川本ちょっとメモ

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自党の総裁選でさえ強権で押し込むのが安倍晋三時代良識ゼロ自民党の流儀

2018-09-18 07:55:32 | Weblog

2018.8.29.毎日新聞
<自民党総裁選> 吉田自民党参院幹事長が石破茂氏「正直、公正」を抑制

 自民党の吉田博美参院幹事長は28日の記者会見で、党総裁選で支援する石破茂元幹事長(61)に対し、安倍晋三首相(63)への批判を抑制するよう直接求める考えを示した。石破氏が総裁選ポスターに「正直、公正、石破茂」と大書していることに対し、首相支持派からは「野党と同じだ」との不満が強い。

 吉田氏は会見で30日に石破氏の呼びかけで東京都内で会談することも明かした。吉田氏が総裁選を巡って石破氏と直接会うのは初めて。石破氏が首相の政治姿勢(※「正直、公正」)を争点化する姿勢を見せていたことに吉田氏は不快感を示しており、28日の会見では「あえて個人攻撃のようなことはない形で(総裁選に臨んでほしい)と申し上げたい」と語った。

上の毎日新聞記事は、自民党総裁選について吉田博美自民党参院幹事長が記者会見した内容を伝えています。

自民党竹下派は総裁選で衆院議員が安倍晋三支持。竹下派参院議員は青木幹雄元参院議員会長の意向を受けて石破氏支持を決めました。吉田博美参院幹事長は竹下派参院議員を石破支持でまとめる立場です。その一方、吉田参院幹事長は安倍首相と良好な関係にあります。

安倍首相側近の誰かが、こんなことをささやいたのではありませんか。「正直」とか「公正」とか持ち出せば、森友・加計に触れるよね。吉田さん、それはまずいだろう……。

吉田氏は自民党総裁選で、心ならずも安倍と石破の二股掛けに追いこまれた難しい立場です。安倍陣営に忠誠心を見せておかないと後が怖い。それで、「正直、公正」を掲げて総裁候補者の政治姿勢を争点化しないよう、石破氏にブレーキをかけた。


保身に身を焦がし目がくらんだ吉田自民党参院幹事長

「正直」とは、幼児から高齢者に至るまで、日本人であろうと外国人であろうと、すべての人間に求められている徳目ではありませんか。

自分が正直であり誠実であり、暮らしや仕事で触れることになる相手の人が自分と同じように正直で誠実であると、信頼できることがあたりまえの前提になっているからこそ、わたしたちは無事に暮らしていけています。

「公正」とは、親睦団体であれ、学校であれ、会社であれ、市町村から国に至るまでの行政であれ、市町村会議員から国会議員に至るまでの政治家であれ、数人の規模であれ何万人の規模であれ、人が集まってできる数多の種類の組織に共通して求められている行動規範です。

「正直」や「公正」というものはこういうものであるのに、これに不快感を示した自民党議員がいたのです。人間として低ランクな議員たちです。

吉田博美自民党参院幹事長は総裁選でいごこちの悪い立場にさいなまれ、安倍首相に対する保身の策に目がくらみました。あろうことか、石破茂総裁候補に「正直、公正」を総裁選の争点にしないよう要請すると、記者会見までして明らかにしました。石破氏に会う前に下地を入れておき、それと同時に自分の努力を安倍首相とその周辺に知ってもらうための記者会見です。

正直であれ、公正であれ。これは善を成せという主張です。これを争点にするなというのは、正直、公正という善を否定するのに等しい。何が善で、何が悪なのか。吉田参院幹事長はまるでわかっていません。

選挙と名がつくものにとって大義名分という旗じるしは、勝敗を制するうえで最も大切なものの一つです。「正直、公正」という立派な大義名分を取り下げるよう迫ることは、この観点でもやるべきことではありません。吉田氏は政治家としての器は小物なんでしょう。

一方、吉田博美自民党参院幹事長のこの記者会見の内容についておもしろい反応がありました。

2018.8.29.毎日新聞
立憲民主党の辻元清美国対委員長は記者団に「正直、公正と言えば個人攻撃になるということは、(首相が)うそつきで不公正だから個人攻撃になる。語るに落ちている」と語った。

吉田博美氏も吉田氏に不満を伝えた自民党議員の誰かも、本音では「安倍首相の政治は正直、公正に欠ける」と思っているのですね。だから「正直、公正」ということばに、変に敏感に反応する。

ところで、総裁候補の論戦で安倍批判にブレーキをかける露骨な動きは、今の自民党の硬直化、劣化のひどさをあらわしています。


安倍晋三時代の政府・自民党は「力で押し込む」のが身についている
自民党、新聞・通信各社に総裁選報道のしかたで細かな条件つけ

自民党は総裁選報道のしかたに希望条件をつけた要請状を8月28日、新聞・通信各社宛てに送りました。

自民党は、延べ何十年という長年月の間、日本の政治を支配してきた政党です。政治権力と一体的な存在である自民党が報道のしかたに条件をつけることは、実際には報道に対する指導であり、受ける側にすれば規制圧力です。

<報道のしかたについて自民党が要請する条件>
1.新聞各社の取材等は、規制いたしません。
2.インタビュー、取材記事、写真の掲載等にあたっては、内容、掲載面積な
 どについて、
必ず各候補者を平等・公平に扱って下さるようにお願いいた
 します。
3.候補者によりインタビュー等の掲載日が異なる場合は、掲載ごとに総裁選
 挙の候補者の氏名を記したうえ掲載し、この場合も上記2の原則を守って
 いただきますよう、お願いいたします。


こんなことで報道に枠をはめようとすることそのものが不当です。これまでの実情を顧みれば、安倍晋三時代の政府・自民党は政治権力の使い方では良識ゼロに見えます。少しでも自分たちの思い通りにならなければ、「力で押し込む」のが安倍晋三時代の彼らのやり方です。

どのように評価し、どのような伝え方をするか、それは報道する側の自由です。報道機関各社には、自民党の要請に負けない、遠慮のない活発な報道をしてほしい。これまで「報道の自由」は、安倍政権の圧力下の自主規制でじりじり後退するばかりです。際限なく後退してもらっては困ります。報道圧力を跳ね返す仕事ぶりを見せてほしい。


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