川本ちょっとメモ

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<政治とカネ> 安倍内閣 甘利前大臣の大臣室現金授受を忘れない(2)

2016-06-16 22:50:52 | Weblog



<政治とカネ>安倍内閣シリーズ記事
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利明前大臣の大臣室現金授受事件を忘れない(1)
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利前大臣の大臣室現金授受を忘れない(2)
<政治とカネ> 安倍内閣の西川公也元農水大臣 大臣は辞職・議員辞職はなし 痛くもかゆ         くもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の小渕優子元経済産業大臣 大臣辞職したが議員辞職はなし 痛く         もかゆくもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の「政治とカネ」辞職大臣が8名、多過ぎる!
<政治とカネ> 安倍首相 世襲政治資金は相続税免除(合法)、世襲政治団体は認めるべき         じゃない


今回の記事をお読みいただければ、前回掲載の甘利経済再生担当相辞任記者会見の明細がいかに装飾されているかが、よくわかります。【1】~【5】の新聞記事をサッと読み流してから、【6】の衆議院予算委員会議事録をお読みくだされば、甘利現金授受事件の内容が生々しく小説を読むように迫ってきます。政治家の政治資金の底辺がよくわかります。政治資金、口利きあっせん収賄について、政治家が不起訴、起訴猶予で逃げることなく、必ず有罪・議員失職するよう、法律改正を望みます。

今回記事の目次

【1】※前回掲載 甘利経済再生担当相 辞任記者会見
【2】毎日新聞記事 2016年2月12日
   建設会社の総務担当者「口利き頼んだ」 甘利氏主張、食い違い
【3】毎日新聞 2016年2月10日 朝刊
   甘利前大臣金銭授受問題 建設会社の男性、強く補償を要求
   UR、野党に議事録
【4】毎日新聞 2016年2月10日 朝刊
   甘利前大臣金銭授受問題 「事務所協力で交渉進む」 建設会社男性、
   「口利き」を証言
【5】毎日新聞 2016年1月29日 朝刊 
   甘利・金銭授受疑惑 UR「秘書と面談12回」
   補償要請なく「口利き」否定
【6】第190回国会 衆議院予算委員会 第11号 平成28年2月10日
   衆院予算委議事録 甘利大臣室50万円は謝礼
   UR都市機構補償2・2億円の経緯
  <1> 甘利氏説明による大臣室50万円受け取り場面
  <2> 建設会社総務担当・一色氏証言
      大臣室50万円はUR補償2・2億円がおりたことのお礼の趣旨
  <3> 甘利氏予算委員会招致を要請 与党理事・安倍総理ともに応じず
  <4> UR都市機構から薩摩興業への2・2億円補償契約は正当な基準で
      計算されているのか
  <5> UR補償金額積算決定の背景 甘利事務所の存在がある
  <6> 甘利事務所が要請
      平成27年10月27日UR都市機構・一色氏 補償交渉
  <7> 甘利事務所・鈴木政策秘書が同席
      平成27年11月12日UR都市機構・一色氏 補償交渉
  <8> UR幹部は、甘利大臣本人が一連の経過を承知か、確認を取った
 
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【2】建設会社の総務担当者「口利き頼んだ」
   甘利氏主張、食い違い

     毎日新聞記事 2016年2月12日

 ※一色氏がどういう人脈で大臣室に入れたのか? 甘利大臣がなぜ50万円を返却しなかったのか? この記事から、一色氏が甘利前大臣の古くからの支持者で、甘利事務所と親近関係にあったことがその答えだと理解できます。一色氏のUR都市機構への補償要求内容には、一見して、あくどい感がします。一色氏が自分も法律違反に問われるかもしれない騒動を引き起こした理由はわかりません。しかし、甘利前大臣や自民党の面々が「はめられた」顔をして、被害者ヅラをしているのは真実ではない。一色氏の大臣室訪問を受け入れるだけの人脈のつながりがあったのは事実です。大臣室で甘利大臣が金を受け取ったのは事実であり、返却しなかったことも事実です。一色氏の頼みを請けて、秘書がUR都市機構と何回も接触していたことも事実です。


 甘利明前経済再生担当相の現金授受問題を巡り、千葉県白井市の建設会社の総務担当者だった一色武氏(62)が現金を渡した経緯や状況を詳しく語った。その内容は、甘利氏の閣僚辞任記者会見(1月28日)での説明とさまざまな点で食い違う。双方の主張をまとめた。【本多健、樋岡徹也】

 最大の争点は、現金授受の目的が「口利き」だったかどうかだ。甘利氏は先月の辞任記者会見で、自身の受領について「就任祝いや政治活動への応援と考えていた」と口利き疑惑を否定した。

 一色氏は、都市再生機構(UR)と建設会社の補償交渉で解決の口利きを頼んだとする。甘利氏への2度目の50万円供与では、URとの新たな紛争内容を書面で説明し、2014年11月のパーティーでは甘利氏から「その後うまくいっていますか」と声をかけられたと証言している。


◆内ポケットに入れた?

