<2021.4.7.追記>
大阪府は府内全域の公道聖火リレーをすべて中止すると発表しました。代わりに、一般客を入れない閉鎖した万博記念公園内で4/14、4/15の両日、無観客のリレーランを実施します。大阪府4/7の新型コロナ感染者数は878人(前日比+159人)です。
■聖火リレー初日、聖火が消えた…関係者絶句
■台風並みの風雨でも「消えない」はずだった
台風並みの風雨でも「絶対に消えない聖火」との触れ込みだった東京オリンピックのトーチ。聖火リレー初日の2021.3.25. 13:30ごろ、福島県富岡町を走っている聖火ランナーが手に掲げるトーチの聖火が消えるというアクシデントがありました。
並走していた実行委員会スタッフが無線で連絡。追走する車から別のスタッフが降りてきて、ランタンの種火を使って再点火しました。その間、約30秒間。リレーは一時ストップしたものの、その後は順調に続行されました。
ランナーの女性は終了後、「消えちゃって心臓が止まるかと思うほどびっくりしました」と話しました。 以上のエピソードは、毎日新聞 2021/3/26 11:13 から採取しました。
■大阪知事・市長が「大阪市内聖火リレー中止」の意向示す
前日3.31.の感染者数が東京414人を超える599人となった大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会副代表)は2021.4.1.、営業時間短縮の命令に応じない飲食店などに罰則を科せる「まん延防止等重点措置」が大阪市に適用された場合、大阪市内での東京オリンピック聖火リレーは中止すべきだとの考えを示しました。松井一郎大阪市長(日本維新の会代表)も同調しました。
聖火リレー中止は大阪市だけで、大阪府下の他地域では予定通りに聖火リレーを実施するそうです。
今年2021.2.17.、島根県の丸山達也知事が「聖火リレー中止」の意向を示して、全国自治体の先鞭をつけている。吉村大阪府知事はこの先例に倣って、「中止」の着想を得たものとみられます。
今回のまん延防止等重点措置適用期間は2021.4.5.~5.6.までの31日間。適用対象地域は、仙台市、大阪市、兵庫県下の神戸、西宮、芦屋、尼崎の各市。
まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に新設された措置です。
■聖火リレー「1日の流れ」 オリンピックチャンネル編集部 2020.2.25.
1日あたりの聖火ランナー数は、ルートによって変動することはあるが、80名から90名を目安に調整が進められている。聖火ランナー1名あたりの走行距離は約200m、走行時間は約2分間を予定。聖火ランナーは原則1人で走行し、一部ルートにおいてはグループでの走行を行う。
1日の最終市区町村では地域色豊かなプログラムが行われ、聖火リレーを盛り上げる独自のブースが出展され、1日の最終聖火ランナーが会場に到着した時は、聖火を聖火皿に灯すセレモニーが行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染予防のため、無観客で行われるか、表立って行われないことになった。また状況によって走者順や走行距離の短縮などを行うという。
1日のリレーの終了後、聖火はランタンに格納され、次の日のリレー開始地に車両で移動する。東京1964大会で行われた県境での聖火の引継ぎは行わない。
■聖火リレー、私の思いこみとはちがっていました
聖火リレーに関する報道はこれまでの何年間かに数知れずありました。テレビや新聞でくり返しくり返し聖火リレーを見ているうちに、私なりの聖火リレーのイメージができていました。
そのイメージを奈良県に当てはめてみます。奈良県の聖火リレーは4/12、4/13の2日間で、和歌山県から受け継ぎ、大阪府に渡します。
奈良県の西側は大阪府域がつづいていますから、和歌山県から受け継ぐとなれば、受け継ぎ地点は奈良県南部しかありません。一方、県庁所在地奈良市は奈良県の北端にあって、京都府に接しています。
ですから、県南部で和歌山県から受け継ぎ、リレー路線は北西や北東に揺らぐことはあっても北上一筋になります。そして奈良県庁から東大寺付近に到達すると、西方向に折れて西進一筋、生駒市を通過して大阪府に入ります。
こういう路線ルートをたどると思っておりました。そして聖火は延々と聖火ランナーがトーチを掲げて、駅伝方式で次々と切れ目なく渡し継いでいくものだと思っておりました。そして奈良県ランナーの最終走者は府県境で大阪府聖火ランナーに聖火を渡して終わる。
聖火がリレーランナーから離れるのは、聖火ランが食事、休憩、宿泊などで休止するときだけで、そのときだけは聖火は乗車ランになる。なんとなくこのようにイメージしておりましたが、それは的外れで馬鹿な私の思いこみに過ぎなかった。我ながらの軽慮を悔やんで反省しております。
■実際の聖火リレーは‥‥奈良県の場合
TOKYO2020 ←クリック のホームページを開き、上段の「聖火リレー」をクリックすれば、各々の居住地の聖火リレー予定がわかります。
私は奈良県に住んでいますが、3月30日に奈良県広報と聖火リレーのB4判カラーチラシがポストに入っていました。
私は奈良県に住んでいますが、3月30日に奈良県広報と聖火リレーのB4判カラーチラシがポストに入っていました。
これを見ると1日目(4/11)は、①五條市 → ②御所市 → ③葛城市 → ④十津川村 → ⑤桜井市 → ⑥田原本町 → ⑦天理市 → ⑧明日香村 → ⑨橿原市(セレブレーション会場:県立橿原公苑陸上競技場)。
