私が撮影所に就職して
親父は仕事で大先輩に
なりました
… … …
親父は年間4~5本の
映画制作に携わっていました
親父は、新しい台本を持って
帰宅しました
親父は夕食後、晩酌の杯を傾けながら
赤鉛筆で台本にチェックを入れていきます
… … …
新しい台本をどう読んでいくのか
ついに聞きそびれてしまいました
親父が新しい台本を持って帰宅してから
その台本の映画が完成するまで
… … …
母親は私らに家では親父に
話しかけないように静かにしているのよ…
と厳命します。
… … …
これが何時からか家風になっていました
台本のチェックが一段落した親父は
台本を貰ったからといってこの映画の
制作(撮影)が始まるとは限らない
スタジオのセットに入って、
最初のワンカットがシュートするまで
わからないよ…とニコッと微笑みました
映画が企画されて、俳優さん、監督はじめ
スタッフが決まって、本読み(ほんよみ)も済んで
いよいよ制作というときに映画制作が中止に
なることがありました。
… … …
これを「お蔵入り(おくらいり)」といいます