 現金受け渡しの状況説明も食い違う。最初の大臣室での受領について、甘利氏は「面談後に気づいた」とするが、一色氏は2度とも甘利氏が封筒を目の前で内ポケットに入れたと強調し「(口利きでないなら受領を)断ればいい」と反論する。

 甘利氏への計100万円の供与が政治資金収支報告書上、14年2月4日の寄付と記載された点を、甘利氏は「自分の舌がん治療で事務所が忙しく、一括入金処理した日付にした」と説明。一色氏は「受け取った日付で記載するはずだ」と疑問を投げかける。


◆相談後、補償額アップ?

 一色氏によると、2013年5月に解決を依頼したURとの補償交渉では、2012年に支払われた約1600万円以外の支払いはないように思えた。ところが、甘利事務所が動くと交渉が急進展し、約1億8000万円の追加補償額が提示され、相談からわずか3カ月で約2億2000万円にはね上がったと証言する。

 こうした経緯について、甘利氏側は「話はしたので、あとは当事者同士でやってほしいということだった」として、交渉への介入は否定する。2月10日の衆院予算委員会でも、上西郁夫UR理事長は「基準に従い計算した」と述べた。

 だが、一色氏から民主の大西健介議員が聞いたところでは、甘利氏の秘書がUR本社に出向いて間もなく、URから「補償に関して、別途提案がある」との文書が届き、追加補償額が示されたという。

 また、UR側が、交渉の当事者ではない秘書に補償額を漏らしていたことも判明し、上西氏が陳謝した。


◆供与の総額は

 一色氏によると、甘利氏本人への100万円や秘書への500万円以外にも、提供したのは多額に上る。「口利きの謝礼や経費」などとして2年半の間に15万~25万円程度ずつ53回、計800万円以上を秘書らに渡し、メモや領収証など証拠が確実にあるとする。主張通りならそれだけで1500万円以上となり、他の飲食などの接待も含めれば数千万円に上る可能性もある。

 甘利氏は秘書らへの現金供与や飲食接待自体は認め、全容を調査しているとする。


◆政治家と親交 一色氏

 週刊文春の取材を受けて甘利氏の現金授受問題を告発した一色武氏はどんな人物か。

 関係者によると、神奈川県内で不動産業や運送業に従事し、右翼団体に所属したこともある。政治家や政界関係者と親交があり、父は甘利氏の父の故・甘利正衆院議員の後援会に入っていたという。

 録音やメモなど詳細な記録を持ち、与党内で「(甘利氏は)はめられたのでは」との指摘も出た。

 一色氏は「相手と言った言わないの話にならないよう、以前から記録を残してきた」と話す。


 自身も罪に問われかねず「法を犯して本当に申し訳ないと思っている」と釈明しつつ、強く口利きを働きかけながら2014年以降の新たな補償交渉が進まなかった点を念頭に「彼らは本当は口利きなどできないのに裏切られた」と批判した。【林田七恵】

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【3】甘利前大臣金銭授受問題 建設会社の男性、
   強く補償を要求 UR、野党に議事録

     毎日新聞 2016年2月10日 朝刊


 甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題を追及する野党の調査特命チームの会合が9日、国会内で開かれ、昨年10月に都市再生機構(UR)側と千葉県白井市の建設会社の総務担当、一色武氏(62)が面会した際、一色氏がURの道路工事を巡って強く補償を求めていたことを示すURの議事録が提出された。

 議事録によると、一色氏は昨年10月27日にURの千葉業務部を訪れ、千葉ニュータウンの開発に伴う道路新設工事に絡んで補償を要求。「話にならない」「もう一度だけ言う」などの言葉も使っていた。UR側は補償内容を説明し「用意はある」と応じている。面会は、同9日に甘利氏の秘書がUR側に「先方の話を聞いてもらうだけでいい。事務所の顔を立ててもらえないか」などと頼んだことを受けて行われた。

 面会翌日の28日にUR側は秘書と会い、「先方は口利きを期待していた様子だったが、従来同様の回答をした」「これ以上は関与されない方がよろしいように思う」などと説明していた。

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【4】甘利前大臣金銭授受問題 「事務所協力で交渉
   進む」 建設会社男性、「口利き」を証言