2日目(4/12)①河合町・広陵町・香芝市 → ②大和高田市 → ③吉野町 → ④斑鳩町 → ⑤大和郡山市・奈良市 → ⑥宇陀市 → ⑦生駒市 → ⑧奈良市(セレブレーション会場:東大寺大仏殿)。
B4チラシには、各地点についてリレー走の区間が明示されています。
たとえば1日目の③葛城市〈屋敷山公園~道の駅かつらぎ〉。2日目の③斑鳩町〈法隆寺~法起寺〉。これで見ると1カ所あたりのリレー距離は2km~4kmくらいだろうと思いますが、仮に1カ所あたり4kmリレー走とします。
そうすると聖火リレーの実際は、奈良県の場合2日間17カ所でリレー区間走をし、1区間4kmと仮定計算するならば、合算リレー走距離は68kmになります。17カ所のリレー会場の間を渡るのは聖火を乗せた自動車ランナーで、聖火搭載自動車が最多出場ランナーで最長距離ランナーになります。
■聖火リレーと言うにはあまりにお粗末 実態は、聖火イベント
県内17カ所に分散した拠点区間各4kmほどのリレーならリレーと呼ぶにはお粗末すぎる。実態見れば、聖火イベントと呼ぶのがふさわしいと私は思います。
聖火リレー初日に、消えてはならない聖火が消えるという過失があって、耳目を集めました。リレーと呼ぶかぎり駅伝スタイルを想像していましたが、実態は、見せ場所を選んだ「聖火イベント」でした。
現実はリレーと呼ぶにふさわしいものではなくて、陸上競技場でトラックを周回しているていどの距離(ほぼ4kmくらいか?)を一人当たり200m分担で走って、1カ所の聖火リレーが終わります。
1カ所が終わると聖火は乗車します。聖火搭載車は、聖火リレーと銘打たれた次のランニング会場へ向けて走り移動します。自動車ランナーです。遠い過去からずっと " 絶やすことなく" 、オリンピックの故地ギリシャから " 絶やすことなく" 守り伝えてきた " 尊い" 聖火を、次のランニング会場へ運ぶこの聖火搭載車のことを、私はブログタイトルに「聖火御料車」と表現しました。
奈良県ではこれを2日間くり返します。会場単位でリレーランニングを完結し、次の会場に移動して、また会場単位でリレーランニングを完結する。会場から会場へは聖火搭載車が走ります。これすなわち「自動車ランナー」です。
ランニング会場を車移動で結びつけたランニングイベントと、駅伝スタイルの本来のリレーでは、少し違ったところがあります。
休憩時と宿泊時を除いて、和歌山県から聖火を受け継ぎ大阪府に手渡すまで人を替えて走りつづけるランナーと、human running+hand to hand に感応して沿道で声援を送る人たちが一体となることで、聖火リレーにこもる暖かさと熱さが空に放たれるのではないでしょうか。
コロナで中止する地域があったり、感染対策で声援を送らないで静かに見てほしいという要請があったり、沿道の人出が密に過ぎればその周辺は飛ばすということがあったり、そもそも東京五輪を中止もしくはコロナ後まで延期という世論が多数派であったり。
今度のオリンピックはすでにコロナで満身創痍です。コロナ病死者数は、神戸の街が倒壊して圧死した人たちと倒壊建物の下敷きになって生きながらに焼死した神戸の大震災死者数を大きく上回って、未だ止まるところが見えません。そのうえ世界中が未だコロナに苦しんでいます。それでもオリンピックを強行することの本当の理由は何なんでしょうか。
■安倍前首相の嘘で始まったオリンピック・スタート
だいたいスタートが悪すぎた。2013.9.8.、アルゼンチンのブエノスアイレスで国際オリンピック委員会総会で2020年夏期オリンピックの東京開催が決まりました。東京招致成功の決定打は安倍首相の「アンダーコントロール」演説だと言われています。
このときに問題の焦点になっていたのが、福島原発事故のその後の影響でした。福島原発事故が東京に与える悪影響はない――安倍首相(当時)はこのスピーチで、東京に放射線不安はないと、海外に向けて保証しました。有名なアンダーコントロール演説です。
しかし、アンダーコントロールとは真っ赤な嘘。帰還困難区域の存在、汚染水の膨大なタンク群を見るだけでも十分に嘘の証明になるでしょうし、現在でも核燃料デブリの全体像さえ皆目つかめていない状況なのです。
自民党政治家は、増税や年金医療福祉予算の減額に際して、高齢化時代による若者への不公平な負担を軽減しなければいけないと言います。では、原発の始末はどうなんでしょうか。
原発の核燃料ゴミや原発事故による放射線被害の後始末には何万年という時間を必要とするものもあります。これこそ後世人類に対して現世に生きるわたしたちの責任ではありませんか。とりわけ、原発を推進してきた原発族政治家や経済人には、責任を負って始末にまい進しなければならない義務がありはしませんか。
帰還困難区域とは、人間が住めない場所のことです。帰還困難区域は原発事故領土喪失区域です。原発事故で人が住めなくなった地域・面積は、「原発事故によって喪失した日本国領土」なのです。尖閣・竹島・北方領土で頭に血が上る人たちがいますが、この人たちは「原発事故が引き起こした領土喪失」には無関心であるかのようであり、「放射線占領下の領土喪失」ということへの理解能力が無いかのようでもあります。
安倍前首相をトップにいただいて2013.9.8.ブエノスアイレスにいた人々は嘘つきに加担して喜んだ人々です。オ・モ・テ・ナ・シの小泉環境大臣夫人もその最前列に連なっておりました。