(2020.5.25. 追記) 安倍のマスク2枚、未だ届かず。
この国民の苦難に際して。この国の最高指揮官として。こんな風なことばが大好きなお上は、最高指揮官として、と心に思うだけでも奮い立ってくるのです。
最高指揮官として、コロナ不安におののいている国民が喜ぶ顔を見たい。何をしてあげようか。お上のヒーロー願望が目覚めました。
国民の励みになり歓呼を集めるものとは何か。二、三の信頼する補佐官に問いかけ選んだものが、国土津々浦々、水平線のかなたの島々に至る全家庭に2枚のマスクをプレゼントすることでした。
日本史上、ここまで徹底して領土領海の末まで全戸に恵をもたらした指導者はいないであろう。 こうして安倍首相はあごのはみ出た小さいマスクをして国民の前に登場しました。
人々は見慣れぬ形のマスク姿をした首相を奇異の目で見ました。こういう形のマスクを知っている人は年寄だけなのです。年寄でさえ、そういえば小さいころに使ったことのあるマスクはこんな形であったように思う、といったおぼろげなことでした。
領土領海の端々に至る全家庭に、人々が入手困難に苦しむコロナ自衛の必需品を配布するという慈悲の政(まつりごと)なのですが、「マスク2枚」は余りにもトンチンカン。
「マスク2枚の善政」は、安倍首相の知恵袋補佐官たちがいかほどのバカであるかを知らしめるものです。これが善政になると思った安倍首相は、「アホか」と罵っても気が済みません。怒りではなく、情けなさを超えてそれでまだ足りなくて、悲しくなってくるのです。
顎の出る「安倍のマスク」には、もう一つ、笑うほかないトンチンカンがあります。
それが上の、[正しいマスクの着け方]という3枚の写真です。これは内閣官房のコロナ特設サイトに掲載されている「政府インターネットテレビ」の動画のカット写真です。
内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策( ←← クリック)を開いて、一番上の右、『感染しない・広げないために』クリックしてみましょう。
そこに、政府インターネットテレビの「マスクの正しい着け方」篇(46秒)があります。クリックして視聴してください。「マスクの着け方」のナレーションを下に記します。
【政府インターネットテレビ――マスクの着け方】
顔の形にマスクを合わせ、(鼻梁のまわりを指で念入りにつまむようにして)すきまをしっかりと塞いでください。
(次に)ゴム紐を耳にかけ、鼻の背を片手で抑えながら、あごを包むようにマスクを下まで伸ばして、顔にフィットさせてください。
ぜひご覧になって、お確かめください。
どうでしょうか。
内閣官房のコロナ特設サイトで、国民に周知啓蒙している動画ですよ。
私は数年前に咳ぜんそくと診断されたこと があるほど、今も、車に乗ってエア
コンが入ったりする空気の変わり目に咳が出ます。ですから時節がら、人前に
出るときは気を使います。
「マスクの正しい着け方」は、人様への気づかいのうえでも、見ておいたほうがいい動画です。
内閣官房は直上のトップが官房長官で、官邸の直上のトップは総理大臣でしょう。この違いはありますが、内閣官房と官邸の官僚組織は総理大臣政治の直轄なのです。
その内閣官房のコロナサイトでわざわざ、あごを包むようにマスクを下まで伸ばして、と指導啓蒙しています。これは今の時代のマスクの常識通りの説明です。
しかし、安倍首相がずっと使って見せてきた「安倍のマスク」では、安倍首相本人でさえ、自分のあごを包むことはできません。
【コント: 466億円の寸足らずマスク】
[A] さあ、よく見るんだよ。こうして鼻の頭のまわりにすきまができないよ
うに、ていねいにマスクを抑えて……。
[B] はい、はい。こうですね。
[A] 違う、違う。何やってんだ。鼻のてっぺんばっか抑えてやがる。マスク
と鼻の間にすきまができてんじゃないか。鼻のてっぺんは、てっぺん
だろ。そこから鼻筋が額に向かってちょっと下がってんだろ。マスクの
上の端を鼻にすりつけるようにしとかにゃいかんだろ。
[B] そう怒るなよ。てっぺんてっぺん、って言うから、その通りやってん
じゃん。もっとていねいに教えてくれよ。俺がけっこうのろいことは、
おまえもわかってんだろうに。何年つきあってんだよ。
[A] わかった、もういいよ。それでだよ。マスクの下をつまんでちょっと
ひっぱって顎に被せなよ。
[B] ん、わかった。(下をつまんでピュッと引っ張った) あれっ?