     毎日新聞 2016年2月10日 朝刊


 甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題で、現金を渡した建設会社の総務担当者だった男性が毎日新聞の取材に応じた。都市再生機構(UR)との補償交渉で甘利事務所に協力を求めたところ、解決の見通しが立たなかった交渉が急に動き出して補償額が提示され、その額からさらに約4000万円上積みされて約2億2000万円になったと証言した。男性は、解決の謝礼として補償金の一部から甘利氏の当時の秘書に現金500万円を提供したと説明した。

 取材に応じたのは、最初に週刊文春に証言した一色武氏(62)。同氏によると、URの千葉県白井市での道路工事を巡り、建設会社は建物の移転などが必要だとして補償を求めていた。2012年の段階でURが約1600万円を支払うことで合意。建設会社は追加補償を求めたが、交渉は難航していた。

 このため一色氏は13年5月、神奈川の甘利事務所で解決を依頼した。事務所長だった公設秘書(先月辞任)から「シャンシャンでいけますよ」と言われ、紛争の事実確認を求める内容証明郵便をURに送るよう助言され、指示に従ったという。

 一色氏が元秘書から受けた説明では、別の秘書をUR本社へ差し向け、この秘書が1時間待たされたため「国土交通省へ行く」と言ったところ、URの担当者が現れ、補償に対する対応が変化したという。

 一色氏によると、間もなくURから追加補償額として約1億8000万円を示され、建設会社側が「もう少し何とかならないか」と求めたところ、その場で約2億円に増額された。さらに交渉後、電話でURに増額要求すると、UR側は「計算してみましょう」と言って約2億2000万円を提示し、依頼からわずか3カ月後の13年8月6日に合意した。

 同8月20日に補償金の一部が建設会社に入金されると、一色氏は1000万円を引き出し、その日のうちに甘利事務所を訪ね、元秘書に渡した。元秘書は500万円を受け取り、残りは「いつでも使えるように預かっておいて」と一色氏に戻したという。同年11月には建設会社の社長らとともに甘利氏を大臣室に訪ね、お礼の意味で50万円を渡した。

 一色氏は補償増額の経緯を踏まえ、甘利事務所への口利き依頼が効果てきめんだったとし、「(URが)どういう計算をしたかわからないが、お願いが実った」と証言した。

 甘利氏は1月28日の記者会見で、秘書らへの聞き取り調査を踏まえ「秘書は話し合いの状況を確認しただけで、URにお願いや問題の解決などを求めた記憶がない」などと口利きを否定していた。

 甘利事務所に9日、一色氏の証言内容について改めて取材したところ、「発言内容の根拠は知らないが、甘利が記者会見で述べた通り」と回答した。

 一方、URは「確認ができず、現段階で答えられない」と回答した。【本多健、樋岡徹也】

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【5】甘利・金銭授受疑惑 UR「秘書と面談12
   回」 補償要請なく「口利き」否定

     毎日新聞 2016年1月29日 朝刊


 甘利氏の疑惑に関連して都市再生機構(UR、横浜市中区)は28日に東京都内で記者会見し、担当職員が2013年以降、甘利氏の秘書たちと計12回面談したことを明らかにした。URは「補償金額の要請はなかった」として「口利き」は否定したが、面談の具体的な様子は「確認中」と明かさなかった。

 12回の面談のうち10回は2015年10月以降に集中。UR問題以外の名目で横浜市内の居酒屋で秘書らを接待し、これを含め3日間連続で接触を持った。面談場所が東京・永田町の議員会館の通路だったこともあった。一度は建設会社の総務担当者が同席。UR側からは幹部級の総務部長が対応した例もあった。

 URは「問い合わせは簡単な状況の確認だったので、異質とは感じなかった」「甘利事務所だから特別な対応をしたわけではない」と強調した。

 URによると、建設会社側に計約2億3600万円を補償金として払ったが、協議がこじれた。協議相手の総務担当者から「甘利事務所にお願いしている」と伝えられ、URは「事業が迅速に進む」と考えた。一方、国土交通省によると、URを所管する同省住宅局長と秘書の間に3度やり取りがあり、局長はURの担当者名と連絡先を教えた。【坂口雄亮】


◇URが明らかにした秘書らとの面談記録◇

         会った場所   出席者

2013年 6月 7日夕  UR本社    秘書1人・UR3人

2015年 7月 6日昼  地元事務所   秘書2人・UR1人
    10月 5日昼  地元事務所  ※秘書2人・UR1人
       9日   議員会館   秘書1人・UR3人
       26日夜  横浜・居酒屋   秘書2人・UR3人
      27日昼  議員会館    秘書1人・UR3人
      28日夕  議員会館    秘書1人・UR3人
    11月 5日夕  議員会館通路  秘書1人・UR1人
    12月 1日午後 地元事務所   秘書1人・UR2人
      16日午前 地元事務所   秘書1人・UR2人
      22日午前 地元事務所   秘書1人・UR2人

