川本ちょっとメモ

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子への贈与――鳩山は恵まれた育ちで、小沢は心臓病でうろたえて

2010-02-02 12:31:59 | Weblog


■小企業社長の贈与
昨年12月16日に「小企業社長のささやかな脱税」で、かつて私が勤めていた同族小会社の社長(故人)のエピソードを書きました。この社長のそばにいて、私はいろいろなことを学びました。その世渡りの上でのやり口を問わず語りに、私に話しておりました。

子どもが幼少のころから、無税になる最大限度額を毎年贈与して、子ども名義の預金口座に入金していくこと。10年20年が過ぎると、普通の人にとってはけっこうな金額になりますから、こうして合法的であることの証拠をつくっていきます。これをつづけていくと、子どもが一人前の職業人となり家庭を持つときに、家を買う頭金にはなるだろうというわけでした。

社長は仕事で成功して、無産家庭の出身からビル一つを建てるほどの財産を成しました。とはいえ地方のことなので、不動産の評価はたいしたものではありません。自社ビルが建つまでは、仕事にかけて粉骨砕身というありさまでした。金儲けにかけてはかなりきついところもあったので、良くいう人と悪くいう人の落差が大きい人でした。

私は、この社長が懸命に金を稼ぐ姿を見てきました。商売は儲けなければいけません。そして儲けた人は税金を払うのが社会的使命の一つです。私は反社会的なことでないかぎり、人を雇い、仕事で儲けて、その結果として納税することは社会的に役立つことだと積極的に評価する人生観を持っています。かく言う私は、生計費にも不自由する毎日ですが。


■偽善者・鳩山首相が「国民の生命を守る」と言う
鳩山首相は、昨年12月29日付けで書いたように、12億6千万円を母からもらっていた(朝日新聞による)ことを知らなかったと言っています。知らなかったから何年間も税金を払っていなかったというのです。

首相本人は、これを「脱税の認識はない」と言っています。脱税で摘発された人はたくさんいますが、脱税の意思がなかったという抗弁が認められたという話を聞いたことはありません。これはたとえば、殺人罪に問われた容疑者が「殺すつもりはなかった」と言っても、殺人の事実に変わりないということと同義です。

これほどの大金をもらっていても知らなかったという生活は、私なんかにとっては想像を絶するものです。鳩山首相は昨夏の衆院選期間中、息子が就職できないという生活の苦しみを街頭演説の場で直訴した婦人のことを訴えつづけてきました。さらにこの1月29日の施政方針演説では「命を守る政治」と連呼しました。セレブのお坊ちゃまの良心の表現でありましょう。しかし私は、政治家としての鳩山首相を信じることができません。


■税務当局は意図的サボタージュで権力者・鳩山を守る
そして驚くことにはそれほどの大金が移動していても、政治資金報告のことが社会的にクローズアップされるまで、長い間、税務当局や検察当局に摘発されませんでした。小沢さんのように、複雑な資金移動をしているのではなく、まったく単純なお金の動きにもかかわらず、です。

事件が発覚してから何か月もありました。税務当局は検察の推移を見守るという大義名分で、鳩山首相が納税を済ませるまで何もしませんでした。この間、意図的に見逃して、鳩山首相を守ったのです。一般人には想像もできない、意図的サボタージュです。

そして、税務当局はいまだに音なしの構え。鳩山首相の巨額納税は時効分を含んでいるというが、その後のことはニュースとして伝わってこない。納税したという行為のほかは何も伝わってこない。このあたり、報道メディアの姿勢もいいかげんなものだ。

鳩山首相にとっても税務当局にとっても、世間の耳目が小沢さんに集まっているので「小沢ありがたや」でしょう。

脱税を摘発しても、正当な職務行為です。公務員ならクビになることはありません。左遷の冷や飯くらい覚悟したっていいじゃないですか。税務役人があさましい姿を人前にさらしました。


■小沢幹事長は心臓病でうろたえて「認識なし」
小沢民主党幹事長は陸山会の世田谷土地購入資金のうち、3億6千万円を家族名義の口座から引き出したと言っています。そしてこの家族名義の口座の大金のことを、1月25日の記者会見でこう話しています。

「名義上、女房や子どもの名義にして預金していたことは事実だが、前にも言った通り、前年に心臓病で四十数日間も入院したという自分のことが心理的に影響したのかと思っているが、その資金自身は私の金であり、女房、子どもに贈与したという認識はない。」(YOMIURI ONLINE 読売新聞 2010年2月2日01時49分) 

心臓病になってうろたえて、自分の財産を一時的に家族名義に分散したというのです。贈与したという認識がないと堂々と言うのです。贈与でないというなら、「名義借り」です。何のために、名義借りという操作をしなければならなかったのでしょうか。

政界で昔、「記憶にございません」という言葉がはやったことがありました。それは、自民党だったと思います。民主党の流行語は、「認識がありません」なんですね。


■何党であれ「お金不始末」議員には議員辞職を願う
鳩山首相は「脱税の認識はない」と言い、小沢幹事長は「贈与という認識はない」と言っています。こういう政治家が民主党のナンバーワンとナンバーツーです。

お金のルールを守ることができない政治家は何党によらず、国会議員を辞さなければいけないというのが私の考えです。どんなに立派な見識を語っても、どんなに立派な実績があっても、「お金のことに不始末を犯した政治家は無条件に政界退場」を願いたいですね。


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