[A] おいおい、そんなに引っ張んじゃねえよ。鼻下にずり落っちまった
じゃねえかよ。
[B] わかってるからさ。だから、あれっ、て言ったじゃん。
これ、おかしいぜ。上下の長さがちょっと足りないじゃん。
[A] そんなことないだろう、長さが足りんてさ。おまえの脳が足りん、
だったらわかるけどな。
[B] (上下にいろいろと触ってみて) いや、まちがいなくおかしいぜ。
鼻を隠しゃ顎が出る。顎を隠しゃ花が出る。
[A] ばーか、じゃれてんじゃねえ。総理大臣直々のマスクなんだぜ。
鼻隠しゃ顎が出る~うっう~♫ 顎隠しゃ鼻が出る~うっう~♫。
つまんねえ。ばかばかしい。のびーるのびーる生地はどう?
[B] いや、こりやまちがいなく不良品だ。欠陥品だ。伸びる布地じゃ
ねえぞ。
[A] 俺がひねくりまわしてみても、鼻の頭か顎か、どっちか出るよ。
伸びる生地でもねえよ。こりゃだめだ。あかんわ。何百億か知ら
ねえけど、こんなマスク、ゴミだねえ。
[B] 何百億も金かけて注文してるのに、首相が注文してるのに、
作らせた奴がマヌケじゃなあ。マスクをよくわかってる奴に
仕入れさせないとなあ。国の納入業者って、専門の立派な会
社なんだろう?
[A] いやあ、こんなばかばかしい代物が大手振ってまかり通ると
はね、きっと利権がらみだよ。マスクとか医療衛生材料の業務
知識や商品知識のない連中が国から注文もらったとしたら、
利権しかないものなあ。
[B] この話はここらで終わりにしようや。考えるほどにおもしろく
ねえ。
[A] そうだな。おもしろくねえ。こんなマスク、けったくそ悪いぜ。
……と、こういう調子で、これは爆笑物のコントになります。コロナ禍の間に、誰かプロの芸人さんがテレビでこのコントをやってくれませんかねえ。
その後、染みつき、カビ付き、虫入り、髪まじりと、いろんな「安倍のマスク」が見つかってるってねえ。私のところへ来たところで気持ち悪くって、口につけられやしません。
466億なんて大金を食いちらすウイルスを、官邸が培養しているのでしょうか。
コメントありがとうございます。こどものころのマスクのこと、くわしく覚えておられますね。
私は安倍首相のマスク姿を見てはじめて、こどものころのマスクはあの形であったことを思い出したしだいです。
アベノマスクは今も、我が家には届いていません。我が家だけでなく近隣自治体にも届いていないようです。ということは奈良県はどこもまだ配達していないと思います。千葉県船橋市の知人に電話で聞いたところ未着。その知人が今週、テレビ電話で数人の友だちと話した中に大阪のどこかの郵便局員がいて聞いたところ、郵便局に届いていないということでした。それをいっしょに聞いていた友人らは「もういらないけどね」と言っているそうです。
ついでに一律10万円支給について聞いたところ
、船橋の知人は今週、届いた申請書に記入して役所に返送したということでした。私のところは、一昨日、振込済み通知が届きました。入金済みです。人口規模の小さい自治体は処理が速いのでしょう。
マスク配布先は住民台帳記載家庭ですから、市町村役場が宛名を機械的に記入できるはず。郵便局側や厚労省側が宛名記入するとしても、住民台帳のデータをもらってコンピューター処理するでしょう。宛名無記名のものは、コピーをしていてよくあるように、二枚重ねでプリントされたものかもしれません。万一不審物である危険性を避けるために未開封のまま最寄りの郵便局に返却するのが無難と思います。
マスク郵送を高齢者世帯優先にすることは、市町村役場でないとできないうえに、その分事務的な手間がかかります。マスク配布が郵送以前の段階で混乱している事態ですから、配達段階では手間をかけるより迅速を心がけるのではないでしょうか。
何年前まで売られていたのでしょうか。実家で見つかりましたが、未開封のまま何年もしまわれていました。
それから長い期間が過ぎ、あの形の布マスクを付けている人がテレビに映っていることに驚きました。しかも、他の閣僚は誰も付けていません。
布マスクの配布状況もよくわかりません。うちは届いていないのですが、届いている世帯もあります。町丁ごとなのか、高齢者居住世帯が優先するのか。しかも、郵送だけど宛名も書かれていません。