2016年 1月 6日午前 地元事務所   秘書1人・UR2人

 (注)※の面談には建設会社の総務担当者が同席


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【6】衆院予算委議事録 甘利大臣室50万円は謝礼
   UR都市機構補償2・2億円の経緯

     第190回国会 衆議院予算委員会 第11号 平成28年2月10日
    http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0018/main.html


委員長 : 竹下 亘(自民党)
委 員 : 大西健介(民主党)
参考人 : 独立行政法人都市再生機構理事長・上西 郁夫

※上の議事録タイトル、下の議事録小見出し、番号は川本が付しました。
 公開されている議事録にはタイトル、小見出し、番号は付されていません。



 ―― 略 ――

<1> 甘利氏説明による大臣室50万円受け取り場面

〇大西(健)委員

 その上で、本日は、甘利前大臣本人のあっせん利得あるいはあっせん収賄の可能性ということについて議論させていただきたいというふうに思っております。

 というのも、甘利大臣の先月28日の記者会見の全体のトーンというのは、自分は重要閣僚として非常に忙しく国政に邁進していた、そのため事務所の監督の目が行き届かなくて、秘書は悪事を働いたけれども自分は法に触れるようなことはしていないんだ、そういうトーンだったんですね。

 しかし、果たしてそう言い切れるのか。この点、一つの鍵を握っているのが、私は、甘利氏本人の現金の授受、ここではないかというふうに思っております。

 この点について、記者会見での甘利氏の説明と、建設会社総務担当者、一色氏の証言がいろいろなところで異なっています。これを整理させていただいたのがこのパネルであります。

 まず、ごらんをいただきたいんですけれども、上の段です。

 平成25年11月14日の、大臣室での現金50万円の受け取りの場面であります。甘利氏は、後になって菓子折りの入った紙袋の中にのし袋に入った現金があることに気づいて、秘書に政治資金として処理を指示したというふうに説明しています。

一方で、一色氏は、ようかんの入った木箱に添えて、お礼ですと言って渡して、大臣は封筒を取り出してスーツの内ポケットに入れたというふうに証言をしています。これは、のし袋というふうに記者会見で言われていますけれども、こういう白い封筒だったと。この封筒を内ポケットに入れたというような証言をしておられます。

 次に、平成26年の2月1日の大和事務所の方でありますけれども、ここでは甘利氏は、帰り際に菓子折りと白い封筒を差し出されて、直接受け取ったことは認めています。

 そして、秘書に渡して適正に処理をするように指示したと説明をしています。


<2> 建設会社総務担当・一色氏証言
      大臣室50万円はUR補償2・2億円がおりたことのお礼の趣旨


〇大西(健)委員

 それに対して、建設会社総務担当者の証言でありますけれども、産廃のことについて30分以上大臣に案件の説明をした後に、清島秘書に促されて、直接大臣に封筒に入った現金50万円を渡したと証言をしています。

 また、そのとき、甘利氏はパーティー券にしてと秘書に言ったけれども、一色氏が、いや、個人的なお金ですからと言うと、やはりこれまたスーツの内ポケットに入れたということであります。

 今確認させていただいたように、甘利氏本人も現金の受け取り自体は認めているんです。ただ、スーツの内ポケットに入れたのか、それとも適正に処理するように秘書に指示をしたのかという点で、両者の証言がまず異なっています。

 また、一色氏の証言によれば、大臣室の50万円というのは2・2億円の補償がおりたことのお礼の趣旨で渡した、それから大和事務所の五十万円、これについては、先ほど申し上げましたように、産廃の案件について三十分以上説明をした直後にそのことの依頼の意味を込めて渡したんだということですけれども、この点も食い違っています。

 今言ったように食い違いがあるわけですけれども、実は私、先日、一色氏本人に直接会って、話を聞いてまいりました。

 ここに書いてあることを全部確認させていただきましたけれども、間違いないということであります。そして、11月14日と2月1日の大臣室と地元事務所、この二つの場面についてはいずれも録音があるというふうに聞きました。


