わたしは自民党衆議院議員の議員パーティーに参加した経験が2回あります。
おおかた20年ほど前のことでしたが、当時は政治資金パーティーという呼称を知らず、そういう呼び名を聞いた覚えもありません。議員パーティーの収入がどれほどあって、それの会計処理がどういう具合になっているとか、そんなことに関心を持ったことなどこれっぽっちもありません。ちゃんとやっているものと思いこんでいましたから。
今ニュースになっているように、議員パーティーの収支経理処理がいい加減なものであり、経理処理にケチくさい小細工をしているなどとは思いもしませんでした。知ってみるとあらためて、そんなに小ぶりの人間ばかりか自民党は、とあきれています。自由民主党ではなく、実態は小者悪党という政党なんですね。
古くから自民党からは収賄議員が出つづけていて、ニュースになってきました。ですから、自民党議員はお金のつけ届けを普通に受けとっているのだろうくらいには思ってきました。
「あのな、金はな、ものを頼んで渡したらあかん。贈賄になる。そやから、ふだんからおつきあいしとくんや。盆暮れのあいさつ(中身入りの封筒などをさりげなく)や、選挙の時には「使ってください」と寄付をする、選挙が終わったら当選祝いや」
私にこう話してくれた人がいて、聞いたときには、なるほど世の中はそういうものかと思ったことでした。話してくれた人は、もうだいぶ前にお亡くなりになりました。
パーティー会場は大阪のホテルの大広間で、パーティーは椅子席でなくて立ちっぱなしであって、たしか千人くらい入ると聞いた覚えがあります。人数がどれほどかはわかりませんが、大広間はぎっしりの人人で満員で活気がありました。
2回とも、営業取引先からパーティー券を2枚買えと言われて買いました。なぜ2枚だったか。取引先の人は親切にもこう案内してくれました。
「会場はいっぱいの人人やから中座して帰ってもとがめる人はいない。でもなあ、せっかくやから最後まで見とき。何事も勉強やさかい。ああそれからねえ、知らん人ばかりの中で一人で時間を過ごすのはきついから、誰か知ってる者と二人で来るのがええよ」
1枚2万円のパーティー券を2枚、私に渡すときに親切にこう案内してくれました。営業取引先の人は、おそらくパーティー券を20枚、30枚と議員秘書から買っていい顔をして、それを私のような人間関係にある者相手に捌いていたのでしょう。
わたしの経過からいうと、パーティー券は議員事務所や後援会事務所から買った人が、何かの人間関係ある人に転売していますから、議員側がパーティー券を買った人すべてを残りなく特定するのは難しいことと思います。
自民党議員側はパーティー券を1枚1枚売っているのではなくて、何十枚単位でまとめ売りして、売り捌きの手抜きをしているものと思われます。だから1枚1枚の売り先を特定できない。
そして、何十枚単位でパーティー券を引き受ける所とは懇意になり、頼まれれば議員側がそれなりの世話働きをするという関係ができあがるだろうと、しろうと考えに及ぶわけです。パーティー収入は全額課税対象にしない限り抜け道はあるだろうし、政治家の収支の中に免税特例があること自体が不自然です。
今回、公明党が自民党にずいぶんつっぱりましたが、5万円以下という自公合意内容では政治家特権を完全に締め出すのはむりだろうと、多くの人たちと同じようにわたしも思っています。
議員パーティー形式そのものは、政治家と支持者の間の交流のための一手段としてはあっても良いと、わたしは思います。
ただ、会費を1万円以下に法規制しておかないと、大衆が参加できません。高い会費であれば大中小の企業と少数の富裕層しか参加できません。それでは民主主義の主旨に合いません。
そして入金は現金不可として、振込みやカード決済にする。こうすれば入金の不透明さはなくなるでしょう。会費は1回1万円以下、現金入金は不可。こういう方式で氏名が表に出ることは困るという人は、議員パーティー参加を見送ればいいだけのことでしょう。議員事務所を訪ねて相談すれば、顔のささない政治参加方式もあることと思います。
わたしは選挙については浮動票です。国政選挙ではその時々に自分で決めた争点に合う人に投票します。何党と固定していませんし、参議院と衆議院、小選挙区と比例区などの違いで投票先を変えることもあります。
地方議員選挙では人間関係、すなわち信頼つきあいのある人に投票します。住民生活の困りごとに面倒見の良い人に投票しています。
ですから、わたしの場合、パーティー券を買うという行為はつきあいであって、投票するという行為にはまったくつながっていません。
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