのう、ま、振り返ればですね、外交にしても、安全保障にしても、景気の回復、経済にしても、本当に歴代最長になるくらい国民の皆さんから支援支持を受けてされてきたと。民主党政権にずたずたになった経済もですね、建て直されて、本当にぼくにとっても素晴らしい総理だと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 持病が悪化されたということで、健康が何より大切ですから、まずは今治療されているということなので、お体の回復というのをご祈念申し上げたいと思います。

 あのうぼく自身、何度か総理に会わせていただきましたが、まあ会うごとにですね、がんばってますねという温かい声をかけていただいて、本当にあの、まメディア等々からいろいろご批判もすごくされていますが、ぼくの中では本当に優しい総理だという風に思ってましたし、またあの、中央政界と地方政府と言う関係でも本当にさまざまなご支援もいただいてきました

 これからまた新しく(自民党)総裁が新しく選ばれると、これはちょっと僕はもう、自民党の中でわかりませんが、本当にまず安倍総理にはですね、感謝の気持ちと、これまで引っ張っていただいたことへの、本当に敬意と、そしてまずはお体を休めて治療に専念してくださいという風に思います。――ぼくからは以上です。

 それから、あのうやっぱり2025年万博も安倍総理の発信で動き出したということがあります。地元の長としてもですね、2025年万博誘致も決まった。これは安倍総理の大きなお支えがあって来れたことでもありますから、何とかこれを成功させてですね、本当にこの日本の成長の一助になるように、地元自治体としてがんばっていきたいと、こういう風に思います。


<記者質問1> 大阪府市のですね、重要政策をする中でさっき万博の話もありましたけれども、維新と安倍政権の…… 
※聞き取りできず

<吉村大阪府知事1>
 あのう、これはIRに関しても日本の成長のために必要だということで、法律を作らなきゃいけなかったわけですけども、なかなかそれまでIRが必要だよねっていう意見があっても、法律まではできてませんでしたが、安倍政権のもとでIRの法律というのが制定もされた。

それに基づいて具体的な制度設計というのをこう‥やり、そして大阪においてはそのパートナー、今コロナで中断してますけれどもパートナーまで、まああの、パートナー候補まで決まって、非常にそのう実現に向けて大きく前進したと。やはりこれ安倍政権じゃなかったら難しかったろうと言う風に思っています


<記者質問2> さきほどといっしょのことなんですけど、安倍総理が辞任される、総理が変わることによるですね、重要政策、都構想とかIRとか万博とか、総理が変わることによって影響があるとしたら、どういう方向になると思いますか。

<吉村大阪府知事2>
 都構想については松井市長といっしょに進めて住民の皆さんの賛同を仰ぐことで、総理が変わることの影響はまったくありません。

 まあ、自民党の政権で進めてこられたことですし、そして国として必要だということで進めてこられたことだと思ってますので、そういった意味では、政権が自民党とか民主党とか、大きく変われば別ですけれども、そうじゃない限りは、この大きな方向性について、ええ、特に何かこう大きく変ずるものというものがあるものではないと思っています。

 ただやはりそのう、次の総裁は、あの、まあ総裁選挙、次また総理が選ばれるということになると思います。

ま、これは自民党で総裁を決められるということになるので、ぼくらが関与する部分でもなんでもありませんので、それはあの、見守りたいと思いますし、まずやはり、それが誰になろうともね、やはりこの長きにわたって、安倍総理がこれまで実績を積んでこられて、そしてまあ日本のリーダーとして、まあ事業も抱えながらやってこられたということに本当に感謝と敬意の気持ちでいっぱいです。

 まあその次のことはこれから始まると思いますが、まあそれは今日の段階ではあまりこう、なんか首相になると思ってないし、特に僕の中で感じるものはありません。

 それでも、ご病気でね、それがどうしても充分じゃない、十分な対処でなかったら国を介しており、謝るかもしれないと、本当に強い責任感でのご判断だと思っていますので、まあ、これまで安倍政権のもとでいろいろな道筋、これ大阪においても万博とかいろんな道筋、IRもそうですけど、できていますから、そこについては、ぼくはあの、後輩の政治家として、まあまあ、まだまだ未熟ですけど、やっぱりそれをしっかりやっていきたいと思います。

 まあ散々、安倍総理もいろんな方から批判もされてましたけど、本当に今でも日本を思う気持ちっていうのはものすごく強い方だと思っています。まあまずはやっぱりお体を、ええ、治療してまずはお体を大切にしていただけたらなと思います。


<記者質問3>  安倍政権の間に大阪でサミットがあったんですけど、安倍首相の外交というのをどのように評価されていますか。印象に残ったなあと思うところとか。

<吉村大阪府知事3>  あのう、すごく印象に残ってます。トランプ大統領、プーチン大統領、さまさまな世界各国の大統領。いろんなこう思いもあるなかでね、そういった外交をやっていくというのは非常に難しいと思いますが、本当に良好な関係で日本の国益を守るということを安倍総理、やってこられたと思います。

 まあG20(G Twenty)で大阪サミットの時ご一緒させてもらいました。あのう、そこの横の迎賓館でも一緒に安倍総理と世界の首脳も‥、ぼくも末端で迎えさせていただきましたけれども、そこへ安倍総理がトランプ大統領と話す素振りであったり、プーチン大統領と話す素振りであったりというの見たときに、やっぱり世界の首脳、大統領というのは安倍総理のことを信用しているし、安倍総理は本当に世界の首脳から信用が得られる、得てこの外交されているんだなあというのは肌で実感をしました。

 あのう、トランプ大統領を見ても、なかなかトランプ大統領とうまくつきあっていける世界のトップって数少ないと思うんですけれども、そういったこともやはり日本の国益を考えて総理がされてたと。そういう意味で外交とか安全保障という意味では本当にすばらしい功績を残されたというように思っています。


<記者質問4> ※質問内容、聞き取りできす。

<吉村大阪府知事4>
 安倍総理もおっしゃってました。その中で僕自身がいちばんやっぱり、やってもらいたかったなあと思うのは憲法改正の国民投票、これはぜひやっていただきたかったなあと言う風に思います。もちろん、拉致問題、それから北方領土、そして憲法改正。この3つ、安倍総理が掲げられて、いずれも非常に重要なことだと言う風に思います。

 まあ、これも次の自民党の総裁の話になるので、ぼくがどうこう言えるものではないですけれども、日本にとっても国家にとってもこの三つの課題というのは非常に重要なことなので、ぜひ次の総理には安倍総理の意志も受けてですね、その三つの課題に取り組んでいただきたいと思います。

 ただこの三つの課題はなかなか国政マターなので、今のぼくは知事と言う立場ですのでね、できることというのは限られていますけれども、知事としてできることはやっていきたいと思います。これまでもやってますけどもやっていきたいと思っていますが、まあ基本的には国政マターになると思うので、そこをぜひ次の方にはやってもらいたいなと思います。


次回は、安倍首相による公然とした「維新の会」支援の前と後、大阪府市議会の獲得議席の差異を見比べます。党首総裁によって試練を受ける大阪自民党を浮き彫りにする前後差が表れています。


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