<3> 甘利氏予算委員会招致を要請 与党理事・安倍総理ともに応じず

〇大西(健)委員

 私は、一方の当事者である一色氏には話を聞くことができたんですけれども、ただ、閣僚を辞任した甘利さんに質問したくてもできないんです。

 ですから、甘利大臣を本委員会に呼んでいただきたいと改めてお願いをしたいと思いますが、委員長、よろしくお取り計らいいただきたいと思います。


○竹下委員長
後刻、理事会で協議をいたします。

○大西(健)委員

 総理、総理自身も、甘利氏本人が説明責任を果たすことが重要であるということを繰り返し述べられているというふうに思います。盟友である甘利氏に、身の潔白を証明するためにはぜひこの委員会に出てきていただいて、お話をいただきたいというふうに説得をしていただきたいと思います。

 また、参考人招致に反対をしているのは自民党の皆さんなんですね。ですから、自民党総裁として、真相究明に協力するようにぜひ指示をしていただきたいというふうに思います。テープもありますので、総理、ぜひ指示をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。


○安倍内閣総理大臣
 甘利前大臣本人も、さきの記者会見の中で、引き続き調査を進め公表すると語っておりました。今後ともしっかりと説明責任を果たしていかれるものと考えております。

 また、委員会においてどのように取り扱っていくかということにおいては、委員会でお決めいただくことだと思っております。

○大西(健)委員

 1月28日の記者会見からもう何日たっているんですか。その間に説明責任を全く果たしていないじゃないですか。


 ―― 略 ――

<4> UR都市機構から薩摩興業への2・2億円補償契約は正当な基準で計算
    されているのか


〇大西(健)委員

 次に、前回の質疑でも取り上げたURとの補償交渉に関して、先ほどの会見の中でも甘利前大臣は、秘書は金額交渉には介入していないと何度も説明をされているんですけれども、この説明は私は虚偽があるのではないかというふうに思っています。この点について聞いていきたいというふうに思っています。

 まず、平成25年の8月6日に補償契約が結ばれた2・2億円の補償というのがあるんですけれども、URにお聞きをしたいと思います。これは基準にのっとって算出された正当な補償額ということでよろしいでしょうか。確認です。


○上西参考人
 お答えいたします。
 補償金は、公用地の取得に伴う損失補償基準に従って計算をされておりまして、妥当なものと考えております。
 以上、お答え申し上げました。

○大西(健)委員

 私の手元に、平成25年5月20日付のURに送られた内容証明というのがあります。この中で、S社、薩摩興業さんは二つのことを要求しています。URが購入した土地を従前どおり使用させるか、さもなければ営業補償を支払えというふうなことを求めています。

 これに対して、6月21日の、今度はURの回答書の写し、これも私の手元にあるんですけれども、一項めでは、貴社に対し本件土地に関し賃貸する義務や営業補償をする義務はないと、ゼロ回答しているんですね。ところが、二項というのがありまして、そこには、別の土地に存する貴社所有の物件の補償に関し通知人から別途提案がありますので、当該折衝は通知人、担当者との間で行っていただくようにお願いをいたしますと、全くトーンの異なる一文がつけ加えられています。そして、この提案というのが後ほどUR側からあって、最終的にURは2・2億円の補償を行っています。

 なぜゼロ回答だったものが一転して2・2億円の補償につながるような提案になったのか、UR、御説明をいただきたいというふうに思います。


○上西参考人
 お答えいたします。
 内容証明につきましては、1項と2項がございますけれども、1項と2項はそれぞれ違う物件に関しての内容証明でございます。

 なお、少し補足させていただきますと、甘利事務所の方がURに最初に来られたのは25年6月でございます。これはたまたま、アポイントもなく突然いらっしゃいまして、千葉ニュータウンについてというお話だったものですから、千葉でもいろいろな事業をやっておるわけで、担当を誰にするかということでちょっと時間がかかったんですけれども、課長等もいなかったものですから平の担当者三人が対応したということで、会話は十分で終わっているわけでありまして、そのときは、この内容証明郵便の取り扱いについてのお問い合わせだったということであります。

 それ以降、URと甘利事務所は、昨年の10月まで、本件に関して一切の関与というか、対話をしておりません。したがって、この間、補償契約が結ばれているわけですけれども、それについて事務所とのやりとりで金額が動いたということは一切ございません。

 以上、お答え申し上げました。

○大西(健)委員

 先ほども私が申し上げましたように、そのまま企業庁が買った土地を使わせてくれるか、さもなければ営業補償を出せということなんです。それに対してはゼロ回答ですよ。ゼロ回答しているんです。そんなのは言いがかりだぐらいの回答をしているのに、それがいつの間にか2・2億円出るようになったんですよ。

 この部分についても私は一色氏本人に聞きました。そうしたら、甘利事務所の仲介で、難航していた交渉がすんなり決着したというふうに言われています。ですから、まさに一色さんがかかわる前からずっと難航していたんですよ、ところがゼロ回答が二・二億円になるんですよ、これはやはり甘利事務所の秘書さんが本社に行ったということが影響しているんじゃないですか。UR、どうですか。


○上西参考人
 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、1項と2項の物件が違うわけでございまして、1項については道路用地、2項については、その周りの、彼らが賃貸している土地の物件でございます。

 それから、先ほど来申し上げましたとおり、平の担当者が応接しただけでございまして、それでもって金額を動かすということは到底あり得ないというふうに私どもは考えているところでございます。


<5> UR補償金額積算決定の背景 甘利事務所の存在がある

○大西(健)委員

 もう一つ、ちょっと別のことを聞きたいんです。

 先ほどURは2・2億円というのは適正に積算された正当な額だとおっしゃいましたけれども、しかし、この点についても、私が一色氏から直接聞いたところによれば、URからの最初の提案というのは1・8億円だったそうです。その場でもう少し何とかならないのかと言ったら、2000万円アップしたそうです。その後また電話で増額を要求したら、また2000万円ふえたと。

 正当に積算された額が、もう一声、もう一声と言ったら、2千万、2千万とふえて、1・8億円が
2・2億円になるんですか。これはさっきの説明と全然違うじゃないですか。おかしいんじゃないですか。


○上西参考人
 先方さんがそうおっしゃっているだけでありまして、私どもといたしましては、法人の権利や正当な利益を害するおそれがあるため、今後の当機構の補償交渉の遂行に支障を生ずるおそれがあることから、具体的な内容はお答えできません。

 ただし、一般論として、補償交渉の過程において概算額を提示し、その後、補償対象物の特定、単価の時点修正等を行いまして、最終的に金額が変わるということは大いにあり得ることであります。

 いずれにいたしましても、公共用地取得に関する基準に従って適正に算定されたものでございます。
 以上でございます。

○大西(健)委員

 その場で2000万円アップして、電話したらまた2000万円アップする、そんなのがちゃんとした根拠に基づいて積算した額なんですか。あるいは、やはりこの案件のバックには甘利事務所があるということがあったから、こういうことが起きているんじゃないですか。

 ちなみに、2億2000万円を最終的に払うことになった物件移転の補償契約書というのも今ここにあります。これを見ると、8月6日に結ばれていますけれども、補償金2億2041万2800円。このうち1億7633万円と残額を二度に分けて支払う契約になっていますけれども、最初の支払いの約1億7600万、これはいつ払われたんですか。


○上西参考人
 個々の支払い日あるいは個々の支払い金額について情報開示することは、法人の権利や正当な利益を害するおそれがあるため、従来から非開示としているところでございます。
 以上でございます。

○大西(健)委員

 いや、これは都合が悪いから私も隠していると思うんです。

 ちなみに、私、一色氏にこれも確認しました。入金は平成25年8月20日なんです。この8月20日という日付、ぴんとくる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、8月20日に、その日のうちにこの補償金を引き出して、そのうち1000万円をお礼として同日中に甘利事務所に持っていっているんですよ。

 これはまさにURが支払った補償金の一部が甘利事務所にキックバックされているとも見られるわけでありまして、私は極めて悪質だと思います。口きき、あっせんの対価そのものというふうにまさに見ることができるんじゃないかと思います。

 さらに、一色氏にこれも私聞いておりますけれども、補償契約がうまくいったときのお礼の額、これについては事前に清島秘書と相談の上決めたということなんです。まさに、2・2億円の話がうまくいったら、これぐらいのお礼でいいですかねと。初めに言った額には何か不満そうだったので、では1000万円でいいですかということで1000万円ということを決めて、実際には500万円しかその日は受け取られなかったということであります。


<6> 甘利事務所が要請
    平成27年10月27日UR都市機構・一色氏 補償交渉


〇大西(健)委員

 前回の質疑で私が示した、真っ黒に塗られた記録というのがあったかというふうに思います。あれは平成27年の10月27日と11月12日の記録なんですけれども、これが、前回の質疑を受けて、理事の皆さんの御協力をいただいて一部墨塗りが公開されました。

 その中で、まず上の方の、10月27日という方から見ていただきたいんですけれども、一色氏と思われる人物が冒頭のところで、なぜ本日この場が設けられたのかと聞いて、それに対してUR側が、甘利事務所のほにゃらら秘書からお話があったためと答えています。

 この日の会合というのはUR側から持ちかけたものということでよろしいんでしょうか。また、件名のところにも議員秘書依頼による面談とわざわざ特記をしてありますけれども、議員事務所が補償交渉をセッティングするというのは普通にあることなのかどうなのか。UR、いかがですか


○上西参考人
 10月27日の補償交渉は、9日の、甘利事務所の秘書の方とうちの職員が面会した際に、先方から面会の要請があったことによってセットされたものでございます。

 こうしたことがよくあるかというお問い合わせかと思いますけれども、ケース・バイ・ケースであり得るということだと思います。

○大西(健)委員

 前回も私、12回に及ぶ甘利事務所とURの面談の記録というのを皆さんにお示ししましたけれども、あれとは全然話が違うんですね。最初、何で真っ黒になっていたかというと、これは補償交渉なんですね。補償交渉というのは、当然のことながら、本来、当事者でやるものなんです。それを議員事務所がセッティングするということは本当にほかにもあるんですか。ほかにあるんだったら、ほかの例を教えてください。


○上西参考人
 具体例につきましては、今、持ち合わせがございません。

○大西(健)委員

 あるんだったら、後日、理事会に提出をしていただきたいというふうに思います。
 ないんですよ。ですから、さっきも言いましたように、これは議員事務所とURの接触ではなくて補償交渉そのものですから、それを議員事務所がセッティングするということ自体が私はあっせん行為に当たるんだというふうに思います。

 しかも、さっきもちょっと触れましたけれども、この冒頭の会話はちょっと不自然だと思いませんか。一色氏がこの交渉の場に行っているわけですけれども、きょうはなぜ呼ばれたのか、面談の議題は何かと聞いているんですね。これは不思議ですよね。不思議なんですけれども、私はこういうことじゃないかなというふうに思うんですね。

 つまり、一色氏は、わかっていて聞いているんですよ。わかっていて聞いているんです。つまり、きょうは自分が呼ばれたんだけれども、きょうは甘利さんのところから言われてこの会をセットしたんだよね、来たからには新しい提案があるということだよねということを吹っかけているということなんじゃないですか、冒頭こういう発言をするというのは。つまり、事前に甘利事務所からこの会をセッティングするということがあって、その上でこれがセッティングされているんだから、きょうここに来たからには新しい提案をしてくれるんだよねということを言っているんです。

 ちなみに、この日の会話も録音されています。私はその会話を文字に起こしたものを読みました。そうすると、一色氏は交渉の中で何度も甘利氏の名前を出しています。例えばこんなことを言っています。こういうことを言っているんです。

 まして国務大臣でもね、国務大臣の中でも相当の方だと思うよ、それの秘書の方が、ただ聞いてあげてじゃなくて、ちゃんと聞いてあげてくださいというのが普通だと思うよ、こう言っているんですよ。甘利氏が後ろにいるんだよと。だから、それはただこれを聞きおくという話ではなくて、ちゃんと聞いてあげて、つまり、ちゃんと聞いた上で動いてあげてということを言っているんですよ。

 これは、URとしては相当プレッシャーを感じると思います。私も気の毒だなというふうに思いますが、UR、プレッシャーを感じませんでしたか。


○上西参考人
 お答えいたします。
 補償交渉の中身に触れる件でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。

○大西(健)委員

 中身に触れるところと言いながら、でも、まさにこの会をセッティングしたのは甘利事務所なんですよ。ですから、その中身についても、私は、これだけ疑いがかかっているわけですから、ちゃんと明らかにすべきだと思います。先ほど言いましたように、録音もあります、私も文字起こしを読ませていただきました。何度も甘利氏の名前を出して一色さんは交渉しているわけです。


<7> 甘利事務所・鈴木政策秘書が同席
    平成27年11月12日UR都市機構・一色氏 補償交渉


○大西(健)委員

 パネルに戻っていただいて、下の方です。これは平成27年の11月12日でありますけれども……(発言する者あり)そうなんです。最初はこれは全部黒塗りで、そもそも日にちまで隠されていたので、本当にこの日にちのものかもわからなかったんです。11月12日なんですけれども、相手方のところに、社員と紹介されたが、名刺を切らしているとのことで確認できずというふうに書いてあります。

 つまり、この日の補償交渉には一色氏以外にもう一人の同席者がいます。これは、甘利氏の政策秘書の鈴木氏ということでよろしいんでしょうか。UR、お答えください。


○上西参考人
 お答えいたします。
 我々の交渉は、甘利事務所との関係は東京で行っておりまして、具体的な補償交渉は千葉で行っているということでありまして、千葉の人間は甘利事務所の方を一人も存じ上げないということでございます。

 当日、一人、一色氏のほかに同席されていますけれども、それが誰かということは確認できておりません。以上でございます。

○大西(健)委員

 確かに、千葉ニュータウン事務所で補償担当をしている人は、東京の秘書のことを知らないかもしれません。

 ただ、逆に言うと、薩摩興業の人はもう大体知っているわけですよ。薩摩興業というのは小さい会社ですから、もう何度も交渉しているわけですから。だから、このとき薩摩興業のサトウですというふうに名乗ったということなんですけれども、薩摩興業にそんな人がいないということは逆に言うとわかるんじゃないですか。どうですか、この点、UR。


○上西参考人
 お答えいたします。
 全容を確認できているわけではありませんので、確たることは申し上げられません。

○大西(健)委員

 そもそも、さっきも言いましたけれども、補償交渉というのは当事者間で行われる話で、そこに誰か全然関係ない人が同席していること自体がおかしいんです。ですから、本来、違っていたら同席を断らなきゃいけない話だと思います。

 もう一つ、先ほど確認しましたけれども、この時点では誰だかよくわからなかったということでありますけれども、名刺を出さずにサトウと名乗った人が甘利事務所の秘書だったということに後日気づいたということはありますか。


○上西参考人
 当人にも確認いたしましたが、確認はできないという発言でございました。

○大西(健)委員

 この部分についても、私は一色氏に確認をしました。サトウと名乗った人物ですけれども、この人物は甘利事務所の政策秘書の鈴木氏で間違いがないということであります。

 ちなみに、1月28日号の週刊文春には、鈴木氏と一色氏が千葉ニュータウン事務所に入っていくところ、建物に入っていく写真がもう掲載されているんです。また、この日も録音が残っています。文字起こししたものを読みましたけれども、建物に入る前に、鈴木秘書のことを薩摩のサトウということにしようと一色さんと鈴木さんが打ち合わせをしている、その音がちゃんと残っているんです。

 偽名を使ったということは、まさに先ほどから私が申し上げているように、純然たる補償交渉に秘書が同席するのはまずいということを自覚しているからこそ、偽名を使っているんじゃないでしょうか。補償交渉に甘利事務所の秘書が同席したこと自体があっせんそのものであって、そして、甘利大臣が記者会見で説明をしている、秘書による金額交渉への介入はなかったということもうそになるのではないかというふうに私は思います。


<8> UR幹部は、甘利大臣本人が一連の経過を承知か、確認を取った

〇大西(健)委員

 次に、皆さんのお手元の配付資料の中に、読売新聞の記事というのを入れさせていただいています。
 この記事の中で、UR幹部が甘利氏本人もこの問題を把握しているのかと尋ねたところ、細かいことは申し上げていないが案件は報告をしていると答えたというふうに載っていますけれども、これで間違いありませんか。


○上西参考人
 その発言をしたことは間違いございません。
 以上でございます。

○大西(健)委員

 そうなんです。秘書はそう言っているわけですね、細かいところまでは言っていないけれども報告をしている。甘利氏本人は当然こういう秘書の動きを、案件のことについても報告を受けているんです。そして、甘利氏の公設秘書が口きき、あっせんを行った。さっき一連の経緯を見ていただきましたけれども、甘利氏本人も現金を受け取って、公設秘書も金銭や接待を受けていたということであります。

 つまり、先ほども言いましたけれども、記者会見では、秘書は悪いけれども自分は国民から後ろ指を指されるような行為は今日まで行っていないと大臣は言っていたわけですけれども、これは極めておかしいじゃないかというふうに思います。まさに一体となってこの案件をやっていたんだというふうに思います。それがそうだとしたら、私は、甘利氏に同情した国民はばかを見る話じゃないかなというふうに思います。

 その点、先ほど甘利大臣についてはお願いをしましたけれども、公設秘書であった清島健一氏、そして鈴木陵允氏の両名の本委員会への参考人招致を求めたいと思いますが、委員長、よろしくお取り計らいください。


○竹下委員長
 後刻、理事会で協議をいたします。

○大西(健)委員

 まさに、私は、先ほど申し上げましたように、これは補償交渉に甘利事務所の秘書が同席をしていたということだと思いますが、この点、これでいいんですか、UR。

 実際そのときは気づかなかったということですけれども、結果としては、補償交渉という当事者間で本来やるべきところに甘利事務所の秘書が同席していたということですけれども、それでいいんですか、UR。それはいいことなんですか。


○上西参考人
 私どもとしては確認ができておりませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

○大西(健)委員 

 これは、不適切と答えていただかなければならないんだと私は思います。気づかなかったのかもしれませんが、結果としてそういうふうになったということは私は不適切だったというふうに思います。


 ―― 略 